ユキ・シオン

那月

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初夜

11P

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「ーーあだぁっ!ひ、髭を引っ張るなんて……抜けるかと思った……酷いよシオン」


 あ、悠一が人間に戻った。何を勘違いしてんだか。何で最中に完全に変身するんだよ。ビビッて萎えたんだっつーの。


 マジで怖かった。だってライガーだぞ?自分の3倍近くはデカいライガーが俺の上に乗っかって、しかもベッドがミシミシ壊れる寸前で。


 その状態でじゃれついてくるとか。まず、顔がデカい。大きな、ザラザラの舌で胸から首を舐め上げられたり、敏感になっている肌をフサフサの毛が撫でて。


 しかも、ライガーの状態で動こうとするなんて。いくらなんでも、たとえ悠一でも、ライガーとエッチは嫌だ!


 元に戻さなかったら今頃、未曽有の大事故。まぁ、戻ったっていっても耳と尻尾はライガーのまま、体もちょっと模様が出てる。


 綺麗な、純潔のトラよりはちょっと薄い柄。俺は真っ白な猫だし柄がないから羨ましい。格好いい。


 手を伸ばして、模様の部分に触れる。まるで刺青みたいだ。視線を上げてみれば黄色い瞳はうっすら光を帯びていて、瞳孔が縦に長い。


「その姿の方が楽だろ?」


「ん、完全な人間よりはかなり楽だなぁ。でもシオン、俺今結構力を解放しているんだが、大丈夫か?」


「へーき。香さんのあの眼で見られるより全然、大丈夫。はぁ、ん……つか、辛い。早く動け。何もしなくても気持ちいいくらいだから……」


 ライガーの耳と尻尾が出ている悠一を見るのはこれで2回目。1回目は、猫カフェのバックヤードで店長と一緒に見せてもらった。


 あの時は力だけを押しとどめていたんだとさ。人間の姿だと力は全く出なくて、ライガーだとダダ洩れ、中間で上手くコントロールできると。


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