社畜モブの俺、異世界転移したら「Sub」っていわれたんだけど。え、「Sub」って何ですか?

鉾田 ほこ

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2章

34 これは……なに?

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 太ももの間にサイベリアンの立派な剛直を感じる。抜き差しされる動きで熱く固いそれが健介のペニスを刺激する。
「ん、んふっ! んぁ?」
 サイベリアンの先端が健介の玉を突き、サイベリアンのカリが健介の裏筋を刺激する。
「ん、ん」
 何が起こっているのかわからなかった。
 太ももの間にものを挟んだからといって、どうなるというのか?
 と思っていた少し前の自分を殴りたい。
 腰が打ち付けられると、肌を打つ音が部屋に響く。健介の先走りとサイベリアンの先走りが絡み合い、じゅちゅっと卑猥な水音を立てる。
 これは挿入していないだけで、セックスだった。
 困惑する健介の頭は性器を刺激される快楽と耳から入る淫猥な響きでぐちゃぐちゃに蕩けていく。
 覆いかぶさったサイベリアンが健介の首筋に舌を這わせた。ぬるりと舐められた感覚に健介の肌はぞわぞわと粟立つ。
「ひぃ、ぅうっ」
 じゅっと音を立てて強く吸われて、「はっあぁ……」と口から喘ぎを漏らしながら快楽から逃げるように身体を反らす。
「首、気持ちいい?」
「ん、いい……きもち、いいです」
「素直に答えられてエライよ、『いい子』だ」
 褒められて、ふわふわとした意識がより深く悦びに浸る。
 歯を立てられて甘噛みされると、捕食されるような感覚に健介の身体はいっそう昂ぶりを見せた。
「ああ!」
 絶えずサイベリアンのペニスで下を刺激され、首を舐られ、指で胸のしこりをくりくりと弄られる。同時に何か所もを攻められて、健介は快楽の波に翻弄された。

 我慢しなくては。
(出したい……)
 もう、出したい。
(まだ、我慢しなくては……)
 頭の中でぐるぐると思考が空転する。

「気持ちがいいね」
「いい、いいです。んあっ! あ、いぃ……」
 何を口走っているのか自分でもよくわからない。ただただ、ふわふわと全身が気持ちがいいのだ。
 健介はいま自分がサイベリアンと何をしているのか、もうわからなかった。
 ただ、快楽に溺れているだけ。

 健介の前はもうはち切れそうなほどに昂っている。
 もう、解放したくてたまらない。
「あぁ! もう……」
「まだ、だ」

 どうして、どうして。
 これ以上は気が狂いそうだ。

 出したい、出したい、出したい!
 それしか頭に無くなる。

「あ、あぁっ、んぅ、イキ……も、もぉ……イかせてぇ……っ」
「『いいこ』。 ちゃんと言えてえらいね」
 そう言って、健介のぷっくりと膨れた乳首をぎゅっとつねりあげる。
「ひうっ」
 刺激に先端から少しだけ溢れ出てしまう。堪えきれない声と一緒に口の端からだらだらと唾液がこぼれ、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだ。
「ふふっ、かわい……。そろそろ限界かな……」
 健介の腰を持つ手に力がこもる。
 ぎゅっと閉じた股の間の熱い塊が、一層健介のものをゴリゴリと刺激する。
「んあっ、あ、あっ」
「一緒に……。『イケ』」
 命令コマンドが放たれた瞬間、健介の前は熱い迸りを放った。それと同じくして、股の間のサイベリアンも大きく「どくんっ」と蠢いてから性をはきだす。二人の出した白濁でシーツの上に水溜りが出来る。
「は、ぁあ、はぁ……」
「『いいこ』」
 サイベリアンが掴んでいた健介の腰から手を離す。支えを失った健介は水溜りも気にせずべしゃりとベッドに崩れこんだ。サイベリアンはその背中を優しく労わるように撫でる。
 大きな手の温かさが気持ちがいい。健介は疲労感と性を出した倦怠感で、うとうとし始めた。

 手放しそうな意識の端で、「やはりこうなってしまった」と思う。そう、口の中のものはグラスに出さずに飲み込んで良かったのだ。
 そう考えながら意識を手放した。

 そして、本当に事態が動いたのはその翌日のことだった。
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