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知ってたんかいっっ!!
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最後の花火が打ち上がり、今日のイベントは全て終了というアナウンスが西地区のバザールに響いていた。
辺りに人はまばらになって、その頃にはすっかり打ち解けて、仲良くなった感じがする。
少なくとも昼のぎこちなさは無くなったと思う。
花火が上がるたびにクスクス笑いながらキスしようとするグラントさんと、恥ずかしいやら、慣れないやらで何とか回避しようとする私。
あれ、絶対、嫌がる私のこと面白がってたよね。
案外人の事からかうの好きなのか?
それにしてもありのままで良いって楽しいんだな。
今日は父の演技指導のことが全く頭をよぎらなかった。
ありのまま・・・いや、最大級の秘密の趣味があるだろ、私。
筋肉好きで妄想趣味はバレた、速攻。
あとは、BL。これって男の人的にどうなのかな?
あり?なし?あり寄りのなし?人による?
そもそも論外とかならどうしよう。
始まった途端に来た別れの予感に、胸がザワザワする。
「ん?どうした、ミランダ。疲れた?」
「あ、いえ。大丈夫」
趣味の話ってどこまで言うもの?
個人の趣味嗜好、なんでも言えば良いってもんじゃないのかな?
そうだ。ローザもグロリア亭で飲んだ後、シモンさんと付き合うようになったって言ってたな。
ローザは何人かと付き合った事あるし、恋愛事ならお任せだろう。聞いてみるか。
そう思ったら少し心が軽くなった。
明日は仕事だからと今日は早めに送ってくれた。
時刻はまだ夜の8時半を少し回った辺りだったので、私の部屋でお茶を飲みながら話しをしようという事になった。
昨日は酔っ払ってベッドまで運んでくれたらしい。
いやはやお恥ずかしい。
「あ、そうだ。これ、面白かった。一気に読んでしまったよ。続きがあったら貸して欲しい」
差し出されたその本は!?
思わず本棚を振り返る。無いっ!あるはずの私の大事な本が無いっ!
「ど、ど、ど、ど、ど、どうしてそ、その本をグ、グ、グ、グラントさんが?」
あまりのことにガクガクしながら聞いた。
し、知ってたんかいっっっ!!
グラントさんはしれっと答えた。
「昨日、サマンサさんから借りたんだよ。ミランダの好きな本で、この中のマクシミリアンが俺に似てるからって。ミランダが一番好きなキャラクターなんだろ?」
昨日の今日でもう読んだの?
あれ?でも、面白かったって。
持ち直して、思わず聞いてみる。
「マクシミリアンは確かに一番好きなキャラだけれども。え?面白かったの?」
「ここまでぶっ飛んでるともうファンタジーというか、ギャグだな。モデルが俺たちってことで、更にあり得なさすぎて爆笑だったよ。この話書いたマリモリ先生は、俺と同学年か後輩だと思う」
「やっぱり!そうだよね。マクシミリアンはグラントさんだし、アンドレはウォルフさんで、エトワールはクリストファーさんだよね。赤毛の俺様王子は?」
「それはビルだな。俺たちより更に2年上のバルバスの第一王子だ。仲良いいんだよ。今は冒険者やってる」
「その人まで実在してたんだ」
「俺たちと同級生にビルの弟で現在バルバス王太子のユージーン殿下がいて、ミランダの一つ上にはジークフリード殿下がいただろ」
「そうなんだけど、学年違うと接触ないよ」
そうなのだ。いるっていうのは聞いた事あるけど、さすがに王太子にむやみやたらとワァーキャァー言えないよな。
「こういう本好きな女なんて、嫌じゃない?」
「小説としてはよく出来てて、面白かったよ。絵面想像したら笑えたけど。全然嫌じゃないよ。ミランダの事は昨日と今日で益々好きになった」
どギュンッ!と心を撃ち抜かれた。
なんて懐の深い!!
うぅ~、一人で悩んでしまうところだった。
ちゃんと話してみれば、こうやって解決できるものなんだ。
そう思ったら、ぐわぁぁぁって気持ちが高まって、思わず抱きついてしまった。
「私も!私もね昨日と今日で益々大好きになった」
「マクシミリアンよりも?」
「マクシミリアンよりも!もぅ、すぐからかうんだから」
「例えモデルが俺でも、俺以外好きって言われたら面白くない」
ちょっと拗ねたようにこちらを見下ろすグラントさんに、いい事を思いついた。
ようし、たまには私もやったれ!
肩に手を置き、グラントさんの耳元に口を寄せる。
「誰よりも、世界で一番大好き。グラント」
「!!!」
不意打ちだったからか、一気に真っ赤になってこちらを見た。
思わずニンマリする。やった!大成功!!
すると、ギュウ~っと私を抱きしめて、顔中にキスして来た。
ええっ!グラント効果凄すぎた!!
「ミランダ!やっぱり待てない!すぐ結婚だ!」
あごをクイとされる。
こ、これがあごクイ。噂のあごクイですな。
間近にあるブルーグレーの瞳に覗き込まれ、引き込まれそうになった。
「返事は?」
最大の難関をクリア出来たのだ。
私に断る理由などあるはずが無い。もちろん大賛成だ。
「はい。結婚します」
これ以上ないってくらい、優しい、良い笑顔でそのままキスされた。
とっくにマクシミリアン、どっかにすっ飛んでったよ。
目の前のグラントの方がずっとずっとずーっと良いもんね。
ソファに並んでお茶を飲んでいた。
「あ、そうだ。ミランダ、『ツンデレ』って何?」
いきなりそれ!?聞きたいことがあるって言うから何かと思ったら。
「えーっとね。普段はツンツンしてて、素っ気ないのに、たまに甘えてくること。甘える事を『デレる』って言うんだよ。それで、『ツンデレ』」
「へぇ~。そういう事か。クリストファーがツンデレって書いてあったから、何のことかと思った」
お!今がチャンス。色々聞いちゃおう。
「あのさ、ちなみになんだけど、クリストファーさんのこと、そういう目で見た事ないよね?」
「無いよ。あるわけない。あいつ、見た目より凄い男っぽいんだぞ。今なんか180cm超えてるしな。それをいうなら、ウォルフとビルはもっとあり得ない。ウォルフが知ったらブチ切れると思う」
「そ、そんなに?」
「ああ。騎士団だって、あんなにキラキラした綺麗な世界じゃ無いしな。遠征なんか、クサイ、汚い、キツイの3Kだぞ、3K。地獄だ。愛だの恋だの言ってる場合じゃないんだよ」
へぇ~、そういうもんか。やっぱりファンタジーなんだな。
「続刊あれば借りたい。あ、そうだ。俺ってあんな風に見えるのか?」
あんな風?マクシミリアンってこと?
「そのものだよ。よく見てるなって思うくらい」
「そうか?あんなキザな事言った事ないけど」
「イメージだよ、イメージ。こんな事言われたいっていう乙女の願望もあるかも」
「この『薔薇の花びらのような唇も何もかも私の物だ』とか?」
ちょっと、いきなり本物がマクシミリアンの台詞言う?
ヤバイ、リアルマクシミリアンに鼻血出そうだ。
真っ赤になって唖然としてる私にクスクス笑ってギュっとしてくる。
「こんな可愛いミランダ見れるなら、たまにマクシミリアンになっても良いな」
ギャー!!ぜひ、お願いします!!一生私専用で!!!
辺りに人はまばらになって、その頃にはすっかり打ち解けて、仲良くなった感じがする。
少なくとも昼のぎこちなさは無くなったと思う。
花火が上がるたびにクスクス笑いながらキスしようとするグラントさんと、恥ずかしいやら、慣れないやらで何とか回避しようとする私。
あれ、絶対、嫌がる私のこと面白がってたよね。
案外人の事からかうの好きなのか?
それにしてもありのままで良いって楽しいんだな。
今日は父の演技指導のことが全く頭をよぎらなかった。
ありのまま・・・いや、最大級の秘密の趣味があるだろ、私。
筋肉好きで妄想趣味はバレた、速攻。
あとは、BL。これって男の人的にどうなのかな?
あり?なし?あり寄りのなし?人による?
そもそも論外とかならどうしよう。
始まった途端に来た別れの予感に、胸がザワザワする。
「ん?どうした、ミランダ。疲れた?」
「あ、いえ。大丈夫」
趣味の話ってどこまで言うもの?
個人の趣味嗜好、なんでも言えば良いってもんじゃないのかな?
そうだ。ローザもグロリア亭で飲んだ後、シモンさんと付き合うようになったって言ってたな。
ローザは何人かと付き合った事あるし、恋愛事ならお任せだろう。聞いてみるか。
そう思ったら少し心が軽くなった。
明日は仕事だからと今日は早めに送ってくれた。
時刻はまだ夜の8時半を少し回った辺りだったので、私の部屋でお茶を飲みながら話しをしようという事になった。
昨日は酔っ払ってベッドまで運んでくれたらしい。
いやはやお恥ずかしい。
「あ、そうだ。これ、面白かった。一気に読んでしまったよ。続きがあったら貸して欲しい」
差し出されたその本は!?
思わず本棚を振り返る。無いっ!あるはずの私の大事な本が無いっ!
「ど、ど、ど、ど、ど、どうしてそ、その本をグ、グ、グ、グラントさんが?」
あまりのことにガクガクしながら聞いた。
し、知ってたんかいっっっ!!
グラントさんはしれっと答えた。
「昨日、サマンサさんから借りたんだよ。ミランダの好きな本で、この中のマクシミリアンが俺に似てるからって。ミランダが一番好きなキャラクターなんだろ?」
昨日の今日でもう読んだの?
あれ?でも、面白かったって。
持ち直して、思わず聞いてみる。
「マクシミリアンは確かに一番好きなキャラだけれども。え?面白かったの?」
「ここまでぶっ飛んでるともうファンタジーというか、ギャグだな。モデルが俺たちってことで、更にあり得なさすぎて爆笑だったよ。この話書いたマリモリ先生は、俺と同学年か後輩だと思う」
「やっぱり!そうだよね。マクシミリアンはグラントさんだし、アンドレはウォルフさんで、エトワールはクリストファーさんだよね。赤毛の俺様王子は?」
「それはビルだな。俺たちより更に2年上のバルバスの第一王子だ。仲良いいんだよ。今は冒険者やってる」
「その人まで実在してたんだ」
「俺たちと同級生にビルの弟で現在バルバス王太子のユージーン殿下がいて、ミランダの一つ上にはジークフリード殿下がいただろ」
「そうなんだけど、学年違うと接触ないよ」
そうなのだ。いるっていうのは聞いた事あるけど、さすがに王太子にむやみやたらとワァーキャァー言えないよな。
「こういう本好きな女なんて、嫌じゃない?」
「小説としてはよく出来てて、面白かったよ。絵面想像したら笑えたけど。全然嫌じゃないよ。ミランダの事は昨日と今日で益々好きになった」
どギュンッ!と心を撃ち抜かれた。
なんて懐の深い!!
うぅ~、一人で悩んでしまうところだった。
ちゃんと話してみれば、こうやって解決できるものなんだ。
そう思ったら、ぐわぁぁぁって気持ちが高まって、思わず抱きついてしまった。
「私も!私もね昨日と今日で益々大好きになった」
「マクシミリアンよりも?」
「マクシミリアンよりも!もぅ、すぐからかうんだから」
「例えモデルが俺でも、俺以外好きって言われたら面白くない」
ちょっと拗ねたようにこちらを見下ろすグラントさんに、いい事を思いついた。
ようし、たまには私もやったれ!
肩に手を置き、グラントさんの耳元に口を寄せる。
「誰よりも、世界で一番大好き。グラント」
「!!!」
不意打ちだったからか、一気に真っ赤になってこちらを見た。
思わずニンマリする。やった!大成功!!
すると、ギュウ~っと私を抱きしめて、顔中にキスして来た。
ええっ!グラント効果凄すぎた!!
「ミランダ!やっぱり待てない!すぐ結婚だ!」
あごをクイとされる。
こ、これがあごクイ。噂のあごクイですな。
間近にあるブルーグレーの瞳に覗き込まれ、引き込まれそうになった。
「返事は?」
最大の難関をクリア出来たのだ。
私に断る理由などあるはずが無い。もちろん大賛成だ。
「はい。結婚します」
これ以上ないってくらい、優しい、良い笑顔でそのままキスされた。
とっくにマクシミリアン、どっかにすっ飛んでったよ。
目の前のグラントの方がずっとずっとずーっと良いもんね。
ソファに並んでお茶を飲んでいた。
「あ、そうだ。ミランダ、『ツンデレ』って何?」
いきなりそれ!?聞きたいことがあるって言うから何かと思ったら。
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「へぇ~。そういう事か。クリストファーがツンデレって書いてあったから、何のことかと思った」
お!今がチャンス。色々聞いちゃおう。
「あのさ、ちなみになんだけど、クリストファーさんのこと、そういう目で見た事ないよね?」
「無いよ。あるわけない。あいつ、見た目より凄い男っぽいんだぞ。今なんか180cm超えてるしな。それをいうなら、ウォルフとビルはもっとあり得ない。ウォルフが知ったらブチ切れると思う」
「そ、そんなに?」
「ああ。騎士団だって、あんなにキラキラした綺麗な世界じゃ無いしな。遠征なんか、クサイ、汚い、キツイの3Kだぞ、3K。地獄だ。愛だの恋だの言ってる場合じゃないんだよ」
へぇ~、そういうもんか。やっぱりファンタジーなんだな。
「続刊あれば借りたい。あ、そうだ。俺ってあんな風に見えるのか?」
あんな風?マクシミリアンってこと?
「そのものだよ。よく見てるなって思うくらい」
「そうか?あんなキザな事言った事ないけど」
「イメージだよ、イメージ。こんな事言われたいっていう乙女の願望もあるかも」
「この『薔薇の花びらのような唇も何もかも私の物だ』とか?」
ちょっと、いきなり本物がマクシミリアンの台詞言う?
ヤバイ、リアルマクシミリアンに鼻血出そうだ。
真っ赤になって唖然としてる私にクスクス笑ってギュっとしてくる。
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ギャー!!ぜひ、お願いします!!一生私専用で!!!
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