136 / 201
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
132:気を使う
しおりを挟む
俺たちは手厚い歓迎をしてくれた街を出発する事になった。そしてノースカリクッパ王国内を探索して、ローズちゃんの心臓を取り返す旅を開始する。
「この国に、どうにかギルド・ボガードの手がかりが見つかれば良いけどな」
「問題ないと思います。この国の王族と関係を持っているのは確実なので、絶対にギルド・ボガードの情報は手に入ると思います!!」
俺としては時間を費やしてもギルド・ボガードの情報が手に入らなかった時が怖い。それを懸念していたが、エッタさんは必ず情報は手に入ると励ましてくれる。
とにかく行動してみなければ分からないと、俺たちは馬車に乗り込んで市長に感謝を伝えてから出発した。
「とりあえず首都に向かおうか」
「ここから首都でしたら、3日あれば到着しますね」
「思ったよりも近くて良かった。それにしても黒戦病に関して詳しく知らないんだけど、俺たちに感染したりとかってしないの?」
出発したところで俺はふと、黒戦病という世界三大疫病に関して疑問に思った。それって普通に俺たちに感染しないのかと言う事を。
「私たちは魔力量が多かったり、魔力操作に長けているので感染しても重症にはなりませんね」
「え? どうして魔力量とか、魔力操作に長けていると重症化したりしないんだ?」
エッタさんが言うには魔力量が多かったり、魔力操作が上手い人間なら重症化しないらしい。それを聞いたところで、全くもって原理が理解できない。キョトンとしている俺に、エッタさんが優しく教えてくれた。
「何と言いますか、魔力が免疫の働きをするという風な言い方が合ってると思います」
「あぁそう言う原理なのね」
やっと理解できた。
魔力は全身を回っているので、体内の細胞と同じように魔力が病原菌を殺すらしい。だから魔法を上手く使える人間と、魔力量が多い人間は黒戦病にはかからないらしいのである。
だから農民とか普通の人の場合は、細菌に負けて黒戦病にかかって重症化してしまうらしい。
「この国の人たちは、まともに食事も取れていないので魔力量も十分じゃありません」
「だから黒戦病が流行ってるのか」
「はい。黒戦病は名前の通りに体が黒くなっていく病気です。体の半分が黒くなってしまったら手遅れです」
前世でいうところのペストと同じなんだろうか。
それにしても体が黒ずんでいって、最後には死んでしまうなんて凄まじい病気だな。昔みたいに手の施しようは無いのだろうか。
「じゃあ黒戦病って治らないの?」
「食事が要因なら十分な食事と休養を摂る事で治りますし、そもそも聖魔法を使えば治せます」
「へぇ聖魔法で治せるんだ。でも、その聖魔法を使ってもらうにも金がかかるってわけか………」
「その通りです。教会や自分でやっている人たちに、聖魔法を使ってもらうと高くついてしまいます」
本当に世の中というのは金が全て何だなと思ってしまうんだよなぁ。俺自身のできる事への限界にも嫌気がさしてくるもんだ。
そんな無意味な事を思いながら俺は立ち上がって、馬車の手綱を握っているカエデちゃんのところに行く。
「昨日から手綱任せちゃってるけど、俺が代わりにやろうか?」
「問題ないわんよ。それに、ここは凄く揺れるからミナトさんは直ぐに酔っちゃうわん」
「そ そうなんだ。それなら止めておいた方が良いかもしれないね………」
手綱引きを変わろうかと思ったが、どうやら乗っているところよりも揺れるというので止めた。俺が酔ったせいで皆んなが怪我するのだけは避けたいからだ。決して俺自身が酔うのが嫌だからではない。
そんな感じでカエデちゃんに断られたところで、俺は座っていたところに戻って静かに座る。イローナちゃんに哀れな感じで肩にポンッと手を置かれた。何とも言えない気持ちになったので、話を変えるべく俺はイローナちゃんに話を振るのである。
「イローナちゃんって、何処の出身なの? 中々にミステリアスな雰囲気を醸し出してるけどさ」
「忘れた……」
「忘れたって、もしかして孤児とか? それなら俺と同じだけど………」
「孤児じゃないよ。両親の顔も覚えてる………でも、私は過去を忘れて生きてるの」
中々にかっこいい返答が来て、さすがはイローナちゃんだと思ってしまった俺ガイル。それと同時に、きっと故郷の話はしたくないのだと思った。
それはクールなイローナちゃんの目が、明らかに寂しそうな目をしたので直ぐに分かった。降った話が、まさか気まずくなってしまうとは俺も、まだまだ女の子の扱いは慣れていないみたいだ。
「私の事は良いの。そのヴァンパイアが、何処から来たとか聞いた方が良いと思う………」
「確かにそうだね。ローズちゃんは、何処から来たんだい?」
「妾の故郷か? そんなに知りたいのなら教えてやっても良いが………聞いて驚くなよ!!」
そんなに聞かされたら驚いてしまうところの出身なのだろうか。俺たちの間に少しの緊張感が走って、俺は固唾を飲んでローズちゃんに聞き入る。
「妾の出身は《サルマーレ公国》じゃ!!」
「ん? サルマーレ公国……って、あの中陸の南に位置する国だよね?」
「そうじゃよ?」
なんという事だろうか。サルマーレ公国は、何とも言いづらいが普通の平凡な国である。
どうして、そんなに勿体ぶって言ったのかと疑問を持ってしまうくらいに普通の国である。変わったところと言えば、夜になるのが早いというところくらいだろう。
「そんなに驚く事じゃなかったにゃ………」
「なっ!? 何を言ってるんじゃ!! あのサルマーレ公国なんじゃぞ!!」
「だから驚く事も無いにゃ」
「シュナちゃん!! 年長者は、ほんの少しだけでも敬ってあげようよ………」
シュナちゃんの辛辣な言葉に、その場にいた俺たちが一瞬にしてピクッとなった。それはもちろん全員が思った事だが、気を遣って言わなかったからである。それを言えてしまうシュナちゃんのメンタルの強さに、俺たちは感服してしまうくらいだ。
しかし当の本人であるローズちゃんは、凄い事だと思っていたのでプルプルッと震えながら、今にも泣きそうになっている。
「ローズちゃん、ローズちゃん!! サルマーレ公国の出身なんて凄いよ!!」
「本当か? 本当じゃろうな?」
「本当本当っ!!」
俺は泣かれては困るので全力で援護する。涙でウルウルしている目を見るのは辛すぎる。俺に続くようにエッタさんたちも、アワアワしながら手を貸してくれる。
「そうじゃろ、そうじゃろ!! 妾の国というのは凄いんじゃよ!!」
「ふー。何とか誤魔化せた………皆んな助けてくれてありがとうね」
「いえいえ。こんな狭いところで、大泣きなんてされた日にはたまったもんじゃ無いですから………」
何とかローズちゃんの機嫌が戻ったところで、俺はエッタさんたちに感謝して横になるのである。酔ったとかではなく、ご機嫌を保つのが大変だと疲れが溜まってしまっている。
それでもローズちゃんが、心臓を取られているのは可哀想だと俺の意思が言っているので、手伝うのはやぶさかでは無いのである。
「この国に、どうにかギルド・ボガードの手がかりが見つかれば良いけどな」
「問題ないと思います。この国の王族と関係を持っているのは確実なので、絶対にギルド・ボガードの情報は手に入ると思います!!」
俺としては時間を費やしてもギルド・ボガードの情報が手に入らなかった時が怖い。それを懸念していたが、エッタさんは必ず情報は手に入ると励ましてくれる。
とにかく行動してみなければ分からないと、俺たちは馬車に乗り込んで市長に感謝を伝えてから出発した。
「とりあえず首都に向かおうか」
「ここから首都でしたら、3日あれば到着しますね」
「思ったよりも近くて良かった。それにしても黒戦病に関して詳しく知らないんだけど、俺たちに感染したりとかってしないの?」
出発したところで俺はふと、黒戦病という世界三大疫病に関して疑問に思った。それって普通に俺たちに感染しないのかと言う事を。
「私たちは魔力量が多かったり、魔力操作に長けているので感染しても重症にはなりませんね」
「え? どうして魔力量とか、魔力操作に長けていると重症化したりしないんだ?」
エッタさんが言うには魔力量が多かったり、魔力操作が上手い人間なら重症化しないらしい。それを聞いたところで、全くもって原理が理解できない。キョトンとしている俺に、エッタさんが優しく教えてくれた。
「何と言いますか、魔力が免疫の働きをするという風な言い方が合ってると思います」
「あぁそう言う原理なのね」
やっと理解できた。
魔力は全身を回っているので、体内の細胞と同じように魔力が病原菌を殺すらしい。だから魔法を上手く使える人間と、魔力量が多い人間は黒戦病にはかからないらしいのである。
だから農民とか普通の人の場合は、細菌に負けて黒戦病にかかって重症化してしまうらしい。
「この国の人たちは、まともに食事も取れていないので魔力量も十分じゃありません」
「だから黒戦病が流行ってるのか」
「はい。黒戦病は名前の通りに体が黒くなっていく病気です。体の半分が黒くなってしまったら手遅れです」
前世でいうところのペストと同じなんだろうか。
それにしても体が黒ずんでいって、最後には死んでしまうなんて凄まじい病気だな。昔みたいに手の施しようは無いのだろうか。
「じゃあ黒戦病って治らないの?」
「食事が要因なら十分な食事と休養を摂る事で治りますし、そもそも聖魔法を使えば治せます」
「へぇ聖魔法で治せるんだ。でも、その聖魔法を使ってもらうにも金がかかるってわけか………」
「その通りです。教会や自分でやっている人たちに、聖魔法を使ってもらうと高くついてしまいます」
本当に世の中というのは金が全て何だなと思ってしまうんだよなぁ。俺自身のできる事への限界にも嫌気がさしてくるもんだ。
そんな無意味な事を思いながら俺は立ち上がって、馬車の手綱を握っているカエデちゃんのところに行く。
「昨日から手綱任せちゃってるけど、俺が代わりにやろうか?」
「問題ないわんよ。それに、ここは凄く揺れるからミナトさんは直ぐに酔っちゃうわん」
「そ そうなんだ。それなら止めておいた方が良いかもしれないね………」
手綱引きを変わろうかと思ったが、どうやら乗っているところよりも揺れるというので止めた。俺が酔ったせいで皆んなが怪我するのだけは避けたいからだ。決して俺自身が酔うのが嫌だからではない。
そんな感じでカエデちゃんに断られたところで、俺は座っていたところに戻って静かに座る。イローナちゃんに哀れな感じで肩にポンッと手を置かれた。何とも言えない気持ちになったので、話を変えるべく俺はイローナちゃんに話を振るのである。
「イローナちゃんって、何処の出身なの? 中々にミステリアスな雰囲気を醸し出してるけどさ」
「忘れた……」
「忘れたって、もしかして孤児とか? それなら俺と同じだけど………」
「孤児じゃないよ。両親の顔も覚えてる………でも、私は過去を忘れて生きてるの」
中々にかっこいい返答が来て、さすがはイローナちゃんだと思ってしまった俺ガイル。それと同時に、きっと故郷の話はしたくないのだと思った。
それはクールなイローナちゃんの目が、明らかに寂しそうな目をしたので直ぐに分かった。降った話が、まさか気まずくなってしまうとは俺も、まだまだ女の子の扱いは慣れていないみたいだ。
「私の事は良いの。そのヴァンパイアが、何処から来たとか聞いた方が良いと思う………」
「確かにそうだね。ローズちゃんは、何処から来たんだい?」
「妾の故郷か? そんなに知りたいのなら教えてやっても良いが………聞いて驚くなよ!!」
そんなに聞かされたら驚いてしまうところの出身なのだろうか。俺たちの間に少しの緊張感が走って、俺は固唾を飲んでローズちゃんに聞き入る。
「妾の出身は《サルマーレ公国》じゃ!!」
「ん? サルマーレ公国……って、あの中陸の南に位置する国だよね?」
「そうじゃよ?」
なんという事だろうか。サルマーレ公国は、何とも言いづらいが普通の平凡な国である。
どうして、そんなに勿体ぶって言ったのかと疑問を持ってしまうくらいに普通の国である。変わったところと言えば、夜になるのが早いというところくらいだろう。
「そんなに驚く事じゃなかったにゃ………」
「なっ!? 何を言ってるんじゃ!! あのサルマーレ公国なんじゃぞ!!」
「だから驚く事も無いにゃ」
「シュナちゃん!! 年長者は、ほんの少しだけでも敬ってあげようよ………」
シュナちゃんの辛辣な言葉に、その場にいた俺たちが一瞬にしてピクッとなった。それはもちろん全員が思った事だが、気を遣って言わなかったからである。それを言えてしまうシュナちゃんのメンタルの強さに、俺たちは感服してしまうくらいだ。
しかし当の本人であるローズちゃんは、凄い事だと思っていたのでプルプルッと震えながら、今にも泣きそうになっている。
「ローズちゃん、ローズちゃん!! サルマーレ公国の出身なんて凄いよ!!」
「本当か? 本当じゃろうな?」
「本当本当っ!!」
俺は泣かれては困るので全力で援護する。涙でウルウルしている目を見るのは辛すぎる。俺に続くようにエッタさんたちも、アワアワしながら手を貸してくれる。
「そうじゃろ、そうじゃろ!! 妾の国というのは凄いんじゃよ!!」
「ふー。何とか誤魔化せた………皆んな助けてくれてありがとうね」
「いえいえ。こんな狭いところで、大泣きなんてされた日にはたまったもんじゃ無いですから………」
何とかローズちゃんの機嫌が戻ったところで、俺はエッタさんたちに感謝して横になるのである。酔ったとかではなく、ご機嫌を保つのが大変だと疲れが溜まってしまっている。
それでもローズちゃんが、心臓を取られているのは可哀想だと俺の意思が言っているので、手伝うのはやぶさかでは無いのである。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる