社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

133:不快な思い

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 俺たちはノースカリクッパ王国内を旅している。初めの街を出発してから半日が経ったところで、次の街が見えてきたのである。今回は前の街のように火の手は上がっていないが、寂れているのが遠目でも分かる。


「やっぱり国が栄えていないのが分かるよなぁ………」

「はい。前の街は国境付近にあるので、お金を渡して食料をある程度、街に入れているみたいですので今回のは顕著に貧乏な街だと思います」

「そうだよなぁ。ローズちゃんよ、街では横暴な態度を取っちゃダメだよ?」

「分かっておるわ!! 妾を子供扱いするんじゃ無い」


 俺は街が近くになったところで、ローズちゃんに横暴な態度を取らないようにと注意する。そんな事を言われたものだからプンプンッと、子供が怒ったようにローズちゃんはそっぽを向いてしまった。
 とりあえずは釘を刺しておいたので、街の中で問題を起こす事は無いだろうと思った。少しでも街の中でのハプニングを無くしていきたいと考えている。
 俺たちは少しの不安を感じながらも、街の中に入ると外から見ていた時よりも遥かに貧乏な街なのだという印象を持ってしまう。


「ここで泊まるにしても、今日の夕飯とかは我慢した方が良さそうだなぁ」

「そうですね。ここにきて文句なんて言えませんから」

「武士は我慢をしてこそでござる!! その先に新たな強さがある!!」

「中々の武士道を感じるなぁ。とにかく宿屋があるところまで歩いて行こうか」


 俺たちは馬車を降りると、今日泊まるところを確保する為に街の中を歩いていく。あまりにも俺たちの格好と街の人たちの格好が違いすぎて申し訳なくなる。
 そんな風な事を思いながら街の中を歩いていると、革の装備を付けた30代くらいの男が現れた。その後ろには槍を持った若い男と女が立っている。


「其方らの格好から冒険者と、お見受けするが合っているだろうか?」

「ん? あぁ俺たちは冒険者だよ。それで貴方がたは、この街の市長さんたちかな?」


 俺は少しの警戒しながら先頭に立って、この街の人間であろう男たちと話をする。どうやら向こう方も、俺たちを警戒しているみたいだ。


「いや、この街に市長なんていない。我々は市民軍に入っている者だ」

「そうか。俺たちは世界中を旅しているのだが、この街に滞在したいのだが良いか?」

「ふむ。其方らが国王軍の人間でも、ギルド・ボガードの人間でも無いと証明できれば良いだろう………」


 冒険者カードを見せたとしても、何を見せたとしても俺たちが国王軍ともギルド・ボガードとも関係ないと証明するのは不可能だろう。つまりは、俺たちに街から出て行けと遠回しに行っているんだ。
 仕方ない無駄な戦闘はしたくないから、ここは俺たちの方から引き下がってやるとするかな。そんな風に思っていると街の外から馬の走る音が聞こえてくる。


「国王軍だっ!! お前たちが呼んだのか!!」

「そんなわけないだろ!! 俺たちは国王軍と関係ないんだからな!!」

「じゃあどうして、お前たちがきた瞬間に国王軍の奴らが来るんだよ!!」


 ほらな。こうやって面倒ごとが起きるから、街の中に入る前に嫌な予感がしたんだよ。でもそんな事を言ってられないし、俺たちが疑われたまま終わるのも癪に障るので、ひと暴れしでやるかと思った。


「じゃあ俺たちが関係してないって、アイツらを蹴散らしてやるから見てろよ」

「本当にやるのか? まぁ俺たちも兵士が疲弊してるんだ。そこまで言うなら戦ってもらおうじゃないか」

「た 隊長っ!! 本当に大丈夫なんですか!!」


 俺たちが代わりに戦ってやると言うと、隊長らしき人間は代わりにやってもらおうと言った。それを後ろの若い男女が、本当に大丈夫なのかと心配した。


「本当に危なくなったら、コイツら諸共、国王軍の人間を葬ってやれば良いだけの話だろ」

「そうですね……」

「そんな言い方されたら頭に来るが、まぁアイツらをボコボコにして気を晴らすか………」


 俺たちの気持ちを逆撫でしてくる奴らだと思ったが、外に来ている奴らをボコボコにして気を晴らそうと決めたのである。しかし気分のままに、俺1人で決めてしまった為に申し訳なさがある。


「外に来ている国王軍とやる事になったけど、6人とも大丈夫かな?」

「ミナト様。ミナト様の決めた事でしたら、私たちはついていきますので謝らないで下さい!!」

「やってやるわん!!」

「最近は静かだったから暴れたい気分にゃ」

「私も少し戦いたい………」

「ここで引いては武士の恥でござる!!」

「よく分からないけど、妾も戦ってやろう!!」


 皆んなも俺に賛同してくれるみたいだ。こんなに暖かいファミリーは、ここを除いて存在しないだろう。だって皆んなが、こんなに可愛いのだからね。
 俺たちは準備を整えてから、この街の入り口の方に戻ると国印の入った鎧を着た兵士たちがいた。人数的には想定していたよりも、けっこう上の人数が来ていた。


「お前ら見ない顔だな………この国の人間じゃないな」

「そうだけど、何か問題でもあんの?」

「そいつらの排除する邪魔をするのならば、俺たちは関係なく排除させてもらう」


 直ぐに俺たちが、この国の人間じゃないと分かったみたいで邪魔をするならばと脅してきた。まぁ内戦やっているにも関わらず、知らない奴らに自分たちの邪魔をされるのは面白くないだろう。
 しかし俺たちだって疑われて剣を向けられ、フラストレーションが溜まっているんだ。この何の言われもない国軍の兵士たちで、このフラストレーションを晴らさせてもらおうじゃないかと思う。


「排除させてもらうって? やれるもんならやってみろよ。そうやって相手を見極められない奴は、この戦場じゃあ長くは生きてけないぞ?」

「ほぉ覚悟は良いみたいだな。何処の誰だか知らないが排除させてもらう!!」


 俺は気持ちいいくらいに八つ当たりする事ができたのである。戦闘になれば俺たちが、負けるわけがないと思ってしまうくらいメンバーが強いと思っている。
 その意思を聞いて国王軍の連中は剣を抜いて、俺たちに向かって走ってくる。けっこうな数がいるので、ドドドドッと音がするくらいだ。


「あの男を討ち取れ!!」

「おぉ会って数秒の奴に嫌われちゃったわぁ」


 俺が嫌いになったのか、国王軍の奴らは俺の首を取る為に向かってくるのである。完全にスイッチの入っている俺は、指の骨を鳴らして準備を整える。
 そんな風に完全に戦う準備を整えていた俺だったが、バッとルイちゃんとローズちゃんが俺の前に出た。


「ミナト殿には、そう簡単に触らせないでござる!!」

「そうじゃ、そうじゃ!! コイツは妾のモノなんじゃからな!!」

「おいおい……俺の見せ場を取るなよぉ」


 俺には触らせないとルイちゃんと、ローズちゃんが前に出てくれたらしい。それ自体は、とても嬉しい事なので普段なら喜ぶが、完全にやる気になってしまった以上は矛を納めるにも中々に恥ずかしい。
 しかしそんな事は言えないので、仕方なく最初はルイちゃんとローズちゃんに任せる事にする。この2人に俺がやると言っても凹んでしまうだけだから、子供の機嫌を取るのと同じように考えている。
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