社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

084:王都に向かって

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 俺たちはエデン人たちの村を後にすると、村長に教えてもらったルートで砂漠に出た。
 砂が霧の様に風で舞い上がっており、完全に迷うのではないだろうかと不安感が溢れてる。


「進まなくちゃ始まらないよなぁ」

「ここを移動するのは覚悟が入りますね」

「砂漠感が凄いね……」


 俺だけではなくエッタさんやイローナちゃんも、それなりに恐怖心を抱いているみたいだ。
 それならば俺が強くなくてはいけないと思って、ピンッと背筋を伸ばして2人の前に立って歩き始める。
 俺の後ろをカルガモの子供の様に、2人はピタッとくっついて着いてくる。


「夕方くらいになれば最初の村に着くと良いけどね………地図では近くに見えたけど、これじゃあ時間がかかるなぁ」

「無理に急ぐよりも慎重に進んだ方が良いと思います」

「私もエッタさんと同意見……」


 俺が時間かかってしまうかもというと、2人は安全第一だと言って時間がかかるのは気にしない様子だった。
 戦えば普通の男よりも遥かに怖い2人だが、この瞬間は普通の可愛すぎる女の子で俺は惚れ直す。


「そうだね。3人無傷で王都に到着するのが最優先………カエデちゃんたちを信じで、ゆっくり確実に進もう」


 どれだけ戦闘が強かろうが俺は、このか弱い女の子たちを守る為に全力を注ごうと誓ったのである。
 そんな覚悟を決めた俺の耳に、ドドドドドッと何やら正面から何らかの生物の大群が押し寄せる音が聞こえた。
 近寄ってきたのを見てみると、ラクダと馬が合体した様な生物に乗った騎士が向かってきた。


「あれは? 国軍の騎士かな?」

「そうみたいですね………私たちには関係ないので、このまま関係ないふりしましょう」

「じゃあ2人とも目を合わせない様にしようね」


 俺たちは国軍とは何の関係も無いので、面倒な事には巻き込まれない為にスンッと目を合わせない様に真っ直ぐ前を向く。
 スンッとした俺たちの横を騎馬隊たちは通り過ぎようとしたのだが、1人だけ俺たちを怪しみ隊の全体を止めた。


「お前らっ!! 砂漠を歩く格好をしていないが………もしかして他国からの冒険者か?」

「まぁそうですね。謎のトラップに引っかかって、この先の森に飛ばされたんですよ」

「トラップに引っかかった? という事は………まさかフランターヤさんを殺した冒険者かっ!!」


 上から目線の騎士長の様な男は、俺たちに冒険者かと聞いてきたので、イラッとしながらも優しい口調で答える。
 答えてやったにも関わらず、トラップに引っかかった事を言った途端に眼光が鋭くなり、俺たちがフランターヤを殺した事を知っていた。


「国境に置かれていたトラップには、ある条件を付けて設置していたんだ………それが分かるか?」

「まさか魔力残滓……か?」

「正解だ。お前らが立ち去った後に、魔力残滓を回収してトラップ魔法に記憶させた………という事は、お前らは国の反逆者ってわけだ」

「とどのつまり………今からどんぱちするんだな!!」


 どうやら俺の魔力残滓を回収されていたらしい。
 それならば他の人たちが引っかからずに、俺たちだけが引っかかってとばされるわけだ。
 そんな謎を解決した俺だったが、次なる問題は騎士が俺たちの事を反逆者だと言ってきた。
 それを言われてしまったら、逃げ場もない砂漠の中では戦闘は避けられないだろう。
 それならばやられる前に目の前にいる騎士たちを、全てを討ち取って難を逃れるしかない。


「エッタさん、イローナちゃん。この騎士たちを討ち取って、あの生物を奪ってやろう………」

「そうしましょう」

「戦いは避けられないみたいだからね………」


 俺の考えとしては騎士たちを倒して乗っている生物を奪って、その生物で砂漠の村を目指す事にした。
 俺たちが小さな声で喋っているのをみた騎士長は、剣を抜いて俺たちに向けてきた。


「何を話し合っている!! 反逆者は、直ちに処刑をして良いと権限を受けている!!」

「それなら仕方ないって言うと? 俺たちって意外にも諦めが悪いんだ………そう簡単に命は投げ出さないぞ?」

「そう言うのならば………ここで斬り殺してやる!!」


 俺が生意気だからなのか、イライラして騎士長は剣をスッと振り上げてから振り下ろした。
 しかし瞬間的に俺は剣を鞘から抜いて、騎士長の剣を受け止めて弾き返してから騎馬の足を切り落とした。
 体勢を崩した騎馬から騎士長が落ちると、一瞬にして俺によって首を刎ねられたのである。


「き 騎士長の仇を取るんだっ!! 敵は3人だけだぞ!!」


 副騎士長なのか、困惑をしながらも騎士長の仇を取るんだと言って向かってくる。
 しかし俺たちは向かってくる兵士たちを、1人残らず倒して騎馬をゲットする事に成功した。


「これで村までは安全に早くいけそうだね」

「ちょっと待って下さい。まだ何か音が聞こえてきますよ………まだ生き残りがいるみたいです!!」


 俺が騎馬に乗ろうとした瞬間に、エッタさんは何かの気配を察知して俺に伝えてくれた。
 本当かと騎馬に乗るをやめて、気配を感じる方に見てみると新たな騎馬隊が向かってきていた。
 騎馬隊が来る程度ならば問題は無いが、その中で先頭にいる騎士だけは異様なオーラを感じた。


「へぇ。さっきの騎士長なんかよりも遥かに強そうだ………国軍じゃなくて、アレは共和傭兵団の方だな」

「どうしますか?」

「あっちも敵意があるには間違いない。それなら俺がケジメを取るからエッタさんたちは、周りの雑魚を頼むよ」

「承知しました」

「分かった………」


 国王軍とは遥かに比べ物にはならないであろう事から、今から来ているのは共和傭兵団と予想がつく。
 ならばフランターヤの仇討ちだろう。
 それなら俺が相手になって責任を取ってやろうと、周りの雑魚たちはエッタさんたちに任せた。



* * *



 ナミカゼ少尉たちはフロマージュ王国の港に到着。
 積荷などを下ろしてから隊列を組んでから、王都《グラス》に向けて出発する。


「ナミカゼ。ここから王都のグラスまでって、どれくらいかかるんだっけか?」

「ここからか? ここからなら2週間くらいだったはず………その前にも多くの城を奪還するんだからな」

「そういう事ね……まぁ覚悟してたから良いけどさ」


 ダフネ少尉の溜息は幸いにもトラスト中将には届いていなく、また始まったとナミカゼ少尉も溜息を吐く。
 その中でトラスト中将の声が轟き、軍隊は近くの共和傭兵団が所有している城に向かい始める。


「これから行く城は、どんなところなの?」

「フロマージュ王国の中でも珍しい森に囲まれた城だよ。国王軍でも陥すのは難しいところだよ………」

「そこを、この人数で陥せるもんなのかなぁ?」

「こっちには伝説の軍人であるトラスト中将がいるし………何よりも傭兵軍よりも遥かに上回るトレーニングをしてる」


 今から攻め墜そうとしているのは、森に囲まれていて難攻不落の城と言われている場所だ。
 そんなところを数十人の軍人で陥せるのかと、ダフネ少尉はナミカゼ少尉に聞くが、自信満々に問題ないというのである。
 そんなに自信満々でナミカゼ少尉のやる気には、見てるだけで疲れるとダフネ少尉の足取りが重くなる。
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