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肉食と草食と雑食と昼食
13P
しおりを挟む興ざめ、って感じだな。戻るのはいいんだが、俺を蹴るなよ。怒るぞ。シオンが。
「俺、あの人嫌い。大嫌い」
ほらな。ダンッ!さっきまでのジジオンは尻尾を巻いて逃げて行った。怒れるシオンが湯呑みをテーブルに叩きつけ、だが「わ、割れてないよな?」って心配して確かめる理性。
割れてない、ヒビも入ってない。ホッと安心してから顔を上げ、また怒った顔を向けてくる。
「俺は大丈夫だ。ありがとな、怒ってくれて。あいつは昔からずっと、誰の前でもあぁなんだ。毎回、いつまでも怒っていたら高血圧で血管が爆発する。諦めろ」
「でも悪いことだってわかっていながら突き飛ばしたり蹴ったりするなんて!人としておかしいっ…………まぁ、高宮さんも俺達も人じゃないけどさ。それでも、おかしいよ」
俺達は人間じゃない。だが高宮があそこまで自分勝手で暴力的かつ俺様なのは、ただの性格。それから、あいつがわざとそういう風に振る舞っている。
それは俺にもシオンにも、もしかしたら他にも気づいている奴がいると思う。そう気づかせる部分が垣間見える。
高宮にだって思いやり、優しさはある。それでも、その温かさを一気に凍りつかせるのが。あいつが、野生動物や同胞を喰らう行為。
高宮にとって人間の姿は、仕事をしているのはこの世界で生きるため。鷹なのだから狩りをして喰らうのは当たり前だと、そう笑うあいつを、俺も香さんも否定はできないんだ。
実は、高宮以外にも狩りをしている肉食の擬人化種はいる。高宮のように擬人化種の同胞に手をかけるようなことはしないが、それが1人や2人ではない。
しかも、高宮を尊敬しているときたもんだ。尊敬が崇拝、信仰に進化しなければいいが。というのが、香さんの悩みの1つ。
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