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終息と誓い
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しおりを挟むムキになったままの香さんが、緋桜さんと同じくらい高身長の青年に変化した。香さんって、俺より少し背が高いくらいで平均よりは低いからなぁ。
気にしてんだよ。……って、俺は平均よりかなり低いってことだからもっと気にしてるんだけどな!何言ってるんだよ俺は!?
「ネコヤン君の言うとおりじゃ。では頼んだぞ、ドクトル。ゆくぞ緋桜!わしらはこれから、昨日引っ越してきてくれた同胞の――」
「シオン君、これからもその無駄にパワーアップしたヘタレをよろしくお願いするッス。あぁ香さん、そのお姿のままで行くんスか?」
誰ですか?な高身長の香さんが手を振りながら部屋から出て行って。俺達に深々と一礼をしてから香さんの後を追って、病室から出て行った緋桜さん。
また擬人化種がこの街に増える。どんな人だろう?香さん、紹介してくれないかなぁ?もちろん、友達になるために。
とか考えていると、隣で浅い溜め息が聞こえた。ポンポンッと肩を叩かれて顔を上げると、苦笑いの悠一が指をさした。
悠一の顔から腕、指先からその先へとたどっていった先は部屋の隅の暗がり。
窓の光があんまり届かない隅っこに、真っ黒い塊が転がっている。あ、完全に忘れてた。ずっと黙っていたし、移動していたのも存在すら完全に、忘れてた。
でもよかったな?香さんは最後に声をかけてくれていただろ?それに、そこで隠れてずっとスマホをいじっているんだもんなぁ?
床に横になって背を向けたまま、暗がりでよく光っているスマホを握ってさ。ずっと無視されてグズグズいじけている、フリをしているドクトル。
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