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それぞれの暮らし
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しおりを挟む「え、仕事が忙しくなるほど燃えるだろ?それに、収入も増える。お互いに干渉し合わないんだから、そこは問題ないない」
俺は、また「そ、そうか」としか答えられなかった。やっぱ笑也って、変わってんな。
ほんの少しの間でも、俺と一緒に暮らしたのが楽しかったって言われると素直に嬉しいな。しかも、そのおかげで直也を受け入れてくれた。
学生をしながら。小説の連載を続けながら、漫画とアニメにも関わって。寝る時間ってあるのか?好きじゃないとできないよな。
忙しいのが嬉しいのか、ニヤリと笑って2つの漆黒にお金のマークが見えるぞ。
笑也の性格なら収入を全額貯金に回してそうだな。とか考えていたら、その笑也に肩を叩かれた。もう漆黒にお金のマークはない。
「親友のシオンさんから見て、今の轟木さんは楽しそうか?魅了の力ってのは、もう大丈夫そうか?」
「え?あぁ、今は薬が効いて楽そうだよな。さすがに薬が切れちまったら、あそこまで近づいて長く会話はできねぇだろうけどさ。どうした、何か変か?」
2つの漆黒は俺の方を向いていない。俺の肩に手を置いたまま、目は直也の方を向いている。
しかも、俺に質問しておきながら俺の返答は聞いてねぇな。真剣な目で、黙ったまま直也を睨み付けている笑也。そして、手が離れた。
「馬鹿が」
「直也っ!?」
小さく悪態を吐いて笑也が床を蹴って飛び出した直後、悠一が叫んだ。悠一の肩に手を置いてまだ自慢話をしていた直也が突然胸を押さえ、崩れ落ちたんだ。
薬の効果が切れちまったのか。慌てて目の前の悠一が手を伸ばす。
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