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準備体操よーい
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しおりを挟む太ってはいないけれど筋肉ムキムキってこともない、いたって普通の体系。普通ではないのは、シオンが目を奪われたのは、俺の胸。
「これ、何だよ?古傷にしても、こんな大きな……」
「昔、香さんが俺を調べるって言って擬人化種の研究所――公式の方――へ預けられていた時期があって。俺に魅了された研究員と揉めて、脱走した。その時の傷」
「研究所、か。脱走って、そのあとどうなったんだよ?」
「ん?その研究員が勝手に、良くない研究をしていたのが香さんにバレてね。研究員全員から俺の記憶を消して、俺も被験者から外してもらったんだよ。研究員がその後どうなったのかは、知らない」
今やっと気づいたのか。それまでは俺の胸なんかまじまじと見る余裕なんてなかったか?
俺の胸の真ん中には、医療用のメスによる大きな切り傷痕がある。
まだ俺の力がそんなに軽減されていない時だったし。その研究員が少しずつ時間をかけて俺に魅了されたせいで狂い、暴走したんだ。
あの時代のことはもう、思い出したくない。
「悠一……?」
「あっごめん、怖い顔になってたか?ごめんごめん。何でもないから……って、シオン、何をして――」
「俺が舐めて治してやる。ん、っ……大人しくしてろ」
いやいやいやいや、大人しくなんかできるはずがない。主に竿が。さらに成長。
シオンが、俺の腕をタオルで擦りながら、器用にその傷をペロペロ舐め始めたんだ。端から端まで、時折艶のある声を漏らしながら。
これで大人しくしてろだなんて、ただの拷問。ザラザラの舌が傷口をなぞって、痛くはないけれどむずがゆいような気持ちいいような。
それよりもそのあとだ。腕が終わって胴体を擦り始めるとペロペロを止め、今度はさらに下に顔を下ろし舌を伸ばす。
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