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命は一つ!想いは無限編
227 バブルタイム
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「……何でしょうか?その格好は。」
「え?水着でしょ?」
何が問題なのか、一体訳が分からない。水着に変更して、この脱衣所で待ち合わせをして、我々はせーのっ!と、互いの姿を一斉に見たのだ。ジェーンは海賊船の時のハーフパンツスタイルの水着で、私は赤いレースの、ビキニを着ている。しかし彼は、相変わらず白い肌だ。その美白具合を少し分けて欲しい。
そう言えば何が疑問だったんだろうと、彼の顔を見ると、彼はじっと何故か、私のお腹を見つめていた。
「な、何?」
「やはり、すごい傷痕ですね……それもそうだが、まるでサラブレットのような、筋肉量ですね。」
「サラブレットって、競馬場の?ひゃあ!」
ジェーンが私の腹筋をちょんと触ってきたのだった。くすぐったかった私は、彼から逃げるようにして、風呂場に駆け込んだ。そのままシャワーを豪快に頭の上から浴びて、顔と頭も軽く洗いつつ、髪のゴムを取った。肩の下まで、私の髪が真っ直ぐに伸びた。
もういいや、最初にシャンプーしてしまおう。そう思ってシャンプーのポンプを押して手に取り、シャワーのお湯を体に浴びながらガシャガシャと頭を洗うと、ココナッツの香りがブワッと浴室内に舞った。これはリンスインシャンプーなので、この一回で済む。
頭を水流の中に突っ込んで、これまた豪快に手でジャカジャカ振りながら洗い落として、最後に顔を手で何度か拭いて、終わった。そしてシャワーを手に取って、振り返ると、ジェーンはじっとこちらを見て固まっていた。
「なあに?結構、視線を感じてたけど、ずっと見てた?」
「……え、ええ。あなた結構、髪の毛長いのですね。それと……かなり凛々しい洗い方でした。」
「……早く洗いなさいよ。」
私はジェーンにシャワーを渡した。彼は受け取り、そのまま顔に当てて、じっと目を閉じて、優しく肌を撫で始めた。あまり見ていると、変な気持ちになりそうだったので、先に湯船に入ることにした。肩まで浸かると、お湯の温かさに、全てがほぐれてしまった。
「ああ~ぁ」
「あなたいつも、その声を漏らしますね。まるでおじさまのようです。」
……ジェーンに言われたくはなかった。私は不満そうな顔で、バスタブに顎を置いて、彼の洗う様子を観察した。いつもちょっと毛先がウェーブがかっている金色の長い髪が、濡れて真っ直ぐになっている。結構美しい。
そしてジェーンは私のココナッツリンスインシャンプーの茶色いボトルの隣に置いてある、黒いボトルをプッシュして白い液体を手にとった。ふわっと、甘くスパイシーな香りが広がった。何だか、ジェーンらしくない香りだ。
「ふふ、」私は笑ってしまった。「何だか、意外な匂いが好きなんだね。」
「ええ」彼は頭を丁寧に指先でゴシゴシ洗いながら答えた。「これは、カウブラッドマリーという、インジアビス特有の植物のエキスが入った、シャンプーです。ベルンハルトに連絡をして、送ってもらったのです。魔族が好む香りだと、ネットで知ったものですから。」
「ああまたそうやって新しい手口を……知ってるよ、その植物。ああ、ジェーン。そんなんで、私が寄ってくると思ってるの?」
「コロンやシャンプーは、その人の体の匂いと混ざり、十人十色の香りとなるのです。以前、あなたは私のことをいい匂いだと言いました。その匂いと、この魅惑的な植物の香りを足せば、あなたは必ず、私に近付きたくなる。においから責めるのもアリだと、書いてあり「ましたんでしょうねきっと!オフホワイトには!」
「おや、ご名答です。」
と、ジェーンは頭を流し始めた。くそ、そんな簡単に私が靡く訳が無いじゃない。何がオフホワイトだ!とは言いつつも、さっきから何度も、彼に内緒でクンクンと匂いを嗅いでしまう自分がいる。やめたいんだけどやめられない。私は自分を罰するが為に、湯船に顔をつけた。
すると湯面が浮いた。ジェーンが入ってきて、ざぶんと少し、お湯が溢れた。顔を上げて、彼の方を見ると、髪の毛がサラリと長く、頬が赤かった。肌だって、ピチピチしていた。何これ、何でこんなになってんの。お風呂に浸かると、人は綺麗になりがちだが、彼もまたそうであったとは。魅力が倍増しである。
「……。」
二人で見つめ合い、無言になってしまった。するとその時だった。彼は視線を下にずらした。そしてそのまま、固まっている。明らかに、私の胸元を見ている。
「ちょっと、ダイレクトに見過ぎじゃない?」
「見てはいけませんか?大体、私は何度か、あなたの身体を見た経験があります、治療目的でしたが。しかし胸元までは……今が初めてです。」
「まあ、そうなんだろうけど、あまり見られると、恥ずかしいな。」
「ええ、中々……少し、こちらにきて下さい。」
中々何なんだ?そう聞く間も無く、ジェーンが私の肩を掴んで、私に後ろを向かせた。そして、彼が後ろから抱きつく姿勢になると、彼がバスタブに寄り掛かったので、私もジェーンに寄りかかった。ちょっとこれは気持ちいい、寝そうになる姿勢だ。
でも、気になったのは、もしかして、誰かと一緒にお風呂に入ったことがあるのかな?ということだった。だって、こんな姿勢、ちょっとこなれ感がある。私は聞いた。
「ジェーンは、誰かと一緒にお風呂に入ったことあるの?」
「ありません。あなたは経験ありますか?そしてこの水着はどちらで購入したものでしょうか?誰と着ていたものです?」
一つ聞いたら三つ返ってきた……。彼らしいと、少し笑いながら回答した。
「大浴場で、アマンダとリンと入ったことならあるよ。でもこうして二人きりは無い。この水着は、去年の夏に、リンが一緒に海で男をゲットしようって煩くて、その辺の水着屋さんで買ったんだ。本当はもっと体のラインが隠れるのが良かったけど、店員さんとリンが一緒に選んでくれたから。」
うん、ビキニだし、赤色なので、とても責めてる感じがするけど、どうせ上に薄手のパーカーを羽織るのでいっかと、これを購入したのだ。パーカーを羽織って、お腹や背中を隠さないと、他の観光客が私の体を見てギョッとするだろうからね……。
「そうでしたか、そうでしたか。」
「何をそんなに噛みしめてるの?はは。」
「いや、結構、似合いますよ。あなたの長いダークブラウンの髪と、色調が合います。レースも、いつものあなたから想像出来ない、可愛らしさです。」
そ、そう言ってくれて良かった。この水着を買った甲斐があった。ちょっと嬉しくなって振り返ると、ジェーンは遠くの方を見ていた。目が合うまで待っていたが、全然こちらを見ようとしない。
「ジェーン、どうしたの?こっちを全然見てくれないよ。やっぱり、身体の傷跡が気になる?だったらタオル巻こうか?」
「いえ」と、ジェーンがチラッとこちらを見た。「そういう訳ではありません。あ……ええと、ふふ。私が吃ることは珍しいですね。」
「へへ、そうだね。」
「傷跡は気になりませんよ。触るとボコボコして、気持ちいいですし、それもまた、一つの魅力です。何と言っても、あなたの身体ですから。あ……そうですね、実は、あなたのことですから、もっとスポーツ用の水着を着用してくると予想していました。しかし、実際は……露出の激しいものでした。もう、外では着ないでください。分かりましたね?」
なんか急に制限してきた。
「え!?ま、まあ分かったよ。確かに露出は激しいよね。外に出た時はパーカー羽織ったけど、このままだと恥ずかしいかもしれない。」
胸の谷間は普通に見えているし、下もミニスカートとアンダーウェアが一体化している形状のもので、お湯に入っているとスカートがめくれて中の水着が見えてしまっている。お腹は丸出しだ。海どころか、この風呂だってちょっと恥ずかしいけど、相手がジェーンならいいかと、このまま来てしまった。
その時だった。ジェーンが何やら足を、モジモジと動かし始めたのだ。そして、私の背中を押して、私を一人で座らせると、彼も体育座りをし始めた。急にくっつくのをやめて、どうしたのだろうか。
「どうしたの?」
彼は何やら気まずそうな顔をしながら、口元をお湯に沈めた。何それ。
「ジェーン、何?トイレに行きたいの?」
お湯から口を出した彼は、恥ずかしそうに答えた。
「まあ、そうですね。お手洗いに行けば、解決します。」
「そうなの?じゃあいってくれば?」
「行きたいから行くことが出来るのなら、苦労しませんよ。」
何それ。ちょっと意味が分からない。お腹が痛いのなら我慢しないでいけばいいのに。でもまだ平気なのだろう、私はバスタブに持たれながら、温かさに目を閉じた。
「え?水着でしょ?」
何が問題なのか、一体訳が分からない。水着に変更して、この脱衣所で待ち合わせをして、我々はせーのっ!と、互いの姿を一斉に見たのだ。ジェーンは海賊船の時のハーフパンツスタイルの水着で、私は赤いレースの、ビキニを着ている。しかし彼は、相変わらず白い肌だ。その美白具合を少し分けて欲しい。
そう言えば何が疑問だったんだろうと、彼の顔を見ると、彼はじっと何故か、私のお腹を見つめていた。
「な、何?」
「やはり、すごい傷痕ですね……それもそうだが、まるでサラブレットのような、筋肉量ですね。」
「サラブレットって、競馬場の?ひゃあ!」
ジェーンが私の腹筋をちょんと触ってきたのだった。くすぐったかった私は、彼から逃げるようにして、風呂場に駆け込んだ。そのままシャワーを豪快に頭の上から浴びて、顔と頭も軽く洗いつつ、髪のゴムを取った。肩の下まで、私の髪が真っ直ぐに伸びた。
もういいや、最初にシャンプーしてしまおう。そう思ってシャンプーのポンプを押して手に取り、シャワーのお湯を体に浴びながらガシャガシャと頭を洗うと、ココナッツの香りがブワッと浴室内に舞った。これはリンスインシャンプーなので、この一回で済む。
頭を水流の中に突っ込んで、これまた豪快に手でジャカジャカ振りながら洗い落として、最後に顔を手で何度か拭いて、終わった。そしてシャワーを手に取って、振り返ると、ジェーンはじっとこちらを見て固まっていた。
「なあに?結構、視線を感じてたけど、ずっと見てた?」
「……え、ええ。あなた結構、髪の毛長いのですね。それと……かなり凛々しい洗い方でした。」
「……早く洗いなさいよ。」
私はジェーンにシャワーを渡した。彼は受け取り、そのまま顔に当てて、じっと目を閉じて、優しく肌を撫で始めた。あまり見ていると、変な気持ちになりそうだったので、先に湯船に入ることにした。肩まで浸かると、お湯の温かさに、全てがほぐれてしまった。
「ああ~ぁ」
「あなたいつも、その声を漏らしますね。まるでおじさまのようです。」
……ジェーンに言われたくはなかった。私は不満そうな顔で、バスタブに顎を置いて、彼の洗う様子を観察した。いつもちょっと毛先がウェーブがかっている金色の長い髪が、濡れて真っ直ぐになっている。結構美しい。
そしてジェーンは私のココナッツリンスインシャンプーの茶色いボトルの隣に置いてある、黒いボトルをプッシュして白い液体を手にとった。ふわっと、甘くスパイシーな香りが広がった。何だか、ジェーンらしくない香りだ。
「ふふ、」私は笑ってしまった。「何だか、意外な匂いが好きなんだね。」
「ええ」彼は頭を丁寧に指先でゴシゴシ洗いながら答えた。「これは、カウブラッドマリーという、インジアビス特有の植物のエキスが入った、シャンプーです。ベルンハルトに連絡をして、送ってもらったのです。魔族が好む香りだと、ネットで知ったものですから。」
「ああまたそうやって新しい手口を……知ってるよ、その植物。ああ、ジェーン。そんなんで、私が寄ってくると思ってるの?」
「コロンやシャンプーは、その人の体の匂いと混ざり、十人十色の香りとなるのです。以前、あなたは私のことをいい匂いだと言いました。その匂いと、この魅惑的な植物の香りを足せば、あなたは必ず、私に近付きたくなる。においから責めるのもアリだと、書いてあり「ましたんでしょうねきっと!オフホワイトには!」
「おや、ご名答です。」
と、ジェーンは頭を流し始めた。くそ、そんな簡単に私が靡く訳が無いじゃない。何がオフホワイトだ!とは言いつつも、さっきから何度も、彼に内緒でクンクンと匂いを嗅いでしまう自分がいる。やめたいんだけどやめられない。私は自分を罰するが為に、湯船に顔をつけた。
すると湯面が浮いた。ジェーンが入ってきて、ざぶんと少し、お湯が溢れた。顔を上げて、彼の方を見ると、髪の毛がサラリと長く、頬が赤かった。肌だって、ピチピチしていた。何これ、何でこんなになってんの。お風呂に浸かると、人は綺麗になりがちだが、彼もまたそうであったとは。魅力が倍増しである。
「……。」
二人で見つめ合い、無言になってしまった。するとその時だった。彼は視線を下にずらした。そしてそのまま、固まっている。明らかに、私の胸元を見ている。
「ちょっと、ダイレクトに見過ぎじゃない?」
「見てはいけませんか?大体、私は何度か、あなたの身体を見た経験があります、治療目的でしたが。しかし胸元までは……今が初めてです。」
「まあ、そうなんだろうけど、あまり見られると、恥ずかしいな。」
「ええ、中々……少し、こちらにきて下さい。」
中々何なんだ?そう聞く間も無く、ジェーンが私の肩を掴んで、私に後ろを向かせた。そして、彼が後ろから抱きつく姿勢になると、彼がバスタブに寄り掛かったので、私もジェーンに寄りかかった。ちょっとこれは気持ちいい、寝そうになる姿勢だ。
でも、気になったのは、もしかして、誰かと一緒にお風呂に入ったことがあるのかな?ということだった。だって、こんな姿勢、ちょっとこなれ感がある。私は聞いた。
「ジェーンは、誰かと一緒にお風呂に入ったことあるの?」
「ありません。あなたは経験ありますか?そしてこの水着はどちらで購入したものでしょうか?誰と着ていたものです?」
一つ聞いたら三つ返ってきた……。彼らしいと、少し笑いながら回答した。
「大浴場で、アマンダとリンと入ったことならあるよ。でもこうして二人きりは無い。この水着は、去年の夏に、リンが一緒に海で男をゲットしようって煩くて、その辺の水着屋さんで買ったんだ。本当はもっと体のラインが隠れるのが良かったけど、店員さんとリンが一緒に選んでくれたから。」
うん、ビキニだし、赤色なので、とても責めてる感じがするけど、どうせ上に薄手のパーカーを羽織るのでいっかと、これを購入したのだ。パーカーを羽織って、お腹や背中を隠さないと、他の観光客が私の体を見てギョッとするだろうからね……。
「そうでしたか、そうでしたか。」
「何をそんなに噛みしめてるの?はは。」
「いや、結構、似合いますよ。あなたの長いダークブラウンの髪と、色調が合います。レースも、いつものあなたから想像出来ない、可愛らしさです。」
そ、そう言ってくれて良かった。この水着を買った甲斐があった。ちょっと嬉しくなって振り返ると、ジェーンは遠くの方を見ていた。目が合うまで待っていたが、全然こちらを見ようとしない。
「ジェーン、どうしたの?こっちを全然見てくれないよ。やっぱり、身体の傷跡が気になる?だったらタオル巻こうか?」
「いえ」と、ジェーンがチラッとこちらを見た。「そういう訳ではありません。あ……ええと、ふふ。私が吃ることは珍しいですね。」
「へへ、そうだね。」
「傷跡は気になりませんよ。触るとボコボコして、気持ちいいですし、それもまた、一つの魅力です。何と言っても、あなたの身体ですから。あ……そうですね、実は、あなたのことですから、もっとスポーツ用の水着を着用してくると予想していました。しかし、実際は……露出の激しいものでした。もう、外では着ないでください。分かりましたね?」
なんか急に制限してきた。
「え!?ま、まあ分かったよ。確かに露出は激しいよね。外に出た時はパーカー羽織ったけど、このままだと恥ずかしいかもしれない。」
胸の谷間は普通に見えているし、下もミニスカートとアンダーウェアが一体化している形状のもので、お湯に入っているとスカートがめくれて中の水着が見えてしまっている。お腹は丸出しだ。海どころか、この風呂だってちょっと恥ずかしいけど、相手がジェーンならいいかと、このまま来てしまった。
その時だった。ジェーンが何やら足を、モジモジと動かし始めたのだ。そして、私の背中を押して、私を一人で座らせると、彼も体育座りをし始めた。急にくっつくのをやめて、どうしたのだろうか。
「どうしたの?」
彼は何やら気まずそうな顔をしながら、口元をお湯に沈めた。何それ。
「ジェーン、何?トイレに行きたいの?」
お湯から口を出した彼は、恥ずかしそうに答えた。
「まあ、そうですね。お手洗いに行けば、解決します。」
「そうなの?じゃあいってくれば?」
「行きたいから行くことが出来るのなら、苦労しませんよ。」
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