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危険人物はロン毛?
10P
しおりを挟む「動くなっ!!あーくそっ、巻き直しだっ!絶対に動くな!」
「い、いや、今のは絶対に高宮さんが悪いって!そんな、いきなりきょ……っ」
「俺様が悪いわけがないだろうが。フンッ。まぁ、そんなことはどうでもいい」
どうでもいいのかっ!いきなり下ネタをブッ込んでおいて、それはねぇよ。身勝手で圧倒的な俺様に、もう返す言葉もございません。
驚きのあまりビクゥッ!と跳び上がってしまい帯がほどけたので、高宮さんがブツブツ呪詛のような文句を呟きながらも巻き直してくれる。
「俺様のことはもう知っているな?貴様のようなひょろっこい、何の力も持ってないようなクソガキなんぞ喰わん。だが猫屋敷さんはカースト2位だ。そのせいあって会ったのは十数年振りだが……」
そこで、高宮さんは口を閉ざした。どうしたんだろう?と顔を向けようとしたらガッ!と顎をつかまれて「前を向け!」だとさ。
一瞬だけ見えた、あっという間に巻き直した帯と着物全体のバランスを見て、手縫いで細かい修正をかけている高宮さんの顔。
格好いいなぁって。緋桜さんのように猛禽類を連想させる切れ長の目、海のような深い青の瞳は野心に満ちた光があって、けれどまっすぐな強い意志を感じる。
おい、それは俺の身長が平均よりも低いからか?着物の裾の位置で悩んでいるのか、しゃがんで裾を上げ下げしている高宮さんが再び口を開いた。
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