社畜モブの俺、異世界転移したら「Sub」っていわれたんだけど。え、「Sub」って何ですか?

鉾田 ほこ

文字の大きさ
66 / 192
2章

17 今度こそ

しおりを挟む
                 * * * 
 
 正直なところ、サイベリアンはケンに拒否されるとは思っていなかった。後ろから回した手が胸の突起を掠めれば、「んぅっ」とあえかな声を漏らす。滑らかな肌に滑らせれば、肩まで赤く染めて身体をぴくぴくと震わせる。
 どこを触れても微かな刺激を拾って、身体を反応させていた。
 つんと立ち上がった乳首を指で摘まみ上げて、つま先でひっかけば、「ん、! ふっ」と堪えきれない喘ぎを漏らし、太ももに這わせた手で中心を探ればすでに芯をもって立ち上がり、歓びの泪を先からこぼしていた。

 ケンは快楽に弱い。
 身体的な接触にも耐性がないのか、何をしてもいい反応を返してくる。このまま責め立てれば、朝から乱れるケンを見られるだろうと高を括っていたのだ。
 だが、予想に反して「ダメです」と。「触らないで」と直接的な拒否を口にした。
 そんなこと言っても、ケンだって股間をこんなに腫らしてそのまま止められるわけがない。胸の突起をぎゅっと摘まみ上げると、「んぁあ!」と喘いで、先走りを漏らす。
 もう一押ししたら、落ちるのではないか。
 そんなことを考えて、「嫌なら止めるけど?」と耳元で低く囁いてやれば、肌を粟立たせて身体を震わせた。
 
 だが、ケンは靡かなかった。
 「いけないこと」だと。自分は「プレイをするためにいるのではないか」とサイベリアンに尋ねてくる。
 そうではない。そうではないのだ。
 プレイをするのは大前提だが、ただただケンにもっと触れたい。それだけだ。
 だが、いまそれを言ってもケンは困惑するかもしれない。まだまだ、時間はあるのだから、ゆっくりことを進めていけばいい。急いては事を仕損じる。
 サイベリアンはいますぐにどうこうするのは諦めて、自分を落ち着かせるために深く息を吐く。
「……わかったよ」
 と絞り出すように言った声が、ふてくされたように聞こえないといいなと思った。ケンの嫌がることを無理強いしたいとは思わない。だが、なかなかに自分の股間も正直なのだ。
 二度寝を促せば、ケンは素直に従って再びサイベリアンの腕の中におさまる。腰に押し付けられているサイベリアンの昂ぶりなど、少しも気にならないのか、すぐにすうすうと寝息を立て始めた。

 一方のサイベリアンは寝つこうにも寝つけなかった。
 途中でくったりと平静を取り戻したケンの股間とは反対に、腕の中のいとしい人と素肌を合わせていることに、理性ではダメだとわかっているのに、本能は「まだ、おさまらぬ」といわんばかりに主張を続けている。
 
 ケンは一度眠ると起きない。
 昨晩、眠りに落ちたケンをハウスから自分の屋敷に移動させる間も、一度も目を覚ましはしなかった。初めて屋敷に連れて来た時はGlareにあてられてサブドロップ寸前であったこともあり、気絶しているものと思っていたが、昨晩ベッドに突っ伏したケンにクリーンをかけようが、タオルで肌を拭こうが、がたがたと馬車で移動させようが、起きる様子は少しも無かった。
 悪い考えが頭をよぎる。
 眠っている相手にどうこう……というのは、自分の信条に大きく反するのだが……。
 この中途半端に投げ出されてしまったままの昂ぶりを抑える方法として、すべすべとしたケンの太ももに自身のペニスを差し込んではどうか。
 だが、サイベリアンはすんでのところで思いとどまり、結局ベッドを抜け出した。
 そう、焦ることはない。時間はあるのだから──。
 
 今回は同じ過ちは繰り返さない。起きたケンが一人で屋敷を抜け出すことがないように十分に対策をしている。
 自分が部屋から出るのと入れ替わりに、扉の前で待機していたメイドを部屋の中に入れる。目が覚めた時にケンの世話をしてもらうように、風呂と着替えを手伝う用に言い含めた。
 服も下着もベッドルームには置いていない。何よりハウスから全裸でケンを連れてきているのだから。彼が元々身に着けていたものはここには一つもない。代わりに用意していたケンに似合いそうな服を出すように指示をする。

 今度こそ朝食を一緒に摂る。これからは朝食だけでなく昼食も夕食も一緒にするのだ。
 好き嫌いもわからないから色々用意させなくては──。食事をしながら、ケンについて色々と話を聞くのだ。
 どこの出身で、なぜハウスで働いていて、どうして記憶がないのか……。
 そんなことを考えながら廊下を歩いていると、向かいから人影が近づいてきた。
 サイベリアンはその人物を見て、眉をひそめる。
「とうとう、攫ってきたって?」
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

処理中です...