552 / 756
終息と誓い
5P
しおりを挟む大御所はよく待たされる。わざとらしく大きなあくびをして、椅子に座り足を組む。腕まで組んで、どこかお疲れのご様子?
「まず、シオン君の力についてじゃが。信じる力の強さとは、ネコヤン君のような圧倒的な暴力的な力とは違う心の強さ。ゆえにカーストには関係ないのじゃが、その影響力を表すならばカースト1位……にもなり得る強さじゃと、わしは思うておる」
「かいかぶりすぎです。信じ続けるのは確かに難しい。けど、どれだけ信じてもそれに応えてくれない人だっている。カースト1位なんて。俺はせいぜい、カースト6位くらいですよ」
「そんなに謙遜してないんだな。6位って、ミキちゃんレベルか。……あぁ、ミキちゃんはまた今度紹介してやるから」
カーストなんてトップ3までしか知らねぇし。そもそも、この街にどれくらいの擬人化種がいるのかも知らねぇ。あとで悠一に教えてもらおう。
たまに悠一の口から聞こえる「ミキちゃん」は、怖い女の人だということしか知らない。何の擬人化種なのかも、悠一は「会ってみてからのお楽しみってことだな」って言うだけだし。
どんな人なんだろうなぁ、とか。俺の力は香さんも認めるほどの力なんだなぁ、とか。考えていたら香さんが話を進めるので慌てて意識を香さんに戻す。
「少々ヘタレ感は残っておるが以前よりは頼もしくなった、圧倒的な力を持つネコヤン君。そしてその隣にシオン君がおれば、擬人化種の未来を託せる」
「……まだ、隠居なさりませんッスよね?」
静観を貫こうとしていた緋桜さんが、口を開いた。いつもの無表情の奥に、不安が混じって見える。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
野球部のマネージャーの僕
守 秀斗
BL
僕は高校の野球部のマネージャーをしている。そして、お目当ては島谷先輩。でも、告白しようか迷っていたところ、ある日、他の部員の石川先輩に押し倒されてしまったんだけど……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる