社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

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 ナミカゼ少尉とダフネ少尉は襲ってきた、銀翼の夜明け団たちを全員鎮圧して拿捕した。思っていたよりも早く銀翼の夜明け団を鎮圧できた事に、ナミナゼ少尉たちは安堵する。


「幹部でもない人間に思ったよりも手こずったけど、コイツらを捕まえられたのは中々に手柄だな」

「それにしたって幹部候補が、このレベルじゃあ………なんて私がいう事じゃないかぁ」


 銀翼の夜明け団で幹部候補だと言っていたのを、瞬殺してしまったのでダフネ少尉はトップ連中も高が知れているかと、銀翼の夜明け団の事を軽視するのである。それに対してナミカゼ少尉はギロッと気を引き締めるようにと睨む。
 その睨みにゾッとしたので、ダフネ少尉は自分の意見を訂正して目線をツーンッと逸らす。訂正したのでナミカゼ少尉は、溜息を吐いてから再度、拘束はできているかの確認をする。


「コイツらを連れて首都に行くわけにはいかないよな。手間になるけど、トラスト中将に報告の連絡してから船に戻るか」

「やっふぅ!! 首都まで行かなくて良いんだぁ!!」

「ダフネさん……まぁ面倒だから言わないけど、戻るは戻るで手間になるからね」


 銀翼の夜明け団を連れたまま移動なんてできないので、ナミカゼ少尉たちは乗ってきた船に戻る事にした。その為に上官であるトラスト中将に報告するべく連絡を取ろうとした。
 そんなナミカゼ少尉たちの前に、真っ黒で高そうなスーツを着た集団がゾロゾロと現れるのである。その集団があまりにも、オーラを感じたのでナミカゼ少尉は警戒する。


「ダフネさん。こんな砂漠で、スーツっておかしくないか?」

「暑そうだよね……というか、明らかにおかしい」

「だよね。ただの変態ってわけじゃなさそうだ………銀翼の夜明け団と同じく警戒した方が良さそうだな」


 スーツを着た集団は人数としては十数人で、ニヤニヤしながらナミカゼ少尉たちに近寄ってくる。そして2つの組織が10メートルくらいになったところで、スーツの集団は止まる。


「君たちはぁ。クロスロード連盟軍の方々とお見受けしますが、合ってますかねぇ?」

「なんだ? 合ってるが、お前たちは誰だ?」

「名乗るって言ってもなぁ。俺たちは、連盟軍みたいな正義の軍隊が嫌いだからなぁ」

「じゃ良いわ。そこまでして知りたいわけじゃないから」

「嘘だってぇ。俺たちは《ギルド・ボガード》っていうんだけど知ってるかなぁ?」


 スーツの男たちの中で真ん中の奴が1歩前に出た。その男は若そうに見えて、茶髪の髪に両耳にピアスを付けている。見るからに前世でいうところのヤクザだろうな。
 そして男たちは《ギルド・ボガード》というギルドに属していると明かすと、ナミカゼ少尉は顔を歪ませたのである。


「なんだって? お前たちはギルド・ボガードなのか!? どうして、こんなところにいるんだ!!」

「ボガード? ナミカゼ。コイツらは何なんだ?」

「コイツらは、世界連盟に非加盟な国を中心に薬・違法売春・暗殺業など、極悪非道な事で金を稼いでる連中だ」


 ナミカゼはギルド・ボガードを知っていた。
 このボガードという組織は、やはりヤクザのように薬やら売春やら殺しやらで生計を立ててる犯罪集団だ。だからヤクザと言っても大差はないだろう。
 ナミカゼ少尉が顔を歪ませた理由は、このボガードが何故に非加盟国ではなく、世界連盟に加盟しているフロマージュ王国にいるのかという事だ。


「どうして、テメェらはフロマージュ王国にいる。俺たちに手を出せば、非加盟国に居ようが捕まえに行くぞ」

「んー。まぁ俺たちは金さえもらえれば、どんな仕事でもするからさぁ………というよりもうちのボス。ボスと言っても、君たちは《ブギーマン》って言った方が良いかな?」

「ブギーマンだと。ただの犯罪者にしては、大層な名前を名乗ってるじゃないか」


 ギルド・ボガードのボスは《ブギーマン》というらしい。ブギーマンとは世界中の子供たちに言い聞かせている、お化けのような存在で言う事を聞かなければ連れていかれると言うものだ。
 その名前を聞いて、ナミカゼ少尉は犯罪者風情が、ブギーマンだなんて世界で有名な名前を名乗るのかと鼻で笑う。それを見たボガードのチンピラたちは、あぁんと言ってメンチを切りながらナミカゼ少尉たちに詰め寄ろうとする。


「まぁまぁ。連盟軍の軍人たちは、あの聖人さまの使いっ走りなんだから気を遣わなきゃ」

「舐めてんのか? 犯罪者風情が、正義の軍隊に喧嘩を売って帰れると思ってるのか?」

「アンタも怒るんじゃないよ。穏便に済ませようよ、俺たちは眠ってる銀翼の夜明け団を渡してくれれば良いだけだからさ」


 どうやらボガードたちは、銀翼の夜明け団の構成員たちを助けにきたらしい。その為に、銀翼の夜明け団の構成員たちを渡せば戦闘はしないと言ってきた。
 どこかで聞いた事のあるセリフかと思ったら、眠っているローブ男も言っていたセリフだ。わざわざ捕まえた銀翼の夜明け団をみすみす、犯罪者たちに渡せるわけがない。
 互いに利害が一致しておらず、緊張の糸がピンッと張っている状態で、チャラそうな男がポケットに突っ込んでいた右手を出して天に向けて伸ばす。それを見た他の連中は、首を回したり屈伸をしたりと準備運動を始めている。そして男が手を下げた瞬間にクロスロード連盟軍に向かって走っていく。


「ちっ。手早く終わったと思ったら、面倒な連中に絡まれちゃったなぁ………どうする? 人数としては、こっちが有利だけど向こうも、それなりの自信があるみたいだよ?」

「ダフネさんは、まだまだ元気だろ? さっきの戦いだって、事実一撃で決着したじゃんよ」

「そうだけどさぁ。コイツらをやれば、休めると思ったからやっただけで………もう疲れちゃったからなぁ」

「ここで銀翼の夜明け団を持ってかれたら、上層部から絞られる上に降格と地獄のトレーニングだぞ」


 ダフネ少尉からすれば銀翼の夜明け団を拿捕して、せっかく休めると思ってスイッチを切ってしまっていた。その為、ナミカゼ少尉にやりたくないとボヤくのである。
 それでも負けて拿捕した奴らが連れて行かれたら、トラスト中将だけではなく上層部にも怒鳴られて、降格する上に地獄のトレーニングキャンプにも参加しなければならない。そんな事になるのなら戦った方がマシだとダフネ少尉はスイッチを入れる。


「そういえば、君たちの事は知ってるよぉ。というよりも支部大佐と、本部将校の顔は全部頭に入ってるんだよ」

「ふんっ。無駄な記憶力だ、犯罪者じゃなきゃ世界の為に、その力を使えたって言うのにな」

「おいおい、勘弁してくれよぉ。正義なんて不透明で、生臭い言葉を口にしないでくれ………じゃあ最大級の悪を見せてやるか」

「それは何だ?」

「これは《GOD》だ。世間一般では《女神の雫》っていう方が一般的かな?」


 チャラ男はナミカゼ少尉たちのような生臭い正義感を、語る人間が大嫌いで虫唾が走るという。そこで最大級の悪を見せてやると胸ポケットから、小さな小瓶を取り出す。
 ナミカゼ少尉は何なのかと思っていると、チャラ男は小瓶の中身を《女神の雫》と言った。それを聞いた、ナミカゼ少尉は何だとと少し後退りをする。
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