ユキ・シオン

那月

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肉食と草食と雑食と昼食

14P

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 仕事は、ちゃんとやるんだがなぁ。才能もあるんだけどなぁ。世の中、完璧っていないんだな。


「帰ろうシオン。スーパーに寄って買い物をして、帰ったら2人でゲームしよう」


「だな。買い物かぁ。今日の晩飯は……白身魚の甘酢炒めでいいか?あぁわかってる、パイナップルとキュウリは入れねぇから。代わりに、カシューナッツ入れてやるよ」


 シオンの頬、顎の下を撫でてやり席を立つ。高宮の話は終わりだ、このあとのことを考えよう。


 白身魚の甘酢炒め。簡単に言えば、酢豚の豚肉が白身魚になったやつ。そして、その白身魚が大きくて衣付きで1度揚げてあるっていう。


 ピーマンと玉ねぎと人参も入っているんだが。初めて作ってくれた時に、酢豚感覚でパイナップルとキュウリが入っていて。こればっかりは苦手で残した。


 今回はカシューナッツを入れてくれるのか、触感が楽しそうだな。さすが、趣味が料理なだけはある。今日の晩飯が楽しみだ。


 レジへ向かいながら「あとは?」と聞けば「紫芋のポテトサラダ」だってさ。そういえば前に大学の友達にもらったって言っていたな。


 紫芋なんて初めてだが、シオンが作るのなら美味い。楽しみだ。あぁ、楽しみだ。


「シオン、小銭あるか?あ、じゃあ端数は頼むな。お会計お願いしまーす。入店から最後まで、ツレが本当にご迷惑をおかけしました。え、いつものこと?」


 レジに立ち、シオンが小銭をジャラジャラ用意していると店員さんが苦笑。高宮、よくここに来るんだな。よく、迷惑をかけているんだな。


 大きなお札を出そうとしたら、店員が首を傾げた。


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