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【番外編】マリモリ先生の受難2
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私の書いた『青薔薇の騎士団』が、何と特別賞をもらい、書籍化することが決まった。
私がまだ魔術学校高等部で未成年であるため、年齢、性別一才不明の作家としてデビューする事になった。
しかも、担当さんから、この騎士団はシリーズ化する事が決定したと、またも嬉しいことを言われた。
何しろ、目の前にモデルがいるのだ。
彼らを見ていればアイデアはどんどん浮かんでくる。
しかも彼らは揃いも揃って主人公級に個性もあるのだ。
何と有難い!!
主人公も話ごとに変えて、バリエーションも豊富にした。
***
無事、小説も発売され、青薔薇騎士団は世の乙女たちの心をとらえたようで、BL小説としては珍しくランキング上位に上がる売れ行きになり、シリーズは高評価で私はBL作家の「マリモリ」として、認知されていた。
もちろん、学業があるからそちらを優先させてもらっているのでペースとしてはゆっくりだったけど、私はおっとりしてるから丁度良かった。
そんなある日、初めての授業参観があった。
年に一度、子供たちの学校生活を親御さんたちが見にくる日があるのだという。
うちは父は領地があるから、母が見に来てくれる。
隔週で帰るようにはしたので、久しぶりというほどではないけど、わざわざ王都まで見に来てくれるのはやっぱり嬉しい。
うちのクラスはグラントくん、クリストファーくん、ウォルフくんと有名人3人が揃っているので、この3人の親御さんたちを生で拝見出来る機会は中々なくて、ちょっとドキドキしていた。
グラントくんのお父さんは第二隊隊長だけあって、背が高くて逞しくて、The男!って感じでめちゃくちゃカッコイイ!
テレビでは何度か見た事あったけど、生ロベルトさんは迫力も凄かった。
ウォルフくんのお父さんもスラリとして、上品なイケメン紳士という感じだったけど、物凄く切れ物の雰囲気はあった。さすが!
そして、一番びっくりしたのがクリストファーくんのお父さんのレオナルドさん。
浄化師って普段あまり見かける事は無かったんだけど、存在感が凄かった。
腰まである銀髪といい、深い紫の瞳といい、圧倒されるくらい美しくって、神様みたいだった。生きてる人かな?っていうくらい。
隣には金髪の物凄い美女がいて、この人はきっとお母さんだよね。クリストファーくんに似てるし、レオナルドさんと腕を組んですっごい仲良さそうだ。
素敵なご夫婦だな~と思った。
本当に世の中凄い人がいるもんだよね。
それにしても、レオナルドさんは凄い。この人でも何かいい話が浮かびそう。
***
私の学生生活も作家生活も順調そのもので、シリーズ化した青薔薇騎士団と新たに『僕のおじさま』というシリーズも書いている。
気がつけば、高等部3年生になっていた。
あまり人の来ない古びた温室の一角にちょっとした自分の用の書斎を作っていた。
といっても、放置されていた机と椅子を使えるように綺麗にしただけなんだけどね。
部活は入ってないし、すぐに寮に戻るのもなぁって時には、お茶買って、ここで小説を書いていたりする。
そして今日もまたいつものように、柔らかな日の入る明るい温室で夢中になって書いていた。
「何してるの?」
不意に声が聞こえた。
「ヒッ!!!」
物凄い近くで声がして、ビックリして思いっきりのけぞってしまったため、書きかけの小説をあちこちにばら撒いてしまった。
「ごめんね。びっくりさせちゃった?何度か声かけたんだけど」
「お、お、お、王太子殿下!!何故ここに?」
見るとジークフリード殿下だった。
毛先に緩いウェーブのある銅色の髪、王家の瑠璃色の瞳。
繊細に整った美貌。
間違いない、王太子殿下だ。
なんで護衛もつけずに一人でいるのだろう。
「んー?何でかって?よくここに気晴らしに来るからだよ。君は?」
言われてハッとなった。しまった、ビックリしすぎて不敬な態度を取ってしまった!
慌てて立ち上がって、スカートをつまみ、軽く膝を曲げて頭を下げて自己紹介をした。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私は高等部3年のエマリア・モリーシュです」
「3年生・・・じゃあ、先輩じゃないですか。モリーシュっていうと、あの公爵領のお嬢さんかな?」
「は、はい!そうです。ハロルド・モリーシュの娘です」
思わず、ピンッと背筋を伸ばして答えた。
柔らかい声なんだけど、背筋を伸ばさずにはいられない不思議な声音だ。
殿下はそんな私を見ると、クスクスと笑った。
「後輩にそんなに気を使わないで下さい。モリーシュ先輩」
「いえいえ、畏れ多い。敬語など使わないで下さい」
確か、今年入学で高等部1年生のはず。
私より遥かに背が高くて、大人っぽい。
銅色の髪の毛が夕日に当たってキラキラして凄く綺麗だった。
足元に散らばった紙をついと拾い上げ、何気なく目を通している。
ん?目を通している!?
あわわわわわわっっっっっ!!!み、み、み見られてる!殿下に!よりによってBL小説をっっ!!
奪い返したいのはやまやまなれど、そんな無礼な真似は出来ず、ただただ、あわあわするしか出来なかった。
殿下の口元はニンマリと笑みをこぼして、ゆっくりとこちらを見た。
「先輩って中々大胆なお話を書くんですね。見かけによらず」
「も、申し訳・・・」
死んだ。もう死んだ。恥ずか死んだ。
涙が滲んできて、よく見えない。
何とも言えず、ただ俯いてやり過ごすしかなかった。
「はい」
え?いつのまにか、散らばった紙を拾い集めてくれていたらしい。
何が起こったかよくわからず、目の前に差し出された紙をただぼんやりと見つめることしか出来なかった。
王太子は私の右手をそっと持ち上げると手の平を上に向けて紙の束を置いてくれた。
「大事な原稿なんでしょう?無くしたらダメだよ。ちゃんと持って」
「はい・・・拾っていただき、ありがとう、ございます」
ようやくつっかえつっかえ、お礼を言った。
「じゃあ、またね。マリモリ先生」
「!!!」
耳元でそう言われて、思わず衝撃で顔を上げてしまった。
殿下はクスッと笑うと、原稿を指差し、書いてある、と声には出さずにそう言うと、スルリと温室から出て行った。
私はそのまま原稿を抱え込むと、ペタンと地面にへたり込んだ。
はぁぁぁ、びっくりした。
何で王太子がここにいたんだろう。よく気晴らしに来るって言ってたけど、一度も会ったことはない。
たまたま被らなかっただけなんだろうけど、それよりも、私がBL小説を書いているのを知られてしまった!!
どうしよう・・・どうしようも無いけど・・・
何となく、殿下は広めたりしない人だろうと思った。
考えてみたら、変な人が変な話を書いている、くらいにしか思わないだろう。
忙しい人だし、私の事などすぐに忘れてくれるはず。
そう思っていた。
私がまだ魔術学校高等部で未成年であるため、年齢、性別一才不明の作家としてデビューする事になった。
しかも、担当さんから、この騎士団はシリーズ化する事が決定したと、またも嬉しいことを言われた。
何しろ、目の前にモデルがいるのだ。
彼らを見ていればアイデアはどんどん浮かんでくる。
しかも彼らは揃いも揃って主人公級に個性もあるのだ。
何と有難い!!
主人公も話ごとに変えて、バリエーションも豊富にした。
***
無事、小説も発売され、青薔薇騎士団は世の乙女たちの心をとらえたようで、BL小説としては珍しくランキング上位に上がる売れ行きになり、シリーズは高評価で私はBL作家の「マリモリ」として、認知されていた。
もちろん、学業があるからそちらを優先させてもらっているのでペースとしてはゆっくりだったけど、私はおっとりしてるから丁度良かった。
そんなある日、初めての授業参観があった。
年に一度、子供たちの学校生活を親御さんたちが見にくる日があるのだという。
うちは父は領地があるから、母が見に来てくれる。
隔週で帰るようにはしたので、久しぶりというほどではないけど、わざわざ王都まで見に来てくれるのはやっぱり嬉しい。
うちのクラスはグラントくん、クリストファーくん、ウォルフくんと有名人3人が揃っているので、この3人の親御さんたちを生で拝見出来る機会は中々なくて、ちょっとドキドキしていた。
グラントくんのお父さんは第二隊隊長だけあって、背が高くて逞しくて、The男!って感じでめちゃくちゃカッコイイ!
テレビでは何度か見た事あったけど、生ロベルトさんは迫力も凄かった。
ウォルフくんのお父さんもスラリとして、上品なイケメン紳士という感じだったけど、物凄く切れ物の雰囲気はあった。さすが!
そして、一番びっくりしたのがクリストファーくんのお父さんのレオナルドさん。
浄化師って普段あまり見かける事は無かったんだけど、存在感が凄かった。
腰まである銀髪といい、深い紫の瞳といい、圧倒されるくらい美しくって、神様みたいだった。生きてる人かな?っていうくらい。
隣には金髪の物凄い美女がいて、この人はきっとお母さんだよね。クリストファーくんに似てるし、レオナルドさんと腕を組んですっごい仲良さそうだ。
素敵なご夫婦だな~と思った。
本当に世の中凄い人がいるもんだよね。
それにしても、レオナルドさんは凄い。この人でも何かいい話が浮かびそう。
***
私の学生生活も作家生活も順調そのもので、シリーズ化した青薔薇騎士団と新たに『僕のおじさま』というシリーズも書いている。
気がつけば、高等部3年生になっていた。
あまり人の来ない古びた温室の一角にちょっとした自分の用の書斎を作っていた。
といっても、放置されていた机と椅子を使えるように綺麗にしただけなんだけどね。
部活は入ってないし、すぐに寮に戻るのもなぁって時には、お茶買って、ここで小説を書いていたりする。
そして今日もまたいつものように、柔らかな日の入る明るい温室で夢中になって書いていた。
「何してるの?」
不意に声が聞こえた。
「ヒッ!!!」
物凄い近くで声がして、ビックリして思いっきりのけぞってしまったため、書きかけの小説をあちこちにばら撒いてしまった。
「ごめんね。びっくりさせちゃった?何度か声かけたんだけど」
「お、お、お、王太子殿下!!何故ここに?」
見るとジークフリード殿下だった。
毛先に緩いウェーブのある銅色の髪、王家の瑠璃色の瞳。
繊細に整った美貌。
間違いない、王太子殿下だ。
なんで護衛もつけずに一人でいるのだろう。
「んー?何でかって?よくここに気晴らしに来るからだよ。君は?」
言われてハッとなった。しまった、ビックリしすぎて不敬な態度を取ってしまった!
慌てて立ち上がって、スカートをつまみ、軽く膝を曲げて頭を下げて自己紹介をした。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私は高等部3年のエマリア・モリーシュです」
「3年生・・・じゃあ、先輩じゃないですか。モリーシュっていうと、あの公爵領のお嬢さんかな?」
「は、はい!そうです。ハロルド・モリーシュの娘です」
思わず、ピンッと背筋を伸ばして答えた。
柔らかい声なんだけど、背筋を伸ばさずにはいられない不思議な声音だ。
殿下はそんな私を見ると、クスクスと笑った。
「後輩にそんなに気を使わないで下さい。モリーシュ先輩」
「いえいえ、畏れ多い。敬語など使わないで下さい」
確か、今年入学で高等部1年生のはず。
私より遥かに背が高くて、大人っぽい。
銅色の髪の毛が夕日に当たってキラキラして凄く綺麗だった。
足元に散らばった紙をついと拾い上げ、何気なく目を通している。
ん?目を通している!?
あわわわわわわっっっっっ!!!み、み、み見られてる!殿下に!よりによってBL小説をっっ!!
奪い返したいのはやまやまなれど、そんな無礼な真似は出来ず、ただただ、あわあわするしか出来なかった。
殿下の口元はニンマリと笑みをこぼして、ゆっくりとこちらを見た。
「先輩って中々大胆なお話を書くんですね。見かけによらず」
「も、申し訳・・・」
死んだ。もう死んだ。恥ずか死んだ。
涙が滲んできて、よく見えない。
何とも言えず、ただ俯いてやり過ごすしかなかった。
「はい」
え?いつのまにか、散らばった紙を拾い集めてくれていたらしい。
何が起こったかよくわからず、目の前に差し出された紙をただぼんやりと見つめることしか出来なかった。
王太子は私の右手をそっと持ち上げると手の平を上に向けて紙の束を置いてくれた。
「大事な原稿なんでしょう?無くしたらダメだよ。ちゃんと持って」
「はい・・・拾っていただき、ありがとう、ございます」
ようやくつっかえつっかえ、お礼を言った。
「じゃあ、またね。マリモリ先生」
「!!!」
耳元でそう言われて、思わず衝撃で顔を上げてしまった。
殿下はクスッと笑うと、原稿を指差し、書いてある、と声には出さずにそう言うと、スルリと温室から出て行った。
私はそのまま原稿を抱え込むと、ペタンと地面にへたり込んだ。
はぁぁぁ、びっくりした。
何で王太子がここにいたんだろう。よく気晴らしに来るって言ってたけど、一度も会ったことはない。
たまたま被らなかっただけなんだろうけど、それよりも、私がBL小説を書いているのを知られてしまった!!
どうしよう・・・どうしようも無いけど・・・
何となく、殿下は広めたりしない人だろうと思った。
考えてみたら、変な人が変な話を書いている、くらいにしか思わないだろう。
忙しい人だし、私の事などすぐに忘れてくれるはず。
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