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Side グラント2
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ミランダが中々昼休みから帰って来ないと思ったら、女性連れ3人にに連れ去られたらしいと聞いて、いても立ってもいられなかった。
すぐに助け出さなくては!
男ばかりを警戒して、まさか女性が彼女に危害を加えるとは思いもしなかった。
執務どころでは無い。ペンを放り出して部屋を飛び出した。
どっちだ?とりあえず食堂棟に向かう。
転移すると万が一付近にいた場合見逃す可能性があるため、走って向かう。
それでも相当早い。
追い越す人々が驚いた様にこちらを見たが、構うものか!一刻を争うのだ。
後から考えば、上級探査を使って彼女の魔力を探れば良かったのだが、あの時は慌てていた。
どうも、彼女のこととなると通常よりも冷静ではいられないらしい。
すぐに見つかって保護したと連絡が入った。
怪我もなく無事だという。
ホッとして膝から崩れ落ちそうになった。
とにかく、戻るか。
それにしても、俺の事務官に危害を加えるとは良い度胸だ。許せん!!ユラリと魔力が溢れそうになった。
戻る途中でアンナ・エメルと会った。
彼女が助け出したらしい。
聞けば、くだらない言いがかりをつけらていたらしく、3人を相手に一歩も引かず、むしろ相手をやり込めていたのだと。
さすがミランダだ。
6年前、上級生の俺に対しても逸らすことなく見返していた印象的な瞳を思い出した。
執務室に戻ると彼女がいた。どこにも怪我をした様子はない。安堵のあまり、つい心の中で読んでるよう、ファーストネームで読んでしまった。
びっくりしてこちらを見つめる青緑の瞳に吸い込まれそうになる。
あ、しまった。驚かせてしまった様だ。
「すまない、焦ってたのでつい。エメル隊員に聞いた。大丈夫だったか?」
「はい。副隊長にまでご心配おかけしてしまって申し訳ありませんでした」
いや、自分の事務官を守れなかった俺が悪い。
彼女が謝る必要など何も無いのだ。
自分の不甲斐なさに腹が立つ。
何があったのだろうか。また嫌な事を思い出させる様で申し訳ないが、話を聞かなくては。
彼女と別室で向かい合って座る。
思ったより距離が近い。自分のデカさが恨めしい。
怖がらせているのでは無いかと気が気でない。
「怖がられてるのはわかっているのだが、詳しく聞いて上に報告しなくは行けないので、どうかしばらく我慢して欲しい」
ところが彼女は目力強めに俺を見返してキッパリと言ったのだ。
「いえ、大丈夫です。副隊長を怖いと思ったことは一度もありません」
そうなのか?俄に喜びが湧き上がってくる。
思わず顔が綻んでしまった。
「それは良かった。では、話を聞こう」
彼女の話は理路整然としており、大変聞きやすかった。
何か訓練している様な。
聞けば、父親が役者で小さい頃から読み合わせの相手をしていたのだとか。
なるほど、彼女は本当に多才だ。それを驕ることもない。
父親のことは人には話していないらしい。ミランダの滅多に人には見せない本音を聞けた様で嬉しかった。
しかし、彼女に不快な思いをさせた者たちは許し難い。
今回はたまたますぐに見つかって事なきを得たが、見つからなかったらどうなっていたのか。
まあ、彼女は魔術師になる様説得されるほどだから、いざとなれば自分で何とか出来るだろうが、だからといって放っておけない。
私の大事な事務官なのだから。
それと、この際、長年心に引っ掛かっていた、図書館のことを聞いてみようと思った。
怖がられていたわけで無いのなら、何故に避けられていたのか・・・何か嫌な思いをさせたのだろうか?
思い切って話して良かった。ミランダは覚えていてくれた。
しかも、避けられていたのではなく、上級生達によって、わざと裏方の仕事に追いやられていたとは!!
あの高等部の図書委員!仕事もろくにしないくせに余計な事を!
そのせいで、ウォルフもクリスも俺も学校の図書館を利用しなくなったのだぞ。
わざわざ遠回りして、王都の国立図書館まで行っていたのだ。
長年のわだかまりが解決できて良かった。
ミランダに怖がられても、嫌われている訳でもなかったと知れた事は大きい。
彼女が戻るというので、自分も一緒に戻ろうと、慌てて彼女に声をかけて立ち上がった。
しかし、タイミングが悪かってらしい。
彼女がバランスを崩し、すぐ支えようとした自分もバランスを崩して壁側に倒れそうになった。
ミランダが壁に激突しそうになったので、咄嗟に彼女を腕の中に引き込み、左手で壁に手をついて事なきを得た。
ふぅぅぅ、びっくりした。
「大丈夫か?」
腕の中で固まってるミランダをそっと伺う。
耳まで真っ赤になってまつ毛を震わせているミランダを見て、心臓を撃ち抜かれたと思った。
ミランダ、その顔は反則だぞ・・・
「ミランダ?」
腕の中から離したくなくなるのを何とか堪えて、そうっと彼女を壁際に立たせ、顔を覗きこんだ。
涙目になって震えている彼女の様子がおかしい。
心配になって更に近づこうとしたら、そのまま彼女はクタリと力が抜けて倒れ込んだので、慌てて抱き止めた。
気を失ってる!?
何たる失態!!誤解がとけたことに浮かれていて、彼女の体調の変化に気が付かないとは!!
すぐにミランダを抱き上げて、救護室に向かう。
「先生!ミランダが、私の事務官が倒れた。すぐに見てほしい」
「ロックス副隊長?あらまあ、大変。すぐにベッドに寝かせて」
オロオロする私とは対照的に常駐している先生は慣れた様子でミランダを診察する。
「鼻血が出てるわ。ちょっとのぼせただけ見たいね。少し寝てれば気がつくと思うわ。心配しないで、業務に戻って下さ
い」
何故かクスクス笑いながら、救護室から出されてしまった。
先生にはミランダが気がついたら連絡をくれる様言ってある。
あぁ~、心配だ。急に倒れるとは。日頃のストレスが相当溜まっているのかも知れない。
今日は帰らせるとして、私が送って行こう。
執務室に戻ると、エメルさんに彼女が体調を崩したので今日は早退させる事を伝えると、すぐに彼女の荷物を袋に詰めて渡してくれた。
さすがロバートの妻だ。言わなくてもわかってくれる。
彼女も私の事務官になってすぐ、ミランダの様に言い掛かりをつけられたらしい。
試しにロバートにミシェルを紹介してみたら、二人はすぐ意気投合し、付き合うようになった。言いがかりもピタリと無くなったという。
だからといって、ミランダを守るために、誰かを紹介するなど到底承服しかねる。
それならいっそ・・・そうだ、いっそ俺がミランダと付き合うというのはどうだろうか。
もちろん、結婚を前提にだ。
真っ赤になったミランダを誰にも見せるつもりは無い。
ミランダは受け入れてくれるだろうか。
すぐに助け出さなくては!
男ばかりを警戒して、まさか女性が彼女に危害を加えるとは思いもしなかった。
執務どころでは無い。ペンを放り出して部屋を飛び出した。
どっちだ?とりあえず食堂棟に向かう。
転移すると万が一付近にいた場合見逃す可能性があるため、走って向かう。
それでも相当早い。
追い越す人々が驚いた様にこちらを見たが、構うものか!一刻を争うのだ。
後から考えば、上級探査を使って彼女の魔力を探れば良かったのだが、あの時は慌てていた。
どうも、彼女のこととなると通常よりも冷静ではいられないらしい。
すぐに見つかって保護したと連絡が入った。
怪我もなく無事だという。
ホッとして膝から崩れ落ちそうになった。
とにかく、戻るか。
それにしても、俺の事務官に危害を加えるとは良い度胸だ。許せん!!ユラリと魔力が溢れそうになった。
戻る途中でアンナ・エメルと会った。
彼女が助け出したらしい。
聞けば、くだらない言いがかりをつけらていたらしく、3人を相手に一歩も引かず、むしろ相手をやり込めていたのだと。
さすがミランダだ。
6年前、上級生の俺に対しても逸らすことなく見返していた印象的な瞳を思い出した。
執務室に戻ると彼女がいた。どこにも怪我をした様子はない。安堵のあまり、つい心の中で読んでるよう、ファーストネームで読んでしまった。
びっくりしてこちらを見つめる青緑の瞳に吸い込まれそうになる。
あ、しまった。驚かせてしまった様だ。
「すまない、焦ってたのでつい。エメル隊員に聞いた。大丈夫だったか?」
「はい。副隊長にまでご心配おかけしてしまって申し訳ありませんでした」
いや、自分の事務官を守れなかった俺が悪い。
彼女が謝る必要など何も無いのだ。
自分の不甲斐なさに腹が立つ。
何があったのだろうか。また嫌な事を思い出させる様で申し訳ないが、話を聞かなくては。
彼女と別室で向かい合って座る。
思ったより距離が近い。自分のデカさが恨めしい。
怖がらせているのでは無いかと気が気でない。
「怖がられてるのはわかっているのだが、詳しく聞いて上に報告しなくは行けないので、どうかしばらく我慢して欲しい」
ところが彼女は目力強めに俺を見返してキッパリと言ったのだ。
「いえ、大丈夫です。副隊長を怖いと思ったことは一度もありません」
そうなのか?俄に喜びが湧き上がってくる。
思わず顔が綻んでしまった。
「それは良かった。では、話を聞こう」
彼女の話は理路整然としており、大変聞きやすかった。
何か訓練している様な。
聞けば、父親が役者で小さい頃から読み合わせの相手をしていたのだとか。
なるほど、彼女は本当に多才だ。それを驕ることもない。
父親のことは人には話していないらしい。ミランダの滅多に人には見せない本音を聞けた様で嬉しかった。
しかし、彼女に不快な思いをさせた者たちは許し難い。
今回はたまたますぐに見つかって事なきを得たが、見つからなかったらどうなっていたのか。
まあ、彼女は魔術師になる様説得されるほどだから、いざとなれば自分で何とか出来るだろうが、だからといって放っておけない。
私の大事な事務官なのだから。
それと、この際、長年心に引っ掛かっていた、図書館のことを聞いてみようと思った。
怖がられていたわけで無いのなら、何故に避けられていたのか・・・何か嫌な思いをさせたのだろうか?
思い切って話して良かった。ミランダは覚えていてくれた。
しかも、避けられていたのではなく、上級生達によって、わざと裏方の仕事に追いやられていたとは!!
あの高等部の図書委員!仕事もろくにしないくせに余計な事を!
そのせいで、ウォルフもクリスも俺も学校の図書館を利用しなくなったのだぞ。
わざわざ遠回りして、王都の国立図書館まで行っていたのだ。
長年のわだかまりが解決できて良かった。
ミランダに怖がられても、嫌われている訳でもなかったと知れた事は大きい。
彼女が戻るというので、自分も一緒に戻ろうと、慌てて彼女に声をかけて立ち上がった。
しかし、タイミングが悪かってらしい。
彼女がバランスを崩し、すぐ支えようとした自分もバランスを崩して壁側に倒れそうになった。
ミランダが壁に激突しそうになったので、咄嗟に彼女を腕の中に引き込み、左手で壁に手をついて事なきを得た。
ふぅぅぅ、びっくりした。
「大丈夫か?」
腕の中で固まってるミランダをそっと伺う。
耳まで真っ赤になってまつ毛を震わせているミランダを見て、心臓を撃ち抜かれたと思った。
ミランダ、その顔は反則だぞ・・・
「ミランダ?」
腕の中から離したくなくなるのを何とか堪えて、そうっと彼女を壁際に立たせ、顔を覗きこんだ。
涙目になって震えている彼女の様子がおかしい。
心配になって更に近づこうとしたら、そのまま彼女はクタリと力が抜けて倒れ込んだので、慌てて抱き止めた。
気を失ってる!?
何たる失態!!誤解がとけたことに浮かれていて、彼女の体調の変化に気が付かないとは!!
すぐにミランダを抱き上げて、救護室に向かう。
「先生!ミランダが、私の事務官が倒れた。すぐに見てほしい」
「ロックス副隊長?あらまあ、大変。すぐにベッドに寝かせて」
オロオロする私とは対照的に常駐している先生は慣れた様子でミランダを診察する。
「鼻血が出てるわ。ちょっとのぼせただけ見たいね。少し寝てれば気がつくと思うわ。心配しないで、業務に戻って下さ
い」
何故かクスクス笑いながら、救護室から出されてしまった。
先生にはミランダが気がついたら連絡をくれる様言ってある。
あぁ~、心配だ。急に倒れるとは。日頃のストレスが相当溜まっているのかも知れない。
今日は帰らせるとして、私が送って行こう。
執務室に戻ると、エメルさんに彼女が体調を崩したので今日は早退させる事を伝えると、すぐに彼女の荷物を袋に詰めて渡してくれた。
さすがロバートの妻だ。言わなくてもわかってくれる。
彼女も私の事務官になってすぐ、ミランダの様に言い掛かりをつけられたらしい。
試しにロバートにミシェルを紹介してみたら、二人はすぐ意気投合し、付き合うようになった。言いがかりもピタリと無くなったという。
だからといって、ミランダを守るために、誰かを紹介するなど到底承服しかねる。
それならいっそ・・・そうだ、いっそ俺がミランダと付き合うというのはどうだろうか。
もちろん、結婚を前提にだ。
真っ赤になったミランダを誰にも見せるつもりは無い。
ミランダは受け入れてくれるだろうか。
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