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ツノナシ
4P
しおりを挟む行きたくない、と思った。何も言われていないのだから、戦力外の敦彦がついて行く必要はない。けれど、走った。
何かがぶつかる音、派手に壊れる音が聞こえる。誰かの悲鳴や叫び声が聞こえる。
路地を抜けて、様々な店が軒を連ねる場所に出るとそこにツノナシの夫婦はいた。笑っている。夫婦は笑いながら物を壊し、近くの鬼を襲い殺す。
バババンッ!バンッバンッ!右京と左京の銃が火を噴いた。素早く走り、夫婦の前後を挟むように回り込む。
見た。今まで見たことのない、2人のツノナシが融合した姿。それはもう鬼でも人間でもない、ただのバケモノ。
『なんだ、さっきの双子じゃねぇか。仲間を連れてきたのか』
『あらあら、あの子はもしかして噂の異端児君?じゃあその隣が……まぁ、渋くて素敵なおじ様!鋭い眼光で見つめられちゃったらあたし、おかしくなっちゃいそうだわっ』
『っ!お前、そうやって男に色目使うんじゃねぇっ!!お前は俺様のオンナだろうがっ!』
全裸。男の方も女の方も一糸まとわず。話に合ったように男女が抱き合った形で胴体の部分が一体化している。股のあたりからは2人の足が2本ずつ、融合しているからか体が普通よりもかなり大きい。
荒っぽい男が、恒彦に手を伸ばす女の背中を殴った。自分の顔のすぐ横にある、女の長い黒髪をつかみ力任せに引っ張る。
恒彦にはわかった。男の方は、妻の不倫に嫉妬を深め爆発して人間化してしまった。女は、男にさらわれた後に男に何度も体を求められ、その最中に色欲に堕ち人間化してしまったのだと。
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