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たまには役に立ちたい
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~アシュレイ~
横に座ったシェリルを見る。
強引に畳み掛けた感は否めないが、何とかシェリルから了承をもぎ取った。
よし、言質は取ったからな。
そうと決まれば、指輪を用意しないとな。
クリストファーに連絡しておこう。
あと、家族にも紹介しないとな。
兄貴夫婦には先に言っておくかな。シェリルは義姉さんの妹だしな。
「シェリル。兄貴と義姉には先に報告しとく?」
「え?あぁ、そうですね」
いまだ赤い顔して少し呆然としてる。
さっきから、酒ばかりぐびぐび飲んでるから、お水もらうか。
あれ?というか、シェリルの様子がおかしい。
目が座ってるぞ・・・もう酔ったのか?珍しいこともあるもんだ。
「シェリ・・・」
声をかけようとした途端に、襟元をグイと引き寄せられた。
凄い力だ。
「大体ねぇ~、急なんですよ。こっちの身にもなって下さいよ。いきなり嫁とか言われて、ドキドキしてアシュレイさんのこと見れないじゃないれすか!!」
え?そうなの?何か様子おかしいと思ったら、俺にドキドキしてたの?
ヤバイ、嬉しい・・・思わずニヤけてしまう。
「もう~、そうやって笑うのは反則なんれすよ。もう少し顔が良いの自覚してくらさい。そんなだから、研究所の皆さんに惚れられるんですよ、わかりましたかぁ?」
ガクガクと揺さぶられる。
おいぃ。嫌な事思い出させるなよ。
「わかった、わかった。これからは気をつける。シェリルにしか笑いかけないから。離してくれ」
こちらをじぃぃぃと見つめるシェリルと目が合う。
酔ってるシェリルはいつもより素直で可愛いな。力は強いけど。
「本当に?」
「本当に」
コクリと頷くとやっと離してくれた。
ふぅ。首がもげるかと思った。
「そろそろ帰るか?送るぞ」
「嫌れす」
「え?」
「もっと飲みます!お祝いれすよ、お祝い」
「わかった、わかったから。遅いから家に連絡するぞ」
通信機を貸せと言うと素直に俺に渡す。
シェリルの母ってサマンサさんだよな。
王国調査局、泣く子も黙る鬼の局長。
とりあえず連絡しとこう。
すぐにサマンサさんが出た。
『はい、デパルです。シェリル?』
「お久しぶりです。アシュレイ・ロックスです」
『あら、アシュレイさん。お久しぶり。この通信機からかけてるって事はシェリルと一緒?』
「はい、そうです。遅くなって申し訳ありません」
『アシュレイさんと一緒なら全然良いのよ。気にしないで』
「もう少ししたら送りますので心配しないで下さい」
『遅いから私はもう寝る事にするから。今日は送らなくて良いわ~』
「え?」
『明日で良いわ。シェリルをよろしく』
「あの・・・」
そう言うとガチャリと切れた。
え?サマンサさん?一応親戚だし、信用してるのか?
俺だからお許しが出たのか?どっちだ?
結婚することに決まったのはさっきだし。
だとすると、親戚って事なんだろうな。
う~ん、これで結婚しますって言ったら反対されないだろうか・・・?
まあ、そうなっても説得するけどな。
時間はもうすぐ夜の10時になるところ。
後1時間で閉店だし、シェリルはあの様子だし、家に行くか。
「シェリル、家で飲み直そうか」
「あい!了解です」
ビシっと敬礼しながら、上半身はフラフラしている。
よし、サマンサさんからのお許しが出たし、行くか。
~サマンサ~
アシュレイさんから、シェリルの通信機で連絡があった。
やるじゃない、うちの娘たち。
極上の男を二人も捕まえたわ!
シェリルがアシュレイさんの護衛をすると聞いて、期待してたけど。
まさか、本当に上手く行くとは思わなかったわぁ。
アシュレイ・ロックス。
ロックス家の次男にして若くして魔術研究所の研究開発室の室長。
シェリルは第一隊の魔術騎士になったけど、魔術の腕はイマイチなのよね~。
でも小さい頃から訓練してたから、護衛としての腕は良い。
腕っ節は強いから、同じ騎士からはゴリラ扱いされるし、正直出会いは期待してなかったのよ。
そ・れ・が。今回の魔術師襲撃事件で普通ならお近づきになる事なんてないアシュレイさんの護衛になって、結構仲良くなってるって聞いてたのよ。
まぁ、アイツのお陰なのはわかってるのよね。
やるじゃない、モーリス。グッジョブだわ。
あれは襲撃事件と同時期、私のところにに急に来たのよね、モーリスが・・・
***
「サマンサ、骨休めにネハーコに行くんだけど」
「あ、そう。行ってらっしゃい」
この男は、小学校から特化まで、ずーっと一緒の腐れ縁だ。
護衛も連れずたまに隠密の能力を使ってフラフラとあちこちに出没する。
「もう、相変わらず冷たいんだから。でね、魔術師が襲われた事件があって魔術研究所の護衛に第一隊が着くでしょ。僕の方にも護衛を連れて行くから、魔術師の方にそんなに人員を割けないの」
「それなら、ネハーコに行かなきゃいいでしょ」
「やだよ。それにね、所長のライオネル君と室長のアシュレイ君には特別に護衛が着くからさ。アシュレイ君の護衛にはシェリル君を推薦しておくよ。あの子は実力はトップクラスだろ」
何ですって!!!独身男性、人気実力共にNo. 1のアシュレイさんの護衛?シェリルが!!
「行ってらっしゃい。帰ってくなくても良いわよ。レオナルドさんによろしく」
思わずニッコリ笑って言ってやった。
モーリスはニヤリと笑って言った。
「サマンサ、僕もたまにはね、若い子の役に立ちたいのよ」
***
ま、アイツはね、予知があるからと言って、必ずしもその通りになるとは限らないとは言ってたけど、本当にアシュレイさんとシェリルが上手く行くとは思わなかったわ。
たまに親戚の集まりで会うことはあっても、話をしてるの見たことなかったし。
てっきりあの子はアシュレイさんのことは苦手なんだと思ってた。
ロックス家の長男、次男とも義理の息子だなんて最高じゃない。
「サマンサ、何かご機嫌だね」
「もうすぐ良い事があるからよ、ヴィクトル」
「良い事?」
うふふと笑って、「さあ、もう寝ないと美容に悪いわ」と首を傾げる夫を連れて寝室に向かった。
横に座ったシェリルを見る。
強引に畳み掛けた感は否めないが、何とかシェリルから了承をもぎ取った。
よし、言質は取ったからな。
そうと決まれば、指輪を用意しないとな。
クリストファーに連絡しておこう。
あと、家族にも紹介しないとな。
兄貴夫婦には先に言っておくかな。シェリルは義姉さんの妹だしな。
「シェリル。兄貴と義姉には先に報告しとく?」
「え?あぁ、そうですね」
いまだ赤い顔して少し呆然としてる。
さっきから、酒ばかりぐびぐび飲んでるから、お水もらうか。
あれ?というか、シェリルの様子がおかしい。
目が座ってるぞ・・・もう酔ったのか?珍しいこともあるもんだ。
「シェリ・・・」
声をかけようとした途端に、襟元をグイと引き寄せられた。
凄い力だ。
「大体ねぇ~、急なんですよ。こっちの身にもなって下さいよ。いきなり嫁とか言われて、ドキドキしてアシュレイさんのこと見れないじゃないれすか!!」
え?そうなの?何か様子おかしいと思ったら、俺にドキドキしてたの?
ヤバイ、嬉しい・・・思わずニヤけてしまう。
「もう~、そうやって笑うのは反則なんれすよ。もう少し顔が良いの自覚してくらさい。そんなだから、研究所の皆さんに惚れられるんですよ、わかりましたかぁ?」
ガクガクと揺さぶられる。
おいぃ。嫌な事思い出させるなよ。
「わかった、わかった。これからは気をつける。シェリルにしか笑いかけないから。離してくれ」
こちらをじぃぃぃと見つめるシェリルと目が合う。
酔ってるシェリルはいつもより素直で可愛いな。力は強いけど。
「本当に?」
「本当に」
コクリと頷くとやっと離してくれた。
ふぅ。首がもげるかと思った。
「そろそろ帰るか?送るぞ」
「嫌れす」
「え?」
「もっと飲みます!お祝いれすよ、お祝い」
「わかった、わかったから。遅いから家に連絡するぞ」
通信機を貸せと言うと素直に俺に渡す。
シェリルの母ってサマンサさんだよな。
王国調査局、泣く子も黙る鬼の局長。
とりあえず連絡しとこう。
すぐにサマンサさんが出た。
『はい、デパルです。シェリル?』
「お久しぶりです。アシュレイ・ロックスです」
『あら、アシュレイさん。お久しぶり。この通信機からかけてるって事はシェリルと一緒?』
「はい、そうです。遅くなって申し訳ありません」
『アシュレイさんと一緒なら全然良いのよ。気にしないで』
「もう少ししたら送りますので心配しないで下さい」
『遅いから私はもう寝る事にするから。今日は送らなくて良いわ~』
「え?」
『明日で良いわ。シェリルをよろしく』
「あの・・・」
そう言うとガチャリと切れた。
え?サマンサさん?一応親戚だし、信用してるのか?
俺だからお許しが出たのか?どっちだ?
結婚することに決まったのはさっきだし。
だとすると、親戚って事なんだろうな。
う~ん、これで結婚しますって言ったら反対されないだろうか・・・?
まあ、そうなっても説得するけどな。
時間はもうすぐ夜の10時になるところ。
後1時間で閉店だし、シェリルはあの様子だし、家に行くか。
「シェリル、家で飲み直そうか」
「あい!了解です」
ビシっと敬礼しながら、上半身はフラフラしている。
よし、サマンサさんからのお許しが出たし、行くか。
~サマンサ~
アシュレイさんから、シェリルの通信機で連絡があった。
やるじゃない、うちの娘たち。
極上の男を二人も捕まえたわ!
シェリルがアシュレイさんの護衛をすると聞いて、期待してたけど。
まさか、本当に上手く行くとは思わなかったわぁ。
アシュレイ・ロックス。
ロックス家の次男にして若くして魔術研究所の研究開発室の室長。
シェリルは第一隊の魔術騎士になったけど、魔術の腕はイマイチなのよね~。
でも小さい頃から訓練してたから、護衛としての腕は良い。
腕っ節は強いから、同じ騎士からはゴリラ扱いされるし、正直出会いは期待してなかったのよ。
そ・れ・が。今回の魔術師襲撃事件で普通ならお近づきになる事なんてないアシュレイさんの護衛になって、結構仲良くなってるって聞いてたのよ。
まぁ、アイツのお陰なのはわかってるのよね。
やるじゃない、モーリス。グッジョブだわ。
あれは襲撃事件と同時期、私のところにに急に来たのよね、モーリスが・・・
***
「サマンサ、骨休めにネハーコに行くんだけど」
「あ、そう。行ってらっしゃい」
この男は、小学校から特化まで、ずーっと一緒の腐れ縁だ。
護衛も連れずたまに隠密の能力を使ってフラフラとあちこちに出没する。
「もう、相変わらず冷たいんだから。でね、魔術師が襲われた事件があって魔術研究所の護衛に第一隊が着くでしょ。僕の方にも護衛を連れて行くから、魔術師の方にそんなに人員を割けないの」
「それなら、ネハーコに行かなきゃいいでしょ」
「やだよ。それにね、所長のライオネル君と室長のアシュレイ君には特別に護衛が着くからさ。アシュレイ君の護衛にはシェリル君を推薦しておくよ。あの子は実力はトップクラスだろ」
何ですって!!!独身男性、人気実力共にNo. 1のアシュレイさんの護衛?シェリルが!!
「行ってらっしゃい。帰ってくなくても良いわよ。レオナルドさんによろしく」
思わずニッコリ笑って言ってやった。
モーリスはニヤリと笑って言った。
「サマンサ、僕もたまにはね、若い子の役に立ちたいのよ」
***
ま、アイツはね、予知があるからと言って、必ずしもその通りになるとは限らないとは言ってたけど、本当にアシュレイさんとシェリルが上手く行くとは思わなかったわ。
たまに親戚の集まりで会うことはあっても、話をしてるの見たことなかったし。
てっきりあの子はアシュレイさんのことは苦手なんだと思ってた。
ロックス家の長男、次男とも義理の息子だなんて最高じゃない。
「サマンサ、何かご機嫌だね」
「もうすぐ良い事があるからよ、ヴィクトル」
「良い事?」
うふふと笑って、「さあ、もう寝ないと美容に悪いわ」と首を傾げる夫を連れて寝室に向かった。
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