社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

文字の大きさ
145 / 201
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

141:格上

しおりを挟む
 俺が街を破壊した張本人たちの気を引きつけている隙に、イローナちゃんたちが街の人たちの生存確認を行ないに向かったのである。しかし街に近づけば、そこら中に瓦礫の下敷きになって亡くなった遺体があった。


「これは酷いでござるな………」

「これじゃあ全滅しててもおかしくない………」

「じゃあ、あのエルフたちもタダじゃ済んでないん可能性もあるんじゃろか?」

「無傷は難しいと思うでござるな」


 あまりにも悲惨な光景が広がっている為、この街の人たちが全滅していてもおかしくはない。そしてエッタさんたちだろうと、こんなにも多くの被害が出ているという事はタダでは済んでいないだろうと思う。
 それでも生きている人がいるかもしれないと、瓦礫を退かしながら捜索をしていると、ローズちゃんがある存在に気がついて2人に声をかける。


「2人とも!! 異様なオーラを感じる………これは中々に面倒なオーラじゃろ」

「確かに……」

「ちょっとマズいでござるな!!」


 それを聞かされた2人も周りに気を回してみると、確かに体がゾッとするようなオーラを感じた。


「何か楽しそうな感じがしたから来てみたら、ただの女が3匹いるだけじゃねぇか」


 そこに現れたのは自分の身長くらいある大太刀を持った、ガタイの良い高身長の男だった。見た目もゴリラみたいだし、髪の毛もドレッドにしている為か、イカつく見えてしまっているのである。
 本人が現れた事でヤバい奴だと悟って、3人はグッと体に力を入れて直ぐに動けるようにしている。本当ならば戦闘を避けたいが、ここで食い止めなければ、被害を受けた人たちの救出にも邪魔をされてしまうだろう。


「お主は何者でござる!!」

「何者と言われてもなぁ。お前たちみたいな奴らに言われる筋合いはねぇが………まぁ名乗ってやっても良いかもしれねぇか」


 ルイちゃんが男に刀を向けながら、お前は誰なのかと聞くと男は頭をポリポリと掻きながら面倒だという。しかし自分を誇示したい性格をしている為か、面倒だが名乗っても良いかもしれないと大太刀を下ろす。


「俺様はギルド・ボガードの《オフグッギ》様だ!!」


 大男の名前は《オフグッギ》というみたいだ。
 オフグッギは名乗りを上げてから、大太刀を構えてルイちゃんに斬りかかる。それを刀で受け止めるが、ズズズッと地面を擦るようにして押されている。


「おぉまさか刀程度の武器で、俺様の大太刀を受け止められるとはな!!」

「ギリギリでござる!!」

「3対1で大太刀とは、大馬鹿者じゃな!!」


 オフグッギは、まさか大太刀の攻撃を刀で受け止められるとは思っていなかったみたいだ。素直にルイちゃんを褒めるが、当の本人は保つのが限界である。
 そこにローズちゃんは血で剣を作って、オフグッギに向かって斬りかかる。大人数戦で、小回りの効かない大太刀は弱いと踏んでいるみたいだ。


「血を剣にするとは面白いが、それじゃあ俺様の大太刀には叶わない!!」

「わぁ!?」


 普通の剣を扱うようにオフグッギは、大太刀をローズちゃんに振るうのである。血の剣と衝突した瞬間、剣が破壊されたのとローズちゃんが吹き飛んでいく。
 あまりにも2人を圧倒している為に、イローナちゃんは近づけずにジリジリッと様子を見るしかない。


「これは想定していたよりかは、手強そうで面白いじゃないか!!」

「イローナ殿は、無理に距離を詰めない方が良いでござるよ!!」


 イローナちゃんは素手による近接戦闘なので、距離を潰さない方が良いとルイちゃんはいう。しかし自分だけが逃げるわけにはいかないと、イローナちゃんはオフグッギとの雰囲気を見ている。
 そしてルイちゃんは、オフグッギに向かって走り出すと隙を作らないように最小限の動作で刀を振るう。オフグッギとの大太刀が鍔迫り合いになると、バチッと火花が散るのである。


「中々に反骨心がある女だっ!!」

「お前さんも中々でござる!!」

「妾を忘れるでない!!」

――血染めの拳ステインド・ナックル――


 ルイちゃんとオフグッギが鍔迫り合いをしているところに、ローズちゃんが血をメリケンサックのようにして殴りかかりに行った。オフグッギはルイちゃんの腹を蹴っていなすと、ローズちゃんの拳を大太刀の腹で簡単に受け止めた。


「女にしては異様なまでのパンチ力だっ!! もしや人間では無いのかな!!」

「そうじゃ!! 妾はヴァンパイアだからのぉ!!」

「そりゃあ、珍しい相手と戦えるモノだ!! もっともっと全力で殺しに来い!!」


 ミナトファミリーの中でも武闘派のメンバーと、戦っているはずなのにオフグッギは余裕が見える。


「私を忘れないで………」

――豪雷の鉄鎚クラックダウン・サンダー――

「おっと!! 何かあると思ったが、珍しい雷魔法を使う人間とやり合えるとはな」

「こっちはやり合いたくは無い………」


 イローナちゃんは様子を見てから、オフグッギに対して雷を落とす魔法を使った。だが、直ぐに異変を察知されて避けられてしまう。
 やはり戦闘狂なのだろうか。イローナちゃんが雷魔法の使い手だと分かった瞬間に、オフグッギは剣を振り回して子供のように楽しんでいる。イローナちゃん的には面倒なオフグッギとはやり合いたく無いらしい。


「さてと役者は揃ったってところか? 龍人族の侍に、ヴァンパイアの幼女、雷使いの人間………こりゃあバラエティ豊かだな!!」

「来るでござる!! 拙者が受けるので、お二方は合わせてもらえれば良いでござる!!」

「了解した……」

「指図は受けたく無いんじゃが………まぁ今回は仕方あるまいな!!」


 全員が戦闘の場に降りたところで、オフグッギは剣を構え直して本当の戦闘がスタートする。ローズちゃんが近接を担当し、ルイちゃんが中距離を担当し、イローナちゃんが遠距離を担当する事になる。
 ローズちゃんが懐に飛び込むと、メリケンサックでブンブンッと振って攻撃する。だが、オフグッギは重たい大太刀を持っているにも関わらず、身軽な感じでメリケンサックを避けるのである。


「おっとっと。中々良い攻撃………危なっ!?」

「ちっ。今のは完全に討ち取ったと思ったのに………今のを見切るでござるか」


 オフグッギは避け切ると後ろにジャンプして完全に距離を取る。少し気が緩んだ瞬間に、ルイちゃんが距離を潰して斬りかかった。しかし大太刀を斜めにして、ルイちゃんの剣を受け流した。
 突然に斬りかかられたにも関わらず、オフグッギは落ち着いて対処したので、相当な戦闘経験が培わられているのでは無いかと察せられる。


「距離を取っても無駄………」

――豪雷の鉄鎚クラックダウン・サンダー――

「その攻撃も厄介だな!! 3人のパーティで、それなりに良い感じじゃないか………そういった側から、攻撃してくるなんて血の気が多いなぁ」


 ほんの少し休もうかと、オフグッギは大太刀を肩に乗せるのであるが、それを見た瞬間にローズちゃんが距離を潰して腕を振りまくる。しかし見切られている為、腕を掴まれて腹を蹴り飛ばされるのである。
 イローナちゃんと、ルイちゃんが自然と視線をローズちゃんの方に向ける。その隙にオフグッギは、イローナちゃんとルイちゃんも殴り飛ばした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...