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2章
13 何か違うと思う
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「触らない、でください」
「触れられたくない?」
そう言うとサイベリアンは健介の乳首をぎゅっと摘まみ上げた。
「んあっ!」
びくりと身体が跳ねあがり、股間の先からトロリと先走りがこぼれたのを感じた。
拒否したいなどとは欠片も思っていないことは、密着した肌の熱でサイベリアンへダイレクトに伝わってしまう。
でも、プレイもしていないのに、こんなことをするのはおかしい。
これではただの、セ……セ……。
「嫌なら止めるけど?」
サイベリアンは健介のうなじに顔をうずめて、下腹部を直撃するような色っぽい低音で言う。頭に響くしっとりとした低い声に股間がうずき、健介は身体を震わせた。
すでに先走りの雫すらこぼし始めている健介の股間はサイベリアンの手が握っている。身体の昂ぶりを隠すことなど到底無理な話なのだ。
嫌とか嫌じゃないとかそういうことではないのだが……。
だからといって、流されるままサイベリアンの好きにさせていていいのだろうか。いや、いや、よくない。ハウスはプレイをする場所で、プレイヤーはダイナミクスのストレスを解消するためのプレイを提供することが仕事のはずで、性的な奉仕をすることはサービスではない。
自分がこのようなことを許せば、他のプレイヤーにも類が及ぶかもしれないではないか。
プレイの一環でお互いに……いや、健介に関しては現状自分だけだが、昂った性的な欲求を解消している……に過ぎないのだ。
きちんとさせておかなくてはいない。
「いけない、ことです。お、俺はプレイをするために……ここにいるのではないのですか?」
それまで、ゆるゆると健介の股間を上下していた手がぴたりと止まる。
健介は止まったサイベリアンの手にほっと胸をなでおろし、自分が言ったことは正解だったと確信する。後ろにいるのでサイベリアンの表情は見えないが……。きっと、わかってくれたのだろう。
サイベリアンは動きをとめたまま「わかった」とも、「そうではない」とも言わない。無言のまましばらく時間が過ぎる。ところで、ピンク色をしていた空気は少しは変化しただろうか。
健介の健介もだんだんと落ち着きを取り戻しつつあった。芯をもって固く立ち上がり始めていたそこはサイベリアンの手のなかでくったりとしている。心臓の鼓動も穏やかな音を取り戻し始めていた。
サイベリアンの様子を伺おうと振り返ろうとしたろころ、股間から離れた手が腰に巻き付き、ぎゅっと抱きしめられる。「はぁー」と大きなため息をついて、健介の方に顔をうずめる。
(た・め・い・き!)
機嫌を損ねてしまったのだろうかと、不安に顔を青くした。
「あ、」
「……わかったよ」
健介が言葉を発するのにかぶせるようにサイベリアンが絞り出すような声で返事をする。
その声は苛立ちではないが、少しだけ苦しそうで健介は戸惑った。間違ったことは言っていないはずなのに、何故か罪悪感というか、そんな感情をかきたてられるのだ。
「ただ、もう少しだけ休もう。まだ、起きるには早い」
「は、い……」
健介は後ろから抱きしめられているので、サイベリアンの表情は見えない。彼はいまどんな表情をしているのだろうか。
でも、プレイをするならいざ知らず、プレイもしていないのに性的な触れ合いをするのは、やはり何か違うと思うのだ。恋人でもない、そもそも知人……といってもいいかもわからない。
サイベリアンはただ、もう一度自分と「プレイ」をしたくて会いに来ていたのだから。
そして、相変わらず、どうしてサイベリアンの屋敷に自分がいるのかはわからないのだが、きっとしばらく自分とプレイをしたくてつれてきたに違いない。
サイベリアンの温かさを背中に感じて、健介は目を閉じて再び眠りへと落ちて行った。
「触れられたくない?」
そう言うとサイベリアンは健介の乳首をぎゅっと摘まみ上げた。
「んあっ!」
びくりと身体が跳ねあがり、股間の先からトロリと先走りがこぼれたのを感じた。
拒否したいなどとは欠片も思っていないことは、密着した肌の熱でサイベリアンへダイレクトに伝わってしまう。
でも、プレイもしていないのに、こんなことをするのはおかしい。
これではただの、セ……セ……。
「嫌なら止めるけど?」
サイベリアンは健介のうなじに顔をうずめて、下腹部を直撃するような色っぽい低音で言う。頭に響くしっとりとした低い声に股間がうずき、健介は身体を震わせた。
すでに先走りの雫すらこぼし始めている健介の股間はサイベリアンの手が握っている。身体の昂ぶりを隠すことなど到底無理な話なのだ。
嫌とか嫌じゃないとかそういうことではないのだが……。
だからといって、流されるままサイベリアンの好きにさせていていいのだろうか。いや、いや、よくない。ハウスはプレイをする場所で、プレイヤーはダイナミクスのストレスを解消するためのプレイを提供することが仕事のはずで、性的な奉仕をすることはサービスではない。
自分がこのようなことを許せば、他のプレイヤーにも類が及ぶかもしれないではないか。
プレイの一環でお互いに……いや、健介に関しては現状自分だけだが、昂った性的な欲求を解消している……に過ぎないのだ。
きちんとさせておかなくてはいない。
「いけない、ことです。お、俺はプレイをするために……ここにいるのではないのですか?」
それまで、ゆるゆると健介の股間を上下していた手がぴたりと止まる。
健介は止まったサイベリアンの手にほっと胸をなでおろし、自分が言ったことは正解だったと確信する。後ろにいるのでサイベリアンの表情は見えないが……。きっと、わかってくれたのだろう。
サイベリアンは動きをとめたまま「わかった」とも、「そうではない」とも言わない。無言のまましばらく時間が過ぎる。ところで、ピンク色をしていた空気は少しは変化しただろうか。
健介の健介もだんだんと落ち着きを取り戻しつつあった。芯をもって固く立ち上がり始めていたそこはサイベリアンの手のなかでくったりとしている。心臓の鼓動も穏やかな音を取り戻し始めていた。
サイベリアンの様子を伺おうと振り返ろうとしたろころ、股間から離れた手が腰に巻き付き、ぎゅっと抱きしめられる。「はぁー」と大きなため息をついて、健介の方に顔をうずめる。
(た・め・い・き!)
機嫌を損ねてしまったのだろうかと、不安に顔を青くした。
「あ、」
「……わかったよ」
健介が言葉を発するのにかぶせるようにサイベリアンが絞り出すような声で返事をする。
その声は苛立ちではないが、少しだけ苦しそうで健介は戸惑った。間違ったことは言っていないはずなのに、何故か罪悪感というか、そんな感情をかきたてられるのだ。
「ただ、もう少しだけ休もう。まだ、起きるには早い」
「は、い……」
健介は後ろから抱きしめられているので、サイベリアンの表情は見えない。彼はいまどんな表情をしているのだろうか。
でも、プレイをするならいざ知らず、プレイもしていないのに性的な触れ合いをするのは、やはり何か違うと思うのだ。恋人でもない、そもそも知人……といってもいいかもわからない。
サイベリアンはただ、もう一度自分と「プレイ」をしたくて会いに来ていたのだから。
そして、相変わらず、どうしてサイベリアンの屋敷に自分がいるのかはわからないのだが、きっとしばらく自分とプレイをしたくてつれてきたに違いない。
サイベリアンの温かさを背中に感じて、健介は目を閉じて再び眠りへと落ちて行った。
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