社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

151:南下進軍

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 俺たちが先に進んでいる事を知った、エッタさんたちは市民軍の一員に入って南の要塞に向かった。残念ながら俺たちが向かっている首都とは、少し外れて行ってしまうので距離的には遠くになってしまう。


「どうやって、ミナト様に説明しましょう………」

「ミナトさんなら怒らないと思うわん!! だから素直に言った方が、ミナトさん的には嬉しいと思うわんよ」

「私もカエデに同意にゃ」

「そうだよね……確かにミナト様は、嘘を嫌うと人なので素直に言った方が良いわね」


 エッタさんは俺への説明の仕方を困っていると、珍しくカエデちゃんから助言をした。それにシュナちゃんも賛同して、エッタさんは素直に説明するように決めた。
 そんな話をしていると日が落ち始めて、要塞から少し離れたところで今夜は休むみたいだが、やはり要塞が近い為にドシッとした緊張感が漂っている。


「そんなに要塞の攻略は難しいのかわん?」

「そりゃあそうよ。要塞というのは、防衛に特化した建物なのだからね」

「エッタさんの言う通りにゃ。私たちが住んでる森も自然の要塞って周りからは言われてるにゃ」

「そうなのかわん!?」


 まぁ場所によってピンキリなのは確かだが、その国によって防衛を目的とした軍事施設なのは変わりない。ならばそう簡単には落とされないように作られていて、容易に作戦を立てるわけにもいかない。
 しかし要塞攻撃を行なった際に、要塞から近隣の基地に伝達されて援軍が来るのも警戒しなければいけない。陥せない建物が目の前にある上、外からも挟み込まれたら戦線から離脱するのすらも難しくなる。


「そんな大変なところに、明日は行くわんか!!」

「そうよ。だから2人とも気を抜かずに、徹底的に要塞を陥す事に集中しなきゃダメよ」

「了解したにゃ」

「私も最初から本気で行くわん!!」


 お馬鹿だと周知されているカエデちゃんに、2人は気を抜かないようにと釘を刺しておくが、やはりカエデちゃんの性格的に不安が残ってしまう。そうならばと、エッタさんは最初から本気でやるように言った。
 これはさすがのエッタさんと言ったところで、余計な事を言って混乱させるよりも最初から本気でやれと言った方がシンプルで分かりやすい。


「お3人方。明日の作戦に関しまして、前線なのか後方なのかの希望を聞きに来ました」

「そうですか。私とシュナちゃんに関しては後方の方が良いですかね」

「お2人は後方ですね? それではカエデさんに関しては前線になってしまいますが、それは大丈夫ですか?」

「大丈夫だわん!! 逆に後方に回されてもやれる事なんて、何もないんだわん!!」


 市民軍の兵士が3人に、明日の希望する配置について希望をとりにきてくれた。やはり援護魔法を得意とするエッタさんとシュナちゃんは後方支援で、最前線で戦闘狂のように戦うカエデちゃんが前線になった。
 かなりカエデちゃんがやる気になっているから、これは期待できるのではないかとエッタさんは思っている。カエデちゃんの獣神化は、エッタさんとシュナちゃんが2人がかりで戦っても勝てないかもしれない。それくらいの可能性を秘めているカエデちゃんを、最前線で暴れらる布陣は強いと考えているのである。


「それで2人とも、これは市民軍の人たちには聞かせられない事なんだけど………危険だと思ったら、自分の意思で直ぐに離脱してね」

「それって市民軍の人たちを切り捨てて、私たちだけ逃げろって事かわん?」

「カエデ。そんな言い方をしちゃダメにゃ………エッタさんは、ミナトさんが悲しまないように言ってくれているんだにゃ」


 確かに俺としては市民軍の人たちが何人死のうが、エッタさんたち1人でも死ぬ方が怖い。そんなの当たり前だ、トロッコ問題的なのがあったが、俺からしたら大切な人が1人で多数の方が他人だったら、即答で大勢の方を選ぶくらいにエッタさんたちは重要だ。


「こんな言い方をしたら、周りからの語弊があるかもしれませんが………私たちは、この国の勝手な事情に巻き込まれているの。だから危険だから逃げたって、この国の人たちが文句を言う筋合いなんて無いのよ」

「確かに人を助けるのも大切だけど、ミナトさんを悲しませるのは嫌だわん………」

「そうよ、カエデ。私たちは3人欠ける事なく、ミナトさんたちのところに戻るのにゃ」


 エッタさんの説明に、カエデちゃんも納得して3人の約束は共通認識とする事ができた。少しの不安がありながらもエッタさんたちの要塞攻略が始まる。
 長くも短い夜が明けると、エッタさんたちなら装備を整えてから軽食を支給される。そのまま馬に乗ると市民軍の人たちの合図と共に、エッタさんたちは南の要塞に向かって本格的に進軍を開始した。


「皆の者、これから南の要塞に向かって進軍する!! この作戦が成功すれば、南北の伝達通路の1つを破壊する事ができる!! そうすれば内戦の戦況は、我々の方に傾く事、間違いないのだ!!」

『うぉおおおおお!!!!!!』


 市民軍の隊長らしき人が号令を出した瞬間に、兵士たちは地面が揺れるくらいの雄叫びを上げる。それは馬が驚き本当に、市民軍なのかと思ってしまうくらいの声量で士気の高さを感じられる。


「これだけ士気が高いと、普通の国王軍だと思われてもおかしくは無いわね………」

「こんなに大きな声を聞いたのは初めてわん!!」

「うるさいにゃ………」


 エッタさんは市民軍の統率力に驚くと共に、国王軍が抑えきれないわけだと分かる。それに対してカエデちゃんは興奮して、シュナちゃんは耳を塞いで不快そうな顔で兵士たちを睨んでいる。
 そのまま市民軍は南下していく。普通ならば音を極力立てずに行きたいところではあるが、士気が高い事を逆手にとって自分たちは、ここに居るんだとアピールしながら要塞に向かうのである。
 エッタさんたちの攻略目標である、南の要塞が見えてくると確かに聳え立つ要塞があった。壁の上には大砲なども常備されていて、これは普通の市民には荷が重いのではないかと、エッタさんは少し不安になる。


「本当に大丈夫なの? 私たちのような戦闘に慣れている人間や魔力を使い慣れている人間なら、あの大砲は問題ないけれど………あなた方は違うわよね?」

「問題ありません!! ここにいる人たちは、この場で命を落としても良い………それくらいの覚悟で、ここに来ているので何とかなります!!」


 この話を聞いたところでエッタさんは、明らかな不快な顔を晒してしまう。エッタさんからしたら根性論を聞きたかったのではなく、あの大砲を攻略する方法を聞きたかったからである。
 それに戦争において努力すれば良いなんて、そんなのが生温い考えだと言うのは子供でも分かるはずだ。しかしそれが分からないと言うのが、ここだけではなく市民軍に共通して怖いところだ。


「貴方の考えは分かったわ。それで、この部隊には魔法を使える人は居るのかしら?」

「えぇ中隊くらいに人数でしたら、ここの部隊にも魔法向かいはおります!!」

「それなら大砲を撃ってくる事を想定して、なるべく真ん中ら辺に移動させておきなさい」


 エッタさんが今からでも変えられるところを変えようと、指示を出して動き始めるのである。
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