179 / 217
7.元聖女は辺境の地を訪れました。
第178話(ステファン視点)
しおりを挟む
僕らは客間のソファに腰掛けて向かい合った。
「――ステファン、あなた、今までどこで何をやっていたの」
「海向こうでライガと冒険者をしていたよ。――数月前からは、レイラも一緒に」
僕はマルコフ王国で暮らしていたところ、レイラに会ったことと、彼女の父親らしきエルフに会いに行くため、父さんにエルフとの仲介を頼もうと実家に帰ってきたこと、魔法都市でエドラヒルさんに会って彼に同行してもらうことになった経緯をまとめて話した。
「鬼が出て大変な時に、急に戻ってきてごめん。知らなかったんだ」
母さんは大きく息を吐くと、お茶を一口飲んで呟いた。
「そう――経緯は、わかったわ。――元気でやっていたなら、それでいいのよ」
「それで」と話を切り出した。母さんに確認しておきたいことがある。
「母さん――父さんは、昔鬼討伐をした時に――鬼を、なぶって殺したり、していなかった?」
母さんが息を呑んだ。
「――首を落とさず、生かした状態で、手足を切り落とし、他の小鬼の叫び声を聞かせ、目の前で卵を焼き払う――、小鬼の呪いを受けた冒険者はそういうことをしていたようだけど。父さんも――」
「兄上!」
アイザックが僕に掴みかかった。
「父上を貶める気ですか!!」
「止めなさい、アイザック」
それを、母さんの声が制止する。
「――――今まで、この話を、あなたたちに詳しく話したことはなかったけれど」
母さんは重々しく言葉をつなげた。
「お父様は――、あの人の前の奥様と子どもたちが、鬼に殺されてしまったというのは、知っているわよね」
僕たちは頷いた。父さんには母さんと結婚する前に家族がいて、30年前の鬼の侵攻の際に死んでしまったということは知っていた。
「お父様は、もともと辺境警備の兵士をしてらして、奥様と子どもたちを当時の辺境領に置いて、警備兵として家を離れていたそうよ……。そして、その間に領地を襲われて、みんな鬼に喰われてしまったの……。私も、あまり詳しくは、聞いていないのだけど」
母さんは膝の上でぎゅっと手を組んで、それをじっと見つめた。
「だから、とても鬼を憎んでいて――、領地奪還のために兵を率いて、鬼を退治した時は、捕まえた鬼を――」
母さんは視線を落とした。
「そうね、ステファン。あなたの言うようなこともあったと聞くわ。――当時、お父様と一緒に戦った方は、『レオンの方こそ鬼みたいだった』と言っていたの」
「それが、何の関係があるんですか、兄上」
アイザックが険しい顔で、僕につっかかった。思わずため息を吐く。
――こいつにとっては、父さんは尊敬して憧れる対象なんだろうな、きっと。
不真面目な兄に比べて、お前は何てよくできた息子だ、と折に触れ褒められて、自慢にされていたんだから。お前の方が先に生まれていてば良かったのにって。
「小鬼退治は、冒険者にとってはよくある仕事だけど……、暗黙の退治方法っていうのがあって、それは、あいつらを殺すときはできるだけ楽に殺してやるってことなんだ」
小鬼はたぶん、一番人に嫌われている魔物だ。他の魔物よりも頭が働き、群れで積極的に村里に降りてきて人を襲撃するうえに、見た目も二足歩行で5本の指を持っていて人間に近いせいか、余計に人に嫌われる。動物系の魔物は「飼ってみた」とかいう物好きな愛好家を聞いたことはあるけど、小鬼を好む人間は見たことがない。
魔物は動植物の精霊力のバランスが崩れて生まれるけど、小鬼は人の悪意や恐怖心が精霊に影響を与えたことで生まれる、と最近の魔法使いの研究で考えられているらしい。実際、戦争や紛争があった地域では、それ以後小鬼が発生しやすいという研究結果もあるそうだ。その話で興味を持って調べてみたら、30年前に当時のうちの領地を鬼が襲った時は、辺境民の間で大きい争いがあったらしいし。
「あいつらはもともと、人間に対する恨みの塊みたいな魔物だから、いたぶって殺すと、残ったその恨みの念で余計にそのあと数が増えるって話もある。ましてや、取り逃がしたとしたら、激しい恨みを持ったコピーが大量に増えて、襲ってくる。……性質が悪いんだよね。父さんが倒れたのは、たぶん父さんに恨みを持つ鬼がたくさん増えたからだ。鬼には魔力がある。魔力を持つやつが大量にいて、同じ相手を恨んだら、それは呪いとして作用する」
小鬼を乱暴に殺して恨みを買った冒険者は腕を腐らせた。
「昔、父さんを恨んだまま逃げた個体が、辺境民を食べながらゆっくり数を増やして――、機会をうかがってたんだろう。父さんのいるこの土地をまた襲う機会を。それで、襲うなら今だって、辺境民の集落を襲って大喰らいして、体制を強化してる」
最近になって一気に数を増やしたせいで、恨みの呪いの力が強くなって父さんに影響を与えたのかもしれない。――まぁ、父さんも年をとって、魔力も衰えただろうから、影響を受けやすくなってたっていうのはあるかもしれないけど。
「――数十年かけて? そんなことがあるかしら?」
「僕を襲った鬼は言葉を話してたよ。言葉を話すくらいに変化すると、かなり賢くなるんじゃないかな」
じっくり時間をかけて、かつて虐殺された恨みを晴らすために鬼が着々と準備してたと考えると気持ち悪いけど。
「確かに、鬼たちは巣を移動させながら、南へ――こっちに近づいてきては、いる」
アイザックは考え深げに呟いてから、僕を見た。
「今は、ここから馬で3日くらいの距離に巣を作っている。使い魔を使える者に監視させています。それ以上近づいてくれば、直接行って叩こうかと思っていたんですが」
「――巣、そんなに遠いのか? だって、昨日、すごい近くにいたじゃねぇか」
ライガは首を傾げながら聞いた。その問いはもっともだ。国境付近、屋敷から1日程度の距離にまで近づいてきてた。巣はもっと遠くにあるのに。
「昨日、辺境民のテントを襲ったのは、下見に来てた連中だと思うんだ。――僕にたぶん、父さんの気配を感じて、気が立って襲ってきただけで、本来の目的は、領地を襲うための下見で……」
僕は弟を見つめた。たぶん、状況は思ってたより逼迫している。
「遠くにある巣は、こちらを誘う罠じゃないかな。辺境騎士団がそっちを叩きに行って、こちらの兵力が手薄になっているときを狙って、一気に襲うつもりだよ、たぶん」
「――ステファン、あなた、今までどこで何をやっていたの」
「海向こうでライガと冒険者をしていたよ。――数月前からは、レイラも一緒に」
僕はマルコフ王国で暮らしていたところ、レイラに会ったことと、彼女の父親らしきエルフに会いに行くため、父さんにエルフとの仲介を頼もうと実家に帰ってきたこと、魔法都市でエドラヒルさんに会って彼に同行してもらうことになった経緯をまとめて話した。
「鬼が出て大変な時に、急に戻ってきてごめん。知らなかったんだ」
母さんは大きく息を吐くと、お茶を一口飲んで呟いた。
「そう――経緯は、わかったわ。――元気でやっていたなら、それでいいのよ」
「それで」と話を切り出した。母さんに確認しておきたいことがある。
「母さん――父さんは、昔鬼討伐をした時に――鬼を、なぶって殺したり、していなかった?」
母さんが息を呑んだ。
「――首を落とさず、生かした状態で、手足を切り落とし、他の小鬼の叫び声を聞かせ、目の前で卵を焼き払う――、小鬼の呪いを受けた冒険者はそういうことをしていたようだけど。父さんも――」
「兄上!」
アイザックが僕に掴みかかった。
「父上を貶める気ですか!!」
「止めなさい、アイザック」
それを、母さんの声が制止する。
「――――今まで、この話を、あなたたちに詳しく話したことはなかったけれど」
母さんは重々しく言葉をつなげた。
「お父様は――、あの人の前の奥様と子どもたちが、鬼に殺されてしまったというのは、知っているわよね」
僕たちは頷いた。父さんには母さんと結婚する前に家族がいて、30年前の鬼の侵攻の際に死んでしまったということは知っていた。
「お父様は、もともと辺境警備の兵士をしてらして、奥様と子どもたちを当時の辺境領に置いて、警備兵として家を離れていたそうよ……。そして、その間に領地を襲われて、みんな鬼に喰われてしまったの……。私も、あまり詳しくは、聞いていないのだけど」
母さんは膝の上でぎゅっと手を組んで、それをじっと見つめた。
「だから、とても鬼を憎んでいて――、領地奪還のために兵を率いて、鬼を退治した時は、捕まえた鬼を――」
母さんは視線を落とした。
「そうね、ステファン。あなたの言うようなこともあったと聞くわ。――当時、お父様と一緒に戦った方は、『レオンの方こそ鬼みたいだった』と言っていたの」
「それが、何の関係があるんですか、兄上」
アイザックが険しい顔で、僕につっかかった。思わずため息を吐く。
――こいつにとっては、父さんは尊敬して憧れる対象なんだろうな、きっと。
不真面目な兄に比べて、お前は何てよくできた息子だ、と折に触れ褒められて、自慢にされていたんだから。お前の方が先に生まれていてば良かったのにって。
「小鬼退治は、冒険者にとってはよくある仕事だけど……、暗黙の退治方法っていうのがあって、それは、あいつらを殺すときはできるだけ楽に殺してやるってことなんだ」
小鬼はたぶん、一番人に嫌われている魔物だ。他の魔物よりも頭が働き、群れで積極的に村里に降りてきて人を襲撃するうえに、見た目も二足歩行で5本の指を持っていて人間に近いせいか、余計に人に嫌われる。動物系の魔物は「飼ってみた」とかいう物好きな愛好家を聞いたことはあるけど、小鬼を好む人間は見たことがない。
魔物は動植物の精霊力のバランスが崩れて生まれるけど、小鬼は人の悪意や恐怖心が精霊に影響を与えたことで生まれる、と最近の魔法使いの研究で考えられているらしい。実際、戦争や紛争があった地域では、それ以後小鬼が発生しやすいという研究結果もあるそうだ。その話で興味を持って調べてみたら、30年前に当時のうちの領地を鬼が襲った時は、辺境民の間で大きい争いがあったらしいし。
「あいつらはもともと、人間に対する恨みの塊みたいな魔物だから、いたぶって殺すと、残ったその恨みの念で余計にそのあと数が増えるって話もある。ましてや、取り逃がしたとしたら、激しい恨みを持ったコピーが大量に増えて、襲ってくる。……性質が悪いんだよね。父さんが倒れたのは、たぶん父さんに恨みを持つ鬼がたくさん増えたからだ。鬼には魔力がある。魔力を持つやつが大量にいて、同じ相手を恨んだら、それは呪いとして作用する」
小鬼を乱暴に殺して恨みを買った冒険者は腕を腐らせた。
「昔、父さんを恨んだまま逃げた個体が、辺境民を食べながらゆっくり数を増やして――、機会をうかがってたんだろう。父さんのいるこの土地をまた襲う機会を。それで、襲うなら今だって、辺境民の集落を襲って大喰らいして、体制を強化してる」
最近になって一気に数を増やしたせいで、恨みの呪いの力が強くなって父さんに影響を与えたのかもしれない。――まぁ、父さんも年をとって、魔力も衰えただろうから、影響を受けやすくなってたっていうのはあるかもしれないけど。
「――数十年かけて? そんなことがあるかしら?」
「僕を襲った鬼は言葉を話してたよ。言葉を話すくらいに変化すると、かなり賢くなるんじゃないかな」
じっくり時間をかけて、かつて虐殺された恨みを晴らすために鬼が着々と準備してたと考えると気持ち悪いけど。
「確かに、鬼たちは巣を移動させながら、南へ――こっちに近づいてきては、いる」
アイザックは考え深げに呟いてから、僕を見た。
「今は、ここから馬で3日くらいの距離に巣を作っている。使い魔を使える者に監視させています。それ以上近づいてくれば、直接行って叩こうかと思っていたんですが」
「――巣、そんなに遠いのか? だって、昨日、すごい近くにいたじゃねぇか」
ライガは首を傾げながら聞いた。その問いはもっともだ。国境付近、屋敷から1日程度の距離にまで近づいてきてた。巣はもっと遠くにあるのに。
「昨日、辺境民のテントを襲ったのは、下見に来てた連中だと思うんだ。――僕にたぶん、父さんの気配を感じて、気が立って襲ってきただけで、本来の目的は、領地を襲うための下見で……」
僕は弟を見つめた。たぶん、状況は思ってたより逼迫している。
「遠くにある巣は、こちらを誘う罠じゃないかな。辺境騎士団がそっちを叩きに行って、こちらの兵力が手薄になっているときを狙って、一気に襲うつもりだよ、たぶん」
115
あなたにおすすめの小説
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。
桜城恋詠
ファンタジー
聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。
異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。
彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。
迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。
「絶対、誰にも渡さない」
「君を深く愛している」
「あなたは私の、最愛の娘よ」
公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。
そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?
命乞いをしたって、もう遅い。
あなたたちは絶対に、許さないんだから!
☆ ☆ ☆
★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。
こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。
※9/28 誤字修正
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】
小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。
魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。
『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる