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ここは天国かな?
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~シェリル~
何だかフワフワして気持ちよくて、物凄く幸せで良い夢を見ていた気がする。
ゆっくりと眠りから覚醒する様な感覚があって、自然にパチリと目が覚めた。
あ、昨日も見た天井。
「起きた?」
アシュレイさんの声がする。
目を向けると、そのインパクトにギョッとした。
ベッドヘッドに背を預け、前のボタン全開で無造作にシャツを着たアシュレイさんが、うっとりする様な微笑みを浮かべてこちらを見ていた。
ゆ、夢じゃないっっ、けどもー!!
ちょっとちょっと、朝から刺激MAXなんですけど!!!
目の毒じゃ無くて、目の保養か。
思わず手で顔を覆ってしまった。
無理、直視は無理。全開シャツのアシュレイさん、朝から無理。悶え死ぬ。
クスクス笑ってアシュレイさんが私の手を外して顔を覗き込んで来た。
おぉっふっ、ど迫力美形がドアップです。
サラサラとアッシュブロンドがわたしの頬にかかる。
ここは天国かな?
「おはよう、シェリル。体どう?辛くない?無理させちゃってごめんね」
そうだ、昨日、魔力混ぜ合わせたんだっけ、と思い出した!!
私ってば、一回目の後、あまりの気持ちよさのあまり、あろう事か、おかわり要求してしまったんだっけ・・・ド恥ずかしい。
うぅっっ・・・なんてエロい女と思われただろうか。
「おはようございます。大丈夫です。アシュレイさんこそ大丈夫ですか?」
「ふふ。ちょっと疲れたけど大丈夫。もう10時だけど起きれそう?」
「もうそんな時間?起きます」
「待って、今着る物がこれしか無くて」
と言って、差し出されたのは、白いシャツ。
もしかしなくてもこれが、"彼シャツ"ですか、憧れの。
「お借りします」
「じゃ、リビングに来てね。パン焼いてくる」
頬にチュッってしてスルリとしなやかに寝室を出て行く。
あれ?あの人あんなに格好良かったっけ?
いや、もともとスーパー格好イイんだけどさ、何というか、動きに無駄がなくてよりしなやかというか、軽やかというか。
魔術師とは思えない体さばき。
うん?私も何か違うぞ。
魔力がいつも以上に充実してスムーズに巡ってる気がする。
指先まで上手くコントロール出来そうな?魔力コントロールを習ってる時にアシュレイさんが言ってた、指先まで繊細に巡らせるっていうの、今ならわかる。
ほぉぉぉぉ、これが、魔力が混ざるって事かぁ。
凄いな、私の弱点というか、苦手な所が補われてる気がする。
おっと行けない、感心してる場合では無かった。
素早く白シャツに袖を通すと、洗剤の香りと共に微かにアシュレイさんの香りもする。
香りに触発されてうっかり昨夜の色気ダダ漏れのアシュレイさんを思い出してしまい、グフッとベッドに突っ伏してしまう。
マズイ、この先私正気を保てるかな・・・
結婚したら、毎朝起きたらアシュレイさんが隣にいるんだよ。
どんだけ前世に徳を積んだんだろうって感じじゃない?
命投げ出して村丸ごと救うぐらいのことしたんじゃないかって思うわ、本当。
ブンブンと首を振る。
アシュレイさん待たせてるんだから、早く行かなきゃ。
いやでも、シャツ一枚ではちょっと丈が短すぎるよね。
キョロキョロと見回すとスウェットを発見、これもブカブカだけど、ウエストの紐を絞れば何とかいける。
ベッドからそうっと立ち上がると、難無く立てた。
我ながら呆れるほどの頑丈さだな。ゴリラと言われる訳だ。
リビングからいい匂いがする。
丁度コーヒーを入れ終わったのか、アシュレイさんがトレイにカップを二つ乗せてテーブルに置いていた。
「お待たせしました」
「やっぱり大きいかったな、シャツ」」
女性にしては背が高くても、男性もののシャツはブカブカだった。
袖は捲らないと行けないし、肩幅も全然違う。
「すみません、スウェットもお借りしました」
「あぁいいよ、大きかったろ」
「何とか紐で調節したので大丈夫です」
「それなら良かった。ほら、座って朝食にしよう」
「ありがとうございます」
向かい合って座り、二人で食べ始めた。
「ところで、どうして避妊魔法効かないんです?」
「今、このタイミングで聞く!?」
アシュレイさんがの飲み掛けのコーヒーにむせながら言った。
ごめんなさい。思い出した時に聞かないと忘れるもんで。
「いや、ずっと気にはなってたんですけど、昨日は聞く間も無かったんで」
ふぅ、と再びコーヒーを一口飲むと、アシュレイさんが一から教えてくれた。
遊牧民だった事、ロックス家がグリードエンド建国の英雄の一人だった事にびっくりしていると
「中等部の歴史の授業で習っただろ」
「ええ~と、そうでしたっけ?」
「全く」
苦笑しながら髪をクシャと撫でられた。
「領内にはあちこちに館を設けてあるんだ。季節に合わせて移動できる様にな。館のほぼ全員が馬に乗って、牛や羊と大移動するんだ。凄い壮観な眺めで、毎年それを見に観光客が押し寄せてくる」
「それは凄いですね。本当に遊牧民みたい」
「今では良い観光収入にもなってるイベントみたいなもんだろうけどな。兄貴も手伝いに行ってるんだよ」
「アシュレイさんも馬に乗れるんですか?」
「うちは歩くより先に馬に乗る訓練受けるくらいだよ。当然乗れるさ」
ううむ、ロックス一族が馬に乗って大移動か・・・それはさぞかし見応えがあるだろなぁ。
「みんなに紹介がてら、手伝いにいくか?シェリルも馬には乗れるだろ」
「もちろん、騎士ですからね。得意ですよ、乗馬。ぜひ行きたいです」
はは、頼もしいな、とアシュレイさんが笑ってコーヒーのおかわりを注いでくれた。
何て素敵な日曜日。
何だかフワフワして気持ちよくて、物凄く幸せで良い夢を見ていた気がする。
ゆっくりと眠りから覚醒する様な感覚があって、自然にパチリと目が覚めた。
あ、昨日も見た天井。
「起きた?」
アシュレイさんの声がする。
目を向けると、そのインパクトにギョッとした。
ベッドヘッドに背を預け、前のボタン全開で無造作にシャツを着たアシュレイさんが、うっとりする様な微笑みを浮かべてこちらを見ていた。
ゆ、夢じゃないっっ、けどもー!!
ちょっとちょっと、朝から刺激MAXなんですけど!!!
目の毒じゃ無くて、目の保養か。
思わず手で顔を覆ってしまった。
無理、直視は無理。全開シャツのアシュレイさん、朝から無理。悶え死ぬ。
クスクス笑ってアシュレイさんが私の手を外して顔を覗き込んで来た。
おぉっふっ、ど迫力美形がドアップです。
サラサラとアッシュブロンドがわたしの頬にかかる。
ここは天国かな?
「おはよう、シェリル。体どう?辛くない?無理させちゃってごめんね」
そうだ、昨日、魔力混ぜ合わせたんだっけ、と思い出した!!
私ってば、一回目の後、あまりの気持ちよさのあまり、あろう事か、おかわり要求してしまったんだっけ・・・ド恥ずかしい。
うぅっっ・・・なんてエロい女と思われただろうか。
「おはようございます。大丈夫です。アシュレイさんこそ大丈夫ですか?」
「ふふ。ちょっと疲れたけど大丈夫。もう10時だけど起きれそう?」
「もうそんな時間?起きます」
「待って、今着る物がこれしか無くて」
と言って、差し出されたのは、白いシャツ。
もしかしなくてもこれが、"彼シャツ"ですか、憧れの。
「お借りします」
「じゃ、リビングに来てね。パン焼いてくる」
頬にチュッってしてスルリとしなやかに寝室を出て行く。
あれ?あの人あんなに格好良かったっけ?
いや、もともとスーパー格好イイんだけどさ、何というか、動きに無駄がなくてよりしなやかというか、軽やかというか。
魔術師とは思えない体さばき。
うん?私も何か違うぞ。
魔力がいつも以上に充実してスムーズに巡ってる気がする。
指先まで上手くコントロール出来そうな?魔力コントロールを習ってる時にアシュレイさんが言ってた、指先まで繊細に巡らせるっていうの、今ならわかる。
ほぉぉぉぉ、これが、魔力が混ざるって事かぁ。
凄いな、私の弱点というか、苦手な所が補われてる気がする。
おっと行けない、感心してる場合では無かった。
素早く白シャツに袖を通すと、洗剤の香りと共に微かにアシュレイさんの香りもする。
香りに触発されてうっかり昨夜の色気ダダ漏れのアシュレイさんを思い出してしまい、グフッとベッドに突っ伏してしまう。
マズイ、この先私正気を保てるかな・・・
結婚したら、毎朝起きたらアシュレイさんが隣にいるんだよ。
どんだけ前世に徳を積んだんだろうって感じじゃない?
命投げ出して村丸ごと救うぐらいのことしたんじゃないかって思うわ、本当。
ブンブンと首を振る。
アシュレイさん待たせてるんだから、早く行かなきゃ。
いやでも、シャツ一枚ではちょっと丈が短すぎるよね。
キョロキョロと見回すとスウェットを発見、これもブカブカだけど、ウエストの紐を絞れば何とかいける。
ベッドからそうっと立ち上がると、難無く立てた。
我ながら呆れるほどの頑丈さだな。ゴリラと言われる訳だ。
リビングからいい匂いがする。
丁度コーヒーを入れ終わったのか、アシュレイさんがトレイにカップを二つ乗せてテーブルに置いていた。
「お待たせしました」
「やっぱり大きいかったな、シャツ」」
女性にしては背が高くても、男性もののシャツはブカブカだった。
袖は捲らないと行けないし、肩幅も全然違う。
「すみません、スウェットもお借りしました」
「あぁいいよ、大きかったろ」
「何とか紐で調節したので大丈夫です」
「それなら良かった。ほら、座って朝食にしよう」
「ありがとうございます」
向かい合って座り、二人で食べ始めた。
「ところで、どうして避妊魔法効かないんです?」
「今、このタイミングで聞く!?」
アシュレイさんがの飲み掛けのコーヒーにむせながら言った。
ごめんなさい。思い出した時に聞かないと忘れるもんで。
「いや、ずっと気にはなってたんですけど、昨日は聞く間も無かったんで」
ふぅ、と再びコーヒーを一口飲むと、アシュレイさんが一から教えてくれた。
遊牧民だった事、ロックス家がグリードエンド建国の英雄の一人だった事にびっくりしていると
「中等部の歴史の授業で習っただろ」
「ええ~と、そうでしたっけ?」
「全く」
苦笑しながら髪をクシャと撫でられた。
「領内にはあちこちに館を設けてあるんだ。季節に合わせて移動できる様にな。館のほぼ全員が馬に乗って、牛や羊と大移動するんだ。凄い壮観な眺めで、毎年それを見に観光客が押し寄せてくる」
「それは凄いですね。本当に遊牧民みたい」
「今では良い観光収入にもなってるイベントみたいなもんだろうけどな。兄貴も手伝いに行ってるんだよ」
「アシュレイさんも馬に乗れるんですか?」
「うちは歩くより先に馬に乗る訓練受けるくらいだよ。当然乗れるさ」
ううむ、ロックス一族が馬に乗って大移動か・・・それはさぞかし見応えがあるだろなぁ。
「みんなに紹介がてら、手伝いにいくか?シェリルも馬には乗れるだろ」
「もちろん、騎士ですからね。得意ですよ、乗馬。ぜひ行きたいです」
はは、頼もしいな、とアシュレイさんが笑ってコーヒーのおかわりを注いでくれた。
何て素敵な日曜日。
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