【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!

夏灯みかん

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6.元聖女は魔法都市でエルフに会いました。

第146話

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「お前、こんな朝から、良く飽きないな……。景色なんて変わらないじゃん」

 船の看板のところに立って、朝もやに包まれる水平線を見つめる私にライガが声をかけた。人間姿のライガは気持ち悪そうに床に座ってうずくまった。

「だって地面がないんです! すごい!!」

「地面……早く地面に立ちたい……」

 船酔いしてるライガは深くため息をついて、口を押えて丸まる。

 かわいそう……。船に乗って2日になるけど、1日目の途中からずっとこんな感じ。運動神経良くても船酔いするんですね、ってステファンに聞いたら、陸の獣人さん系は船が苦手らしいです。陸の獣人さんがいるということは、海の獣人の方もいるっていうことですよね。どんな感じなんでしょう。会ってみたい。

「部屋に戻った方が良いんじゃないかな……」

 エイダン様からもらったお金で、結構良い船室をとったので、それなりに広くて横になれるベッドもある。

「部屋のが揺れる……。外のがまだマシだぜ……」

 ライガ「ううう」と呻いた。

 私は背中をさすってあげながら、もやの向こうに目を凝らした。
 だんだん明るくなっていく空の向こうに、陸と、たくさんの建物が見えた。

「ライガ! 陸見えますよ!!」

 そう叫んで髪を引っ張ると、ライガが飛び上がる。

「陸! 陸だぁ! やった! 陸!!!!」

 ……よっぽど船から降りたかったんだね……。

 船が港について、船からイカリがおろされる前に、ライガは狼化して船上から港に飛び降りた。港にいた人が悲鳴を上げて、ステファンが頭を抱えた。

「――ここが、もう魔法都市ですか?」

「そう、魔術師ギルド本部がある、ロンバルドだ」

 私とステファンはそんな話をしながら他のお客さんと一緒に並んで降りた。

 港の検問を冒険者証とサミュエルさんからの手紙を見せて通って街に入る。港からはなだらかな坂がずっと続いていて、赤い煉瓦の建物がびっしりと建っているのが見えた。
 マルコフ王国の王都より建物がたくさんある気がしますね……。

 私は周りを見回しながら感嘆の息を漏らした。
 ソーニャが洋服屋さんとかがたくさんあるって言っていたのがわかります。

「とりあえず、ソーニャのお祖父さんの家に行こうか……」

 ステファンが坂の上を見上げた。
 上に行くほど、大きな家が見えた。

 私たちはずっと歩いて、坂の真ん中くらいにある、大きなお屋敷についた。

「あいつ、本当に家が金持ちなんだな……」

 ライガがお屋敷を見回しながら呟いた。
 門のところで、ステファンがソーニャから預かって来た手紙を門番に見せる。

「――孫娘がお世話になっているようで」

 しばらくすると、黒いローブを着た、白い長い髭のおじいさんが出てきて、私たちに挨拶した。
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