ユキ・シオン

那月

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真実と嘘と現実

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 ――翌日。ばっちゃんと俺の家で朝を迎えた俺は、いつものように大学へ。


 昨日は夕方、先生の家を出て帰宅。危険だから送っていくって言っていたが絶対、今度は先生が家に帰れなくなるからと走って逃げた。


 熱もないし、ケツの痛みも気にならねぇ。さすがは保健室の先生。俺を保護した時、ケツに軟膏か何かを塗ってくれていたらしい。


 今日は2時間目と3時間目がスルーだし。また昼寝でもしてやろうと、それから先生の顔でも拝んでやろうと保健室に足を運んだ。


 外から。あ、窓が開いてる。今日はいるんだな。スッと顔を覗かせると、白衣をまとった先生がいた。


「あら、そんなところからどうしたの?怪我かしら?」


 知らない女の先生。不審な俺に気付いて驚くも、窓際まで来て俺の体に怪我がないかと探す。いや、どこも問題ねぇよ。


 あぁそうか。保健室の先生は2人いて、交代でやってるんだっけか?なら今日は休みか?


「元気です。あの、あー……もう1人の、猫屋敷先生?は、今日はお休みなんですか?」


 愛想笑いを浮かべてそう問いかけた瞬間、女先生の表情が曇った。あぁ、なるほどな。やっぱり避けられなかったのかよ。


「猫屋敷さんは昨日付けで解雇。免許もはく奪されて、今日中にこの街から出るように命令されているわ。一体何をしたのかはわからないんだけど……あ、ねぇ君っ!」


 俺は駆け出した。女先生に礼も詫びも言うのも忘れて、ひたすら地面を蹴り続ける。


 どこだ?どこだ、どこだ、どこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだっ、どこにいるっ!!


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