587 / 756
危険人物はロン毛?
11P
しおりを挟む「あの人はライガーの擬人化種ではなく、幸せの擬人化だろ。って思うくらい、幸せがにじみ出てウザい。胸焼けで吐きそうだったぞ」
「あ、よく言われます。昔はこんな、フニャけた締まりのない顔をしてなかったのにとか」
「貴様に骨抜きにされていると言ったところか。フンッ、くだらない。……少し直してみたが、どうだ?きつかったりしないか?」
結局裾はほんのわずかに上げ、脇のあたりと首の後ろを少し直したらしい。動いて確認してほしいと言われて体をひねってみたり、腕と足を大きく動かしたり立ち座りしてみて。
向き直って「右より左がちょっとだけ違和感が」って、言い終わる前に針を手に直しに取り掛かる高宮さん。
チクチク、チクチク。「どうだ?」と聞かれ、確認すると違和感が消滅。俺の体も同然ってレベル。少し直しただけなのにさ、初めて着たのに普段着る洋服よりも動きやすい。
過剰表現なんかじゃねぇ、マジなんだ。って驚いて声も出ないでいたら、鏡の前に肩を押された。
「う、わ……これ、俺か?サイズも、色も模様も、バランスも全部似合ってる。格好いい要素もあって、綺麗……」
「当たり前だ、俺様が作ってやったんだからな。貴様は色が白いし顔が洋風で柄に少々迷ったが、小悪魔そうに見えたんでな。新作のドクロを取り入れて正解だった」
「ありがとうございます。本当に、すっごく嬉しくて感動してます。絶対に、近いうちに必ず何かお礼をさせてください!悠一は差し出せないけど、何か作ってきます!」
「今回の依頼者は貴様ではなく猫屋敷さんだ。報酬の請求先はあの人。貴様に礼をされる筋合いはない」
そんなに俺の手料理が食いたくないのか?でもな、俺は諦めねぇから。俺の肉料理のレパートリーを増やすためにも、新作を作ってやる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる