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待ち望んでいた
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しおりを挟む斜め下を見つめる黄色の瞳は陰っていて、不安を隠せないで揺れている。こっちまで不安になるんだよ、バカ。
俺は擬人化種についてほとんど何も知らねぇけどさ。ジャガーの店長、ライガーの先生、それからキツネの香さんに出会えた。
香さんにいたっては擬人化種の保護をしているとか。これは運命。擬人化種について詳しく知る良い機会だと思うんだ。
だから「あとで」って言ったことは許してやる。香さん、もうすぐ食い終わっちまうし、次の予定があるんだよな?
「話を進めても良いかの?その直也じゃが、まぁ悪いようにはせん。わしの監視下に置いて経過を観察。少々心に深い闇が住み着いておるようじゃから、ついでにしつけてやろう」
「お手数をお掛けします。ブチギレてしまったとはいえ、我を失ってあの姿をさらして人間に触れてしまうなんて」
「かまわぬ。わしも面白い獲物……若い人間を観察できるのが楽しみになったからの。それにライガーになってしまうほど、その子を心より想うておるということの現れじゃ。わしにとっては微笑ましいことじゃよ。これからも大切になさい」
……なんか、所々ヤバい単語が聞こえた気がするんだが。ちょっと、釈放後の直也が心配になってきたぜ。
いつもの先生らしくねぇ、ずっとジメジメした顔をうつむかせているのにイラッとして。頬をつねってやろうと手を上げた時だった。
早すぎて茶色い残像しか見えなかったが、先生の口の中に勢いよく突っ込まれた。「んぐぅっ!?」と驚いて顔を上げた途端、もう1つ追加で押し込まれる。
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