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時を超えて受け継ぐ力
3P
しおりを挟むいつからそこにいた?さすが、らしい発言をしたドクトルが、香さんの真後ろで挙手。香さんの頭から手が生えているみたいで、一瞬ビックリした。
発言する時は挙手しないといけねぇのかよ?いや、そんなことよりも。マジかよ?
通訳さんだった緋桜さんが、香さんに襲いかかろうとしていた怪しい手をひねり上げる。そのまま立たせて、黒の王のもとへ。
あーあ、黒の王が汚いゴミでも見るような目で見てるぜ?ものすっごく嫌そうな顔をして、溜め息。
「不服だが、その方法が1番安全で手っ取り早い。不服だが、な。恋人同士なのだ、2人さえ良ければだが。大変不服だが、それなら我は力の流れを作る手助けをする」
3回言った。しかも3回目、ちょっと声が大きかった。そんなに「不服」なんだな。
超嬉しそうに目を輝かせたドクトルの脇腹をドスッ!とド突いて、緋桜さんが香さんの元へと戻る。
「フカフカのベッドじゃのうてすまんが、失敗せぬとも限らぬ。わしらは出て行くゆえ、思う存分、楽しむがよい。笑也君、ドクトル、行くぞ」
「えっ待って、吾輩出番少なくないっ!?ちょぉっ!やぁだぁっ、色違い子猫ちゃんもっと見たぁーい!触りたぁーい!ベロベロしたぁーい!」
「猫屋敷さんに八つ裂きにされるご覚悟があるのならどうぞ?助けて差し上げませんから。そういえばさっき、救急の間者が運ばれてきたようッスよ?では」
「ちなみに、レコーダーって電源つけて録音モードで置いて行っても…………だ、だめですよねっ!すっすんませんっしたぁー!」
ニヤニヤを隠しきれなかった香さんと、駄々をこねるドクトルを悠一の前に押し出した緋桜さん。それから、レコーダーを取り出そうとして悠一と目が合い真っ青な顔で飛び出した笑也が病室から出て行った。
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