ユキ・シオン

初めまして、人間です

１３P

「今更だけどさ、勝手に直也の生活変えまくってごめんな」


『え、何？本当に今更なんだけど。でもさ、元はといえば原因は僕にあるわけだしぃ？まぁ、君達の超情熱的な情事を気にしないで済むのなら、こっちの方がマシだからねぇ。クスクスッ』


　あ、それは本当にごめん。でもしょうがねぇだろ、恋人なんだし？愛し合ってるんだし？って素直に言ってやったら。


『あーあぁあぁ。君がどんなに淫らに、煽情的に喘いでいるのか。どんな風に感じて、どんな顔をしているのか、いつも想像してしまって大変だったんだよぉ？…………本当、君って綺麗だから、さ』


　冗談な感じだったのに、一瞬で変わった。悔しそうな、直也の声。直也、本当に俺のことが好きなんだな。


　でも、だからって何も言ってやれない。今の俺は悠一のものだから。俺はもう２度と、悠一以外には抱かれない。親友の直也に懇願されても。


「直也。俺さ、純粋に、直也に心から愛せる人が見つかるって信じてるから。信じる力が最強な俺が信じてんだ、あんたも自分の運命を信じてみろよ」


『またそんな簡単に言う。なんてね。簡単にじゃないっていうのは、わかるよ。そこは素直に、ありがとう。君達の胸焼けする甘い毎日を見ているとさ、多少なりとも羨ましいって思ったんだよね』


　一言多いのが直也らしい。けど素直に思っていることを伝えてくれる。前とは違う。それが、嬉しい。


『まぁ、これ以上君達に嫉妬するのも見苦しいし？僕はノンケっていうよりはバイ…………いや、パンセクっていうのか。冒険ついでに色々手を出してみよっかなぁ、クスックスクスクスッ……』