社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

134:事の通り

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 トラスト中将はクロスロード連盟軍本部の自室で、サーモンのステーキを昼飯として食べている。一口一口が大きい為に、一皿では足りずにテーブルの上には空の皿が積み上げられている。


「おいっ!! あと10皿持ってこい!!」

「は はいっ!! 少々お待ち下さい!!」


 常人の何倍もの量を食べているにも関わらず、トラスト中将は10皿のおかわりをした。目の前にある全ての皿を食べてから、次の皿が来るまで赤ワインを口直しとして飲むのである。


「トラスト中将っ!! 失礼致します………報告があり参りました」

「ナミカゼか。報告する事だと? 俺が今、食事してるのが分からないのか?」

「そ それは承知しているのですが、直ぐに中将の耳に入れておいた方が良いと思いまして………」


 トラスト中将は食事時間まで仕事はしなくないタイプの人間で、ナミカゼ少尉がある報告にやってきても睨んで威嚇する。その威嚇に対してナミカゼ少尉は、ピクッとビビってしまうのである。
 しかし伝えなければいけない事なのだと、トラスト中将の威嚇にも下がらずに報告したいという。その姿勢をトラスト中将が見ると、グラスをテーブルに置いて口元を紙で拭き咳払いをしてから報告を聞く。


「そんなに重要な事ならば言ってみろ。それで、もしつまらない事だったら殴り飛ばすからな」

「は はい、承知いたしました………それでは報告させていただきます。あの巷で問題となっている《女神の雫》に関しての情報です」

「なんだと? そんな情報を、何処で仕入れたっていうんだ?」


 ナミカゼ少尉が持ってきた情報とは、ギルド・ボガードの人間も使っていた《女神の雫》というものについてだった。女神の雫という単語を聞いた瞬間、トラスト中将は目をパチッと開いて驚く。
 この女神の雫というのは、スペリアル魔石に匹敵するくらいの違法魔力増強剤である。そんなものが世界に蔓延し始めている為に、過去よりも遥かに魔人になる人間が多くなっている。
 そんな危険なものが出回っているにも関わらず、その元締めが分からずに困っていた。そんなところに、情報を手に入れたと言ってきたのだから驚くだろう。


「中将の指示で数日の間、特殊部隊《シャドー》に入った時に手入れた情報です………」

「その時に手に入れたのか。そもそもギルド・ボガードの連中と戦った時に使っていたんだろ?」

「その通りです。幹部と思わしき男が、使っていたのには驚きました」


 ナミカゼ少尉はトラスト中将の命令で、いろんな部隊に行って修行を行なっていた。そこでシャドーという部隊に入った際に、聞き入った情報であると説明した。


「それで、手に入れた情報の内容は?」

「はい。ギルド・ボガードの首領であるブギーマンの裏に、女神の雫を作っている人間がいるようです」

「そこが繋がっていたとはな。つまりブギーマンは、女神の雫を作っている人間の下っ端というわけか………」


 どうやらブギーマンの後ろには、相当な大物がいるみたいだと把握する事ができた。


「それと同時に、そりゃあ女神の雫の売買している場所が分からないわけだ」

「それが分かったのですが、やはりブギーマンの居場所が非加盟国でして………」

「ブギーマンを捕まえたくても上からの指示で、非加盟国には攻め込めにいけないという事だな?」


 ブギーマンとの関係が分かったところで、直ぐに拿捕して監獄に入れてやりたい。しかし非加盟国の為に、クロスロード連盟軍が拿捕には向かえない。そこがナミカゼ少尉たちとしても歯痒いところなのである。


「俺がネルマに頼んでやろう。それで許可が降りれば、俺たちはブギーマンを確保しにいく」

「で ですが!! 非加盟国には手を出すなと、聖人さまたちが決めたルールが………」

「そんなルールは無視すれば良い。俺たちは何だ? 正義の軍隊を名乗る組織だろ………それが上の顔色伺って市民を危険に晒すなんてのは愚行だ」


 非加盟国に入国するのは禁止されているが、トラスト中将は正義の為ならば破らなければいけないルールもあるという。それを聞いてナミカゼ少尉も、それは確かにそうだと納得したのである。


「決まったら直ぐに動かなければダメだ。今直ぐに、俺がネルマに話をしてこよう」

「は はい。了解いたしました………」


 トラスト中将は立ち上がって、直ぐにネルマ元帥のところに話を通しに行った。



* * *



 俺がストレスを発散する為に、国王軍の奴らを倒そうとしたのであるが、ルイちゃんとローズちゃんが俺の代わりにと言って片っ端から倒していく。
 国王軍の人間だって凄まじい人数がいるのだから、2人にも絶対に割り当たるのだが、2人は俺に良いところを見せたいからと頑張ってくれている。そんな姿を見せられてしまったら、文句なんて言えない為に俺は少し落ち着くまで後ろで見ているのである。


「ミナト様、あの2人を呼び戻しましょうか?」

「ん? いや、楽しんでるみたいだし良いよ………どうせ、この数だったら俺にだって割当たるからさ」

「そうですか、承知しました」


 エッタさんは気を利かせてくれて、あの2人を呼び戻してきてくれると言ってくれた。しかし彼女らの機嫌を損ねる方が怖い為、俺は放置する事にしたのである。


「それにしても気持ち良いくらい、あの2人だけじゃなくて皆んな強いよなぁ………俺も負けてられないか」


 俺が許可した事で2人だけじゃなく、戦いたい連中が国王軍の兵士に向かって走っていく。そんな光景を第三者から見ていると、皆んな強くて美人なんだなと再認識させられている俺がいる。
 エッタさんは風魔法と光魔法の達人だし、シュナちゃんとカエデちゃんは幼馴染として連携も取れてる。ルイちゃんは刀の使い方が上手くなってるし、イローナちゃんに関しては面倒くさそうだけど要所を押さえて戦っている。ローズちゃんの戦い方は初めて見るが、基礎能力が異様に高いように見える。


「こりゃあ、皆んなを怒らせちゃダメだなぁ………」

「女ばかりに戦わせて、お前は見物か!! まぁ女共の強さを見れば分かる………お前は弱いだろ!! 女たちに戦わせているだけの雑魚だろ!!」


 俺が皆んなを怒らせちゃダメだと思っている時に、この軍隊の隊長格の人間が俺の前に来た。どうやらエッタさんたちの強さを見て、俺が侍らせているだけの雑魚だと思っているみたいだ。まぁ確かに俺が女に弱い事は事実だから、それなりには合っている事ではある。
 しかしただの雑魚だと思われている事には、ほんの少しイラッとしているので、さっきの分もストレスを晴らさせてもらおうじゃないかと思っている。


「雑魚だって思うの? まぁお前なんかに、どんな風に思われても良いんだけどさ………ちょっと俺のストレス発散に付き合ってもらえるかな?」

「雑魚が、どれだけほざいたところで、本物の強者である俺には効果ないぞ? 雑魚相手になら、威嚇としても使える手だがな」

「だから使ったんだけど? まさか俺に言っておいて、自分の事を相当過大評価してるんじゃないよな?」

「ちっ。良いだろう。この国王軍で、分隊長を務める俺が相手になってやるよ!!」


 俺の煽りは有効打だったみたいで、まんまと俺のストレス発散に付き合ってくれるみたいだ。分隊長なら、それなりにはやってくれると期待している。
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