210 / 253
誰も止められない愛情狂編
210 私と彼女と遊園地
しおりを挟む
楽しい、楽しい楽しい。今日の私は、ずっとエラーを起こしている。キルディアと同じ想いで、例え恋人ではなくとも、デートが出来る仲にはなれた。何より、彼女も私といることで、楽しんでいるこの状況こそが、幸せだった。
先程は、酷い目に遭った。楽しげな気分で麻痺した私に、急に襲いかかって来た、この世の闇の部分。昔から、私はもっと、美しくない方がいいと思っていた。女性から、男性から好奇の目で見られて、通り過ぎざまに尻を触られることもあった。
そうでありながらも、研究があったから、没頭出来た。どんどんと人と交流することを恐れ、忘れ、私自身までもが機械化した。カタリーナと結婚した。彼女はお金があった。
それまでも周りの人物は、私が美しいから求婚した。才能があるから求婚した。それに応じることは、その者の欲を満たす行為、その者の奴隷になることだと、私は考えた。嫌悪感、しかし政略的なら、それよりかは幾分、良いと思えた。
それは間違っていた。それこそが、今となっては、もう本当に、史上最悪の足かせだった。結婚は奴隷になることなのなら、私はキルディアの奴隷になりたい。奴隷でいいから、そばにおいてほしい。
喜んで、彼女の如何なる命令にも従おう。そして、キルディアもまた、私の奴隷なのだ。彼女は私のもの、彼女は私だけを守るナイトなのである。そう、私だけを守らナイト。いけない、リンの影響受けた。
私は今、キルディアと一緒に、ジェットコースターの最前列に乗り、最初の大きな坂を上昇している。キルディアは私の手をがっしりと握っている。
どうやら彼女は、恐怖心を抱いているようだ。ここは男らしくいきたい。こう言った危機的状況の際に、冷静でいられる男性に、女性は魅力を感じるのだと、脳科学の情報がある。そしてその情報は、オフホワイトで得たものだ。
「ジェーン!もう下がるんじゃないの!?これ!落ちるよ!落ちるよ!」
「ふふ、キルディア、私がいます、ご安心なさい。しかし意外ですね、あなたがこれほど怖がるとは。」
「あ、あのねえ、これって凄く速いんだからね!帝国一の絶叫コースターなんだからね!ジェーン本当に大丈夫なの!?」
「そんな何を言いますか。私は、あの時空間歪曲機から放り出されていてもおおおおおお!」
予想よりも、ジェットコースターの速度があった。私は絶叫し、キルディアは一転して、「フウフウ~!」と両手を上げて楽しんでいる。
「両手を上げてはなりません!死にます!」
「ちょ、ちょっと首閉めないで!ジェーン!」
「ああ、ああ!ああ、何ですか、あのぐるりと一回転しているコースは!?目の前に迫っています!」
「ああ、だから一回転するんでしょ!離して!」
「この速さでですか!?遠心力で首がポッキリ折れます!」
「その前にジェーンのせいで私の首がもげそうだ!離してったら、ほら来た来た!」
私は、叫ぶことも出来なかった。我が首がポロリと取れるかと予想したが、幸いにも生き延びることができた。今日は帰宅したら、思いっきりキルディアにキスしたくなった。生物は、身の危険を感じれば感じるほど、生殖しようと考えるものだ。
「……絶対に、帰宅してからは、激しいキスをします。」
「え!?何でそうなる!?あ、また来たよほら~!やったねジェーン!ふう~!いやあこんなに風を感じることが出来るなんて最高だよ!」
「……、もう降りたいです。」
「もうすぐ終わるから大丈夫だって!私がついてるよ!」
と、ギュッと私の手を繋いでくれた。もう、すぐにでもキルディアにキスしたかった。私がキルディアに口を寄せようとしたが、届かなかった上に、キルディアにその顔を見られた。
「ジェーン!このストッパーがあるからこれ以上動けないって!あっはっは!」
「……いいです、後で取っておきますから。」
次です。次こそ、私が彼女よりも冷静でいられて、守ってあげられる、それが可能のアトラクションを選択するつもりだ。キルディアに支えてもらいながらジェットコースターから降りた私は、次に目の前にあった施設を選んだ。
「お次はあれです。」
「あ、ああ、メリーゴーランド?いいよ!乗ろう乗ろう!」
キルディアは楽しげに私の腕を引っ張って走り出した。我々に取って、人生初の遊園地、彼女がこんなにも喜んでくれるのなら、良かった。
キルディアは茶色い馬を選んだ。私もその隣の茶色い馬に乗ろうとしたが、彼女が違う方向を指差した。
「ジェーン、あれに跨って!」
「どれ……こちらでしょうか?」
「そうそう!ウォッフォンで撮るから!」
私は白馬に跨った。ならばと私も、ウォッフォンを私に向けるキルディアにウォッフォンを向けた。夜ということもあり、メリーゴーランドの電飾が輝きを増している。そして動き出すと、私は慌てて棒を掴んだ。予想よりも、速度が出ていたからだ。
「ジェーン、こっち向いて!」
「無理です。私は顔を動かせません。もしそうした場合、私は落下するでしょう。」
次です。次こそは、キルディアに格好いい私を見せたい。先程キルディアが撮影した動画には、可愛らしい白馬と、それに跨る不動の男が写っていた。夜風になびく長髪が、憎らしかった。次です!
私は辺りを見回した。海をテーマにした楽園、所々に気味の悪い、魚の銅像が建っている。そしてうろうろと、魚や果物の大きな着ぐるみが歩いていた。一組の男女が、顔のついたパイナップルと一緒に撮影をしているのを発見した。私はそれを選んだ。
「キルディア、あのパイナップルと共に撮影しましょう。」
「え?ああ、あれって、ここのキャラクターだったんだ。リンがボールペンを持ってたよ!いいね、パインちゃんと一緒に撮ろう!」
我々はパイン様の元へと赴いた。そしてあることに気が付いた。このレジャー施設に来てからというものの、キルディアが積極的に、私と手を繋いでくれている。これは、今夜はいけるかもしれない。しかし肝心の親密なスキンシップに関する情報が、私には不足している。
「いっくよ~!はいチーズ!」
元気な様子のスタッフにより、我々はパイン様との撮影を完了した。キルディアがそのデータをスタッフから受け取っている間に、私はクラースにメールをした。
『ご教示願う! どのように性交すれば、宜しいでしょうか? A.J.S』
よし、これでいい。だが問題が発生した。私としては、キルディアがこちらに戻ってくる間に、その答えを確認したかったのだ。しかしクラースはその不器用さ故、返事が遅い。しまった、計算し忘れた。
とうとうキルディアが戻って来てしまった。可愛らしい、ひまわりのような笑顔で。
「ねえジェーン!画像もらったから、後で転送するね!二人とも写りいいし、楽しい思い出だし、私これを、PCの待ち受けにするよ!」
ほお、それは嬉しい。
「どちらのPCですか?」
「え?えっと、家庭用の方。」
「家庭用と職場用、どちらもそれにしてください。私もそうしますから。ねえ、お願いします。」
「わ、分かったよ……。」
ちょっと娼婦のようにお願いするだけで、意外とキルディアは解こされる。その塩梅が少し見えてきた。攻め口がね。ふっふっふ。
「ジェーン、なんか悪巧みしてる?顔がすごいよ。」
「いえ、何でもありません。では次です、次はあの洋館です。」
私は禍々しい洋館を指さした。すると、キルディアの表情が一瞬で曇った。
「ええ……あれってお化け屋敷かなぁ?私そういうの無理なんだけど、その中ではジェーンを守れないよ。」
「私が守ります。私だって、あなたを守りたいのです。」
よし、これでいい。不安げなキルディアのお手手を握り、私はその洋館へ赴いた。少しばかり列が出来ていた。人気のアトラクションのようだ。だが、その洋館に住んでいると思われる、ヘロヘロという化物が、気になる発言をした。
『お前たちも恐怖のど~ん底に落としてやる。無重力で、一気に激突だ!フゥアッハッハッハ!』
「聞いたジェーン?」
「ええ、聞きました。様子がおかしいです、それに、建物の奥から他のお客様の絶叫が聞こえます。選択ミスをしました。キルディア、違うのにしましょう?」
「え?もう我々の番だよ?スタッフさんが、次ですよって言ってたの、聞いてなかったの?大丈夫、行ってみようよ。」
「……。」
お化け屋敷では無かった。薄暗い通路を歩いていくと、その先の部屋は、無情にもジェットコースターと同じような椅子が、映画館のようにずらりと並んでいた。
ああ、道理で、お化け屋敷にしては、入ってすぐの箇所に存在していた、エレベーターが気になっていた。なんだこの構造は、と。そうか、私達はこれから、垂直落下をするらしい。
席に座った。隣は勿論キルディア。しかも楽しげである。
「これって真下に落ちるやつだよね、きっと!うわあ~、そんな経験ないから楽しみだよ!」
「あなたドMですか?」
「なんでよ……ああ!ほらほら、来たよ!」
『お前たちは恐れ知らずのようだな、ヒッヒッヒ!』先程のヘロヘロの声だ。私は恐れを知っているので、どうかご容赦願いたい。『今すぐに落としてやるぞ~FIVE、 FOUR、THREE、TWO……ONE!』
落雷のSEと共に、私達は落下した。意識が遠のきそうだった。しかしその後だった、更にまた上昇し、また落下したのだ。隣のキルディアは楽しそうだったが、私はずっと黙っていた。終わると、キルディアは私を支えてくれた。
「ジェーン、今日とても頑張ってるけど、大丈夫?無理して私に合わせなくていいんだよ?」
「だ、大丈夫です……あなたの笑顔が見たい。それに守りたいのです。」
「……ジェーン。」
私の発言に、彼女が感動しているような表情だった。よし、もう一押しに違いない。建物から出た時に、私はキルディアに言った。
「少しウォッフォンを確認します。連絡があったと思いました。」
先程は、酷い目に遭った。楽しげな気分で麻痺した私に、急に襲いかかって来た、この世の闇の部分。昔から、私はもっと、美しくない方がいいと思っていた。女性から、男性から好奇の目で見られて、通り過ぎざまに尻を触られることもあった。
そうでありながらも、研究があったから、没頭出来た。どんどんと人と交流することを恐れ、忘れ、私自身までもが機械化した。カタリーナと結婚した。彼女はお金があった。
それまでも周りの人物は、私が美しいから求婚した。才能があるから求婚した。それに応じることは、その者の欲を満たす行為、その者の奴隷になることだと、私は考えた。嫌悪感、しかし政略的なら、それよりかは幾分、良いと思えた。
それは間違っていた。それこそが、今となっては、もう本当に、史上最悪の足かせだった。結婚は奴隷になることなのなら、私はキルディアの奴隷になりたい。奴隷でいいから、そばにおいてほしい。
喜んで、彼女の如何なる命令にも従おう。そして、キルディアもまた、私の奴隷なのだ。彼女は私のもの、彼女は私だけを守るナイトなのである。そう、私だけを守らナイト。いけない、リンの影響受けた。
私は今、キルディアと一緒に、ジェットコースターの最前列に乗り、最初の大きな坂を上昇している。キルディアは私の手をがっしりと握っている。
どうやら彼女は、恐怖心を抱いているようだ。ここは男らしくいきたい。こう言った危機的状況の際に、冷静でいられる男性に、女性は魅力を感じるのだと、脳科学の情報がある。そしてその情報は、オフホワイトで得たものだ。
「ジェーン!もう下がるんじゃないの!?これ!落ちるよ!落ちるよ!」
「ふふ、キルディア、私がいます、ご安心なさい。しかし意外ですね、あなたがこれほど怖がるとは。」
「あ、あのねえ、これって凄く速いんだからね!帝国一の絶叫コースターなんだからね!ジェーン本当に大丈夫なの!?」
「そんな何を言いますか。私は、あの時空間歪曲機から放り出されていてもおおおおおお!」
予想よりも、ジェットコースターの速度があった。私は絶叫し、キルディアは一転して、「フウフウ~!」と両手を上げて楽しんでいる。
「両手を上げてはなりません!死にます!」
「ちょ、ちょっと首閉めないで!ジェーン!」
「ああ、ああ!ああ、何ですか、あのぐるりと一回転しているコースは!?目の前に迫っています!」
「ああ、だから一回転するんでしょ!離して!」
「この速さでですか!?遠心力で首がポッキリ折れます!」
「その前にジェーンのせいで私の首がもげそうだ!離してったら、ほら来た来た!」
私は、叫ぶことも出来なかった。我が首がポロリと取れるかと予想したが、幸いにも生き延びることができた。今日は帰宅したら、思いっきりキルディアにキスしたくなった。生物は、身の危険を感じれば感じるほど、生殖しようと考えるものだ。
「……絶対に、帰宅してからは、激しいキスをします。」
「え!?何でそうなる!?あ、また来たよほら~!やったねジェーン!ふう~!いやあこんなに風を感じることが出来るなんて最高だよ!」
「……、もう降りたいです。」
「もうすぐ終わるから大丈夫だって!私がついてるよ!」
と、ギュッと私の手を繋いでくれた。もう、すぐにでもキルディアにキスしたかった。私がキルディアに口を寄せようとしたが、届かなかった上に、キルディアにその顔を見られた。
「ジェーン!このストッパーがあるからこれ以上動けないって!あっはっは!」
「……いいです、後で取っておきますから。」
次です。次こそ、私が彼女よりも冷静でいられて、守ってあげられる、それが可能のアトラクションを選択するつもりだ。キルディアに支えてもらいながらジェットコースターから降りた私は、次に目の前にあった施設を選んだ。
「お次はあれです。」
「あ、ああ、メリーゴーランド?いいよ!乗ろう乗ろう!」
キルディアは楽しげに私の腕を引っ張って走り出した。我々に取って、人生初の遊園地、彼女がこんなにも喜んでくれるのなら、良かった。
キルディアは茶色い馬を選んだ。私もその隣の茶色い馬に乗ろうとしたが、彼女が違う方向を指差した。
「ジェーン、あれに跨って!」
「どれ……こちらでしょうか?」
「そうそう!ウォッフォンで撮るから!」
私は白馬に跨った。ならばと私も、ウォッフォンを私に向けるキルディアにウォッフォンを向けた。夜ということもあり、メリーゴーランドの電飾が輝きを増している。そして動き出すと、私は慌てて棒を掴んだ。予想よりも、速度が出ていたからだ。
「ジェーン、こっち向いて!」
「無理です。私は顔を動かせません。もしそうした場合、私は落下するでしょう。」
次です。次こそは、キルディアに格好いい私を見せたい。先程キルディアが撮影した動画には、可愛らしい白馬と、それに跨る不動の男が写っていた。夜風になびく長髪が、憎らしかった。次です!
私は辺りを見回した。海をテーマにした楽園、所々に気味の悪い、魚の銅像が建っている。そしてうろうろと、魚や果物の大きな着ぐるみが歩いていた。一組の男女が、顔のついたパイナップルと一緒に撮影をしているのを発見した。私はそれを選んだ。
「キルディア、あのパイナップルと共に撮影しましょう。」
「え?ああ、あれって、ここのキャラクターだったんだ。リンがボールペンを持ってたよ!いいね、パインちゃんと一緒に撮ろう!」
我々はパイン様の元へと赴いた。そしてあることに気が付いた。このレジャー施設に来てからというものの、キルディアが積極的に、私と手を繋いでくれている。これは、今夜はいけるかもしれない。しかし肝心の親密なスキンシップに関する情報が、私には不足している。
「いっくよ~!はいチーズ!」
元気な様子のスタッフにより、我々はパイン様との撮影を完了した。キルディアがそのデータをスタッフから受け取っている間に、私はクラースにメールをした。
『ご教示願う! どのように性交すれば、宜しいでしょうか? A.J.S』
よし、これでいい。だが問題が発生した。私としては、キルディアがこちらに戻ってくる間に、その答えを確認したかったのだ。しかしクラースはその不器用さ故、返事が遅い。しまった、計算し忘れた。
とうとうキルディアが戻って来てしまった。可愛らしい、ひまわりのような笑顔で。
「ねえジェーン!画像もらったから、後で転送するね!二人とも写りいいし、楽しい思い出だし、私これを、PCの待ち受けにするよ!」
ほお、それは嬉しい。
「どちらのPCですか?」
「え?えっと、家庭用の方。」
「家庭用と職場用、どちらもそれにしてください。私もそうしますから。ねえ、お願いします。」
「わ、分かったよ……。」
ちょっと娼婦のようにお願いするだけで、意外とキルディアは解こされる。その塩梅が少し見えてきた。攻め口がね。ふっふっふ。
「ジェーン、なんか悪巧みしてる?顔がすごいよ。」
「いえ、何でもありません。では次です、次はあの洋館です。」
私は禍々しい洋館を指さした。すると、キルディアの表情が一瞬で曇った。
「ええ……あれってお化け屋敷かなぁ?私そういうの無理なんだけど、その中ではジェーンを守れないよ。」
「私が守ります。私だって、あなたを守りたいのです。」
よし、これでいい。不安げなキルディアのお手手を握り、私はその洋館へ赴いた。少しばかり列が出来ていた。人気のアトラクションのようだ。だが、その洋館に住んでいると思われる、ヘロヘロという化物が、気になる発言をした。
『お前たちも恐怖のど~ん底に落としてやる。無重力で、一気に激突だ!フゥアッハッハッハ!』
「聞いたジェーン?」
「ええ、聞きました。様子がおかしいです、それに、建物の奥から他のお客様の絶叫が聞こえます。選択ミスをしました。キルディア、違うのにしましょう?」
「え?もう我々の番だよ?スタッフさんが、次ですよって言ってたの、聞いてなかったの?大丈夫、行ってみようよ。」
「……。」
お化け屋敷では無かった。薄暗い通路を歩いていくと、その先の部屋は、無情にもジェットコースターと同じような椅子が、映画館のようにずらりと並んでいた。
ああ、道理で、お化け屋敷にしては、入ってすぐの箇所に存在していた、エレベーターが気になっていた。なんだこの構造は、と。そうか、私達はこれから、垂直落下をするらしい。
席に座った。隣は勿論キルディア。しかも楽しげである。
「これって真下に落ちるやつだよね、きっと!うわあ~、そんな経験ないから楽しみだよ!」
「あなたドMですか?」
「なんでよ……ああ!ほらほら、来たよ!」
『お前たちは恐れ知らずのようだな、ヒッヒッヒ!』先程のヘロヘロの声だ。私は恐れを知っているので、どうかご容赦願いたい。『今すぐに落としてやるぞ~FIVE、 FOUR、THREE、TWO……ONE!』
落雷のSEと共に、私達は落下した。意識が遠のきそうだった。しかしその後だった、更にまた上昇し、また落下したのだ。隣のキルディアは楽しそうだったが、私はずっと黙っていた。終わると、キルディアは私を支えてくれた。
「ジェーン、今日とても頑張ってるけど、大丈夫?無理して私に合わせなくていいんだよ?」
「だ、大丈夫です……あなたの笑顔が見たい。それに守りたいのです。」
「……ジェーン。」
私の発言に、彼女が感動しているような表情だった。よし、もう一押しに違いない。建物から出た時に、私はキルディアに言った。
「少しウォッフォンを確認します。連絡があったと思いました。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
お嬢様と執事は、その箱に夢を見る。
雪桜
恋愛
✨ 第6回comicoお題チャレンジ『空』受賞作
阿須加家のお嬢様である結月は、親に虐げられていた。裕福でありながら自由はなく、まるで人形のように生きる日々…
だが、そんな結月の元に、新しく執事がやってくる。背が高く整った顔立ちをした彼は、まさに非の打ち所のない完璧な執事。
だが、その執事の正体は、なんと結月の『恋人』だった。レオが執事になって戻ってきたのは、結月を救うため。だけど、そんなレオの記憶を、結月は全て失っていた。
これは、記憶をなくしたお嬢様と、恋人に忘れられてしまった執事が、二度目の恋を始める話。
「お嬢様、私を愛してください」
「……え?」
好きだとバレたら即刻解雇の屋敷の中、レオの愛は、再び、結月に届くのか?
一度結ばれたはずの二人が、今度は立場を変えて恋をする。溺愛執事×箱入りお嬢様の甘く切ない純愛ストーリー。
✣✣✣
カクヨムにて完結済みです。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※第6回comicoお題チャレンジ『空』の受賞作ですが、著作などの権利は全て戻ってきております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる