社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

190:差別の対象

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 俺たちはイローナちゃんとルイちゃんの怪我が、完璧に完治するまでノースカリクッパ王国の城の中で、3日間の休養を取って回復した。その間に市民が、やってきて事の顛末を全て伝えた。


「全て理解しました。王都の人たちが亡くなっているので、こんな事をいうのはアレなんですが………王様が死んだのは、我々からしたら幸いの事です」

「確かに、この国を見て回った限りでは王様が悪いってのは明らかだよなぁ」

「それで貴方がたは、これならどうするんですか?」

「俺たちはブギーマンを追う事にします。そこで1つ頼み事があるんですけど良いすか?」


 市民を代表している男性は、王都で亡くなった市民には悪いがと前置きを言ってから、国王が亡くなった事に関しては良かったと言うのである。俺も国を回ってみた限りでは、確かに国王陛下は腐っていたと思うので市民にとっては良かったのでは無いかと思った。
 全てを話し終わったところで市民の男性は、これからどうするのかと聞いてきた。俺たちはブギーマンを追うからと伝えた後に、男性へエッタさんたちに伝えて欲しい事があると言って伝言を伝えた。


「それをエルフの女性に話せば良いんですね? それくらいでしたら引き受けさせてもらいますよ」

「感謝するよ。仲間と合流したいところだったが、急いでトゥンシム王国に向かわなきゃいけないんでね」

「それはそれはですね。ブギーマンやギルド・ボガードは危険だと知っているとは思いますが、どうかご無事を祈っていますよ」


 俺たちは直ぐに荷物をまともて市民たちに、この城を明け渡して市民の人たちに馬車を手配して貰った。そして俺たちは隣国のトゥンシム王国国境に向かう。


「これから本格的に、ギルド・ボガードと衝突すると思うと気が重いなぁ………」

「そうでござるなぁ。まさか最初に戦った相手が、ただほ幹部だったとは驚きでござる………それにブギーマンの強さも本物だったでござる」

「妾も気づかなかったのが恥ずかしいのぉ」


 俺はギルド・ボガードと本格的に戦いになる事が、決まっているので気が重いと溜息を吐く。それに被せるようにルイちゃんも、ローズちゃんもギルド・ボガードが面倒な奴らだと思っているみたいだ。


「でも、エッタさんに向けてのメッセージも残してあるから心置きなく戦えるんじゃない?」

「確かに心配事が想定していたよりも良い形で解決できたから、その分は心置きなく暴れられるね」

「拙者も今度は負けないでござるよ!!」

「妾も遅れをとるつもりは無いからのぉ」


 イローナちゃんは面倒だと言っている俺たちに、エッタさんの件はノースカリクッパ王国の男性に頼んでいるから心配なく暴れられるだろうと言った。確かにその点においては、心配なくブギーマンたちとは戦える。
 この人数で本格的にブギーマンたちとぶつかる事への心配と、ローズちゃんの心臓を急いで取り戻したいと言う気持ちを抱えている。ローズちゃんの心臓を取り戻したいという気持ちは大きいが、それでもブギーマンに対して手も足も出なかった事が脳裏を過る。
 俺は国境までは距離があると分かっているので、馬車酔いする前に眠りにつく。そしてどれくらいの時間が経ったのだろうかと言うくらいのタイミングで、イローナちゃんが俺の体を揺らして起こしてくれた。


「ん? 何かあったのか………」

「ちょっと国境で困ってる」

「困ってる? それはどういう事?」


 俺は目を覚ましたが寝ぼけていて、何があったのかと頭が動かないでいる。するとイローナちゃんは、ルイちゃんたちが国境でトゥンシム王国の兵士と揉めているのだと説明してくれた。しかし何を言っているのかとイローナちゃんが指さす方を見てみる。
 するとトゥンシム王国の兵士と、ルイちゃんたちが口論しているのが見えた。これは助けなくちゃいけないと思って、馬車から降りるとルイちゃんたちのところに駆け寄ってみる。


「どうしたんだ? 何をそんなに揉めてるんだよ?」

「お前は誰だ? コイツらの連れなのか?」

「え? まぁそうだけど、何かあったのか?」


 俺はルイちゃんに何があったのかと聞いてみると、トゥンシム王国の兵士の方が俺に突っかかってきた。というよりもルイちゃんやローズちゃんは、俺の連れなのかと強い剣幕で聞いてきたのである。あまりにも強い口調だったので、少し押されながらもルイちゃんたちは俺の連れだと答えると少し怒りがおさまったように見える。


「そうか、コイツらは連れなんだな? それじゃあ通っても良いぞ………これからは紛らわしい事をするなよ」

「紛らわしい事ってなんだよ? 一体ルイちゃんたちと何があったんだ?」

「亜人なんて信用できやしないからな。今度から連れてくるなら首輪をして連れてこい」

「何っ!? ルイちゃんたちに首輪をしろだと!!」


 兵士の男はルイちゃんとローズちゃんが、亜人である事に嫌悪感を抱いていたみたいだ。その男はルイちゃんたちに向かって差別的な発言をした為に、俺の眉はピクッとして兵士の男を睨みつける。


「おいっ!! テメェが亜人種に差別的な考えを持っているのは知らねぇが、それを口に出して他人を落とすような事をするんじゃねぇよ」

「は? 何言ってんだよ。亜人種が危険な存在なのは周知の事実だろうが、それでも俺の言った事が間違いだって言いたいのか!!」

「内容は勝手に思っていれば良いんだよ。俺が言ってるのは、それを口に出すんじゃねぇって事だよ!!」


 そう別に他人に対して、この人は嫌いだとか好きになれないだとか、そう考えるのは誰にだってある考えであるのは間違いない。しかしその思っている事を、他人に向けて発信する行為だけは間違っている。
 もちろん間違っている事を発信するのは良い事であるだろうが、今回の事に関しては全くもって良い事では無いのが誰にだって分かるだろう。それを躊躇なく言える男に対して、俺は怒りを覚えたのだろう。
 まぁそれもあるとして、1番大きいところはルイちゃんたちの事を心から愛しているという事だろう。前世の俺ならば好きな人の為に、怖そうな兵士に突っかかるような行為はしなかったはずだ。


「なんだと!! ここから先は、偉大なるトゥンシム王国の領土だ。俺の言う事が納得できないなら、振り返ってノースカリクッパ王国に戻るんだな!!」

「テメェがトゥンシム王国の代表ってわけなのか? お前の言葉で、この国を危険に晒しても良いのか?」

「お前みたいな女を侍らせて、冒険者ぶっている人間に何ができるんだ? あぁん?」


 男は自分がさもトゥンシム王国の代表と言わんばかりに出ていけって言ってくる。俺はその態度にカチンッときて、さらに男に掴み掛かる勢いで顔を近づけて喧嘩を売ってみるのである。
 すると男は、俺の事を女を侍らせているだけの勘違い野郎だと言ってきた。互いに一触即発の状態が続いているのを見て、ローズちゃんは喧嘩が始まったら突撃する準備を整えているのである。


「何をやっているんだ?」


 俺たちが喧嘩を始めようとした時に、兵士の後ろから1人の男がやってくるのである。
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