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【5】聖女 勇者と再会する

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 口金をひらくと中に大金貨がぎゅうぎゅうに詰まっていた。

「ふぁ!?」

 びっくりして変な声出た……。

「え!? 何これ!?」
「あー、それ『天使』の部品売ったお金」

 こともなげにジェイドが言う。

「いやいやいや……」

 これだけあれば三ヶ月は遊んで暮らせるだろう。

「さすがに貰えないよ……!」
「でも『天使』倒したのルチルっちだし」
「いくらなんでも多すぎない……?」
「高値で売れるって言ったじゃ~ん! それに先立つものは必要でしょ?」
「ううぅ……!」

 それを言われると……!

「じゃあこうしよ! 落ち着いたらメシおごってよ。オレ、オムライスが好き~」

 ジェイドが小指を差し出してくるので、わたしはそれに自分の指を絡めつつ何度も頷いた。

「それはもう! 十個でも百個でもおごらせていただきます!」
「そんなに食えねーっ」

 けらけら笑う彼の足元でぬいぐるみがぴょんぴょん跳ねる。

「僕も行きます! 僕も行きます! 僕も! 行きます!」
「おー、ゴーシェも一緒におごってもらおうな~」

 しゃがみ込んでぬいぐるみの頭をわしわし撫でるジェイド。ゴーシェはそれを短い手でぺしぺし叩いた。

「やめてくださいっ! ヤローに撫でられても気色悪いだけなんですよっ!」

 中身だけ見たら、成人男性が成人男性にいい子いい子されてるんだもんな……。
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