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再会
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しおりを挟むなのに、見ていたはずなのに。全く気にすることもなく淡々と話を進めるなんて。大事な親友があんな風にされるのは俺は、我慢ならない。
新しい薬の開発は、実際に飲む人で試さないといけない。それはわかってるけどさ。扱いが酷すぎねぇ?
しかもせっかくの面会ももう終わっちまったし。1時間もいられなかった。もっと色々、この1年間は何をしていたのかとか聞きたかったのに。
でも今回は、直也がどれだけ悠一の魅了の力の影響を受けているのかを確かめるため。そしてその発作を抑える薬の効力を確かめるためだった。
全部わかってる。でも、どうしても。こみあげてきた怒りが喉を這い上がって、口から飛び出しそうになったその時。
「香さん。直也はシオンが擬人化種だとわかって見世物にしたり儲けを考えた、酷い人間だが。今はしっかり反省をして、なおかつ俺の力に苦しむ、共存ができる見込みのある人間だ。それなりの扱いをすれば後々、相応の未来になるとは思わないか?」
「直也は出所後、わしの監視下にくだる。決して逆らえぬ、自由はないのだと今のうちからしつけておかねば――」
「なるほど。直也の目が死んでいたわけだ。なら、香さんの監視下であっても、暮らすのはうちにしたい。薬を飲みながら、毎日同じ家で寝ていればすぐに治るだろう」
出入り口のドアの横にいた悠一が、香さんの前に立った。まっすぐ、黒縁眼鏡越しの明るい緑色の目を見つめる。
キュッと、香さんの瞳孔が細くなった。妖孤の目だ。威圧的な雰囲気に、何を考えているのか探っている。やがてスゥっと元の瞳孔に戻ると、香さんは「考えておく」と顔を背けた。
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