朝焼けの女神

小笠原雅

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朝焼けの女神②

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朝焼けの女神、②
浜辺でヨガをする裸体の女

足の裏はしっかり地面につき、肩に力が入りすぎていない。顎が不自然に上がるのを
気にしたのか修正している。目は伸ばした前方の手の指先あたりを見る。
 肩甲骨が浮き出て、肋骨が柔らかい皮膚に包まれている。呼吸と共に肋骨が柔らかく膨れそれに合わせて乳房が左右に揺れている。

 息をたっぷり吸ったあと、吐きながら両手をおろし、ゆっくりと砂浜に手を付いた。
 ゆっくりと腰を折り、上半身を前に倒している。たったまま上半身を太ももにつける様に折った。お辞儀をしているように見える。

 後ろから見ると可愛らしいと思ったお尻の型が存在感を増した。

 ボリュームのある裏もも。女性の中心部分の割れ目が俺の目に飛び込んで来る。美しさと興奮が同時に俺を襲う。

 そんな事も気がつかずに彼女は息を吸いながら、左足に重心を移した。体重を左足にかけつつ、右足を後ろに伸ばす。陸上競技のスタートの型をより深くした型ちだ。
 両腕を体の左右に置き、うまく指先の力で体を支えている。

 膝で乳房が押しつぶされ、後ろに伸ばした長い足が朝日に映える。

 息を吐く音が大きく聞こえた。左足を後方に伸ばし、両手を砂浜についてしっかりと体を支え、両足をそろえた。息を吐きながら手と足の裏を砂浜につき、くの字の様に、お尻を高く上げるポーズを取った。

 背中が白い、なぞる様に視線が臀部に行く。
 
 吐きながらひざを砂浜に近づけ、脇を締め、肘を後ろに曲げ、胸と顎を手の位置より前に下ろした。

 また大きく音を出して息を吸った。足を後ろに伸ばしていき、同時に、上半身を起こす。

 目線は正面の遠くぼんやり現れた日の出を見てる。

 恍惚と言う言葉がある。物事に心を奪われてうっとりとしている有り様、まさにその通りの表情だ。

 太陽礼賛のポーズ

 女は二度繰り返し立ち木のポーズを取った。

 両手を合わせ背伸びをする様に頭の上に伸ばす。片足で立ち浮かせた足は前ももに引き上げる。

 太陽を女は見ている。

 海の上に顔を出した太陽は、波の上に女に向かい光の道を作っている。
 きっと、瞑想は深く、光の道を生まれたままの姿で歩いているのだろう。
 
 少し潮が満ちてきたのか、女は知らない。
 さっき大きな船が入江の先を通ったのだ。聞いた通りだと波が高くなるかも知れない。

 海水が女の足下まで波が来た。
 少しふらついたと思ったら、次の波で呆気なく後ろに倒れた。

 女は柔らかく濡れた砂浜に尻餅をついた。それなのに驚いた様子もなく、両手を背中の少し後ろにつき、座った格好になった。

 そこに波が女の両足を舐めるように洗った。さわさわと彼女の足で音を鳴らし、波は引いていく。

 女は少し声を上げた。

 冷たいのだろうと感じたが、声の質が違った。

 また音を立てて波が女の足を舐める。それも繰り返して。まだ冷たいであろうその海水を女はふくらはぎまで濡らしている。

 女を海が愛撫している?

 目の前で、愛撫されているように女はその波を受けている。

 また女の足を波が舐める。そのたびに女の声は、喘ぎ声に変わっていく。

 反応する様に、波の力が大きくなったのか、波は女の股間を舐めるほど届く様になった。女は顎を上げて大きな声で!
「気持ち良いと叫んだ。」
 そのうち女は両足を広げ股間に波を受けている。波の愛撫を繰り返し受けながら、女は自分の性器に波が来るのを待ち切れないように、自分でかきむしっている。

 片手で乳房を揉み、白い顎を朝日に照らされた中。さわさわさわさわと波が女の足を愛撫していく。

 その時大きな波が彼女の股間を貫くように打ち寄せた。

 女が吠えた。

 ほら貝を吹く音を聞いたことがある。
 そのなんとも切ない苦しくて、
 でも力強い。
 その喜びを感じれるような、あの不思議な音。
 女の口から野獣の声と思う、
 ほら貝の音と思う、風が鳴く音、

 そんな声が。白い喉から顎を上げて、髪を濡らして下半身を開き、さらけ出してる。女の口から出ている。

 また大きな波が女を襲った。今度は胸どころか顔まで波が届いて、女は少し海水飲んだようでむせ込んでいる。慌てて後ずさり
しようとしたのだがまた次の波に足をとられてどうやらもう身動きができないようだ。


 俺は焦った。女の神秘的な儀式を、隠れてみてそのまま帰ろうと思ったのだが。これではそうはいかない。気づいたら女に向けて走っていた。

 女のそばまで行くのにはいくらか時間がかかった。

 女はその間も波に揉まれて苦しんでいる。
波に身体が浮き上がり、引き込まれていくように見えた。まるで海が女を欲しがる様に。

 苦しみながら、女はなんとか立ち上がろうともがいていた。
 俺ががつく頃はもう腰までの所に女は引き込まれていた。

 やっとそばまで行き、後から羽交い締めにするように女の肩を抱きしめ、引き上げて浜辺の波の届かないところまで女を引き上げた。

身体を痙攣させる様に身を震わせ、顎を上げている。やっと海水の届かない場所に
着いた時、海を振り返ると。
 波はさっきまでの凪の状態に戻り、残念そうにさわさわさわさと緩やかな波に変わってた。

 なんだったんだと戸惑ったが、女をほっとくわけにはいかない、少し背中を叩いてあげると女は息を整えた。
 髪の毛をまとめてあげて顔の砂を払ってあげると少し落ち着いたようだ。

 自分が裸なのに気づいて、
 膝を抱いて丸くなっている。

 酷く怯えている。仕方ないだろう。

 山側に芝生の生えている場所があったので
女を抱きかかえそこまで運んだ。だいぶ気持ちが落ちついているようなので、女の服を脱いだ場所からとってきてあげた。

 まだ意識ははっきりしなく不安だったが、
もっと柔らかい場所と思い自分の持ってきた
ヨガマットを取りに岩場に戻った。

 女の元に急いで戻ったつもりだったが、女のもとに戻ってみると。

 その間に女はいなくなってしまった。

 でもそこので拾った可愛らしい髪の毛を止めるゴム?シュシュって言うのか?それが残っている。

 もう一度海を見る。女のいない浜に
俺は1人でたっている。腕に裸の女の身体を抱き上げた、

冷たい余韻を残して。
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