能ある鬼は角を隠す

那月

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ツノナシ

5P

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 諜報員から聞いている。妻は男の父親、つまり義父と体の関係がありそれが男にバレたのが全ての元凶だと。


「うっ、げぇっ!うぐぅ、はぁっはぁっ、う……っ」


 夫婦のツノナシの姿に、そうなった意味に、この惨状に、敦彦はたまらず吐いた。顔が真っ青だ。ガタガタ震え、立っているのもやっと。


 けれど、それでも恒彦は「帰りなさい」とは言わない。


「厄介な相手だ、以前にも似たようなツノナシを退治したことがある。複数で一気にかからねば――」


『おいてめぇ、いやらしい目でこいつのケツを見んじゃねぇよっ!てめぇら双子もだ!チッ、どいつもこいつも俺様の女を誘惑しやがって』


 ゴオッ!女ツノナシを眺めながら何か考えていた恒彦めがけ、鮮やかな緑色が飛んできた。火の玉だ、それも3つ。


 男ツノナシがバッ!と、女ツノナシを隠すように恒彦の方を向き緑色の火の玉を放ったのだ。


 恒彦は上半身を反らせるだけでやすやすと避けてみせ、これを好機とばかりに双子の銃が雄叫びを上げる。4つの銃から放たれる無数の弾丸が、夫婦のツノナシに襲いかかる。


 しかしこれが、女ツノナシの方には上手くいかない。左京の方を向いていた女ツノナシが両手をつき出すと、笑いながらぐるっと回った。


 男ツノナシの両手両足は遠心力によりブンッ!と外側に引っ張られ、何発かの弾丸が埋め込まれる。


 だがほとんどの弾丸は、女ツノナシの両手から放たれた少し白っぽい、透明な液によって溶かされてしまった。女ツノナシの体も、いくつか弾丸が貫いた。


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