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2章
43 自分好みというロマン
扉を開けると、ケンはわざわざベッドから降りてサイベリアンの側へと近づいてくる。
これは期待して待っていたと受け取っていいに違いない。
メイドたちが静かに部屋から出ていくのを横目で確かめて、「待たせた。さあ、プレイを始めようか」と口にした。
ちょっと前のめり過ぎたかとも思ったが、ケンもサイベリアンを待ちわびた表情で見つめている。セーフワードを確認すると、ケンも「はい」と頷いた。
腰に手を回してケンをベッドまで連れて行き、前に立たせるようにして自分はベッドに腰掛ける。
「『跪いて』」
早速命令をすれば、ケンは従順にその場で膝立ちになり次の命令を待っているのかサイベリアンを期待の眼差しで見つめていた。
限界だ、どうにかなりそうだ。
風呂場では我慢していたが、すでに股間は臨戦態勢を取り始めている。
「『舐めて』」
熱が集中するそこに気を取られて、思わず欲望に忠実な命令をする。気づいた時にはもう口から出たあとだった。いまさら、下した命令を覆すのも、自分の欲望に目を背けるのも意味がない。
サイベリアンは自分のバスローブのあわせを開いて、困惑するケンにわかりやすいように見せつける。
ケンは一瞬戸惑った表情を見せた後に視線をうろつかせてから、恐る恐る手を伸ばす。じっとそこを凝視すると、薄い唇の間からちろりと赤い舌が覗かせた。
舌を伸ばしてゆっくりと顔を股間に近づける。もう少しで先端に触れるというところで、ぎゅっと目をつぶった。ちょんっと舌先がペニスの先に触れて、サイベリアンは身体を反応させたが、それ以上に身体をびくりと震わせたケンに驚いた。
(大丈夫……、だろうか?)
若干不安になり始めるが、腹につきそうなほどにそそり立ったそれは、口に含まれるのを今か今かとその瞬間を待ちわびていた。
だが、ケンは口に含むことはなく、舌でちろちろと先端を舐める。その後もぺろぺろぺろぺろと感触を確かめるように舌だけで、執拗にサイベリアンの亀頭部分を弄ぶ。
(これは……焦らされて)
いるわけではなさそうだ。
こちらを伺い見てくるケンの表情は真剣そのもので、サイベリアンを焦らしてどうにかしようなどという意図はこれっぽっちも感じられない。
よくよく考えてみればケンは無垢だ。これまでのプレイからもわかるように性的な知識が非常に乏しい。もしかしたら、いままでこのような行為をしたことがなく、どうしていいのかわからないのかもしれないと思いいたる。
そうなのだとしたら、大変喜ばしい。誰の手ほどきも受けていない、まっさらなキャンバスに自分の好みを彩っていけるということだ。なるほど躾がいがある。
思わず笑みがこぼれた。
そんなサイベリアンにケンは頬を膨らませた。
どうやら、サイベリアンに笑われたことが不服なようだ。その表情も可愛らしい。
「ごめん、ごめん」と謝りながら、慰めるように頭を撫でる。
ケンを見つめて、サイベリアンはその白いキャンバスを自分好みにするための最初の筆を引く。
「さっきみたいに舌を出して、そのまま口を大きく開けて先端を含んで」
ケンは舌を出したまま、素直に口を開けて勢いよくサイベリアンの先端を口に含んだ。
ちょっとだけ歯が当たって、サイベリアンはひゅっと小さく息をのむ。
噛まないとは思うものの、ちょっとだけ心配になって、「歯を立てないようにそのまま口をすぼめて」と細かく指示を出す。
「あ、あー、……ん、ぁ」
ケンの口から謎の音が漏れているが、本人はそれに気づいていない。口をいっぱいに広げても入れるのが精一杯というサイズのサイベリアンの剛直を咥えて、どうにか口をすぼめようと努力している。
あまりのかわいらしさに笑いがこぼれそうになるのをぐっと嚙み殺す。
ここでくすくすと笑った日にはケンが臍を曲げかねない。
ケンは口をすぼめるのは無理だとあきらめたのか、大きく口を開けたまま、舌先をサイベリアンの先端にぴたりとあてて、頭を上下に動かし始める。
これは……。悪くない。
ケンは勘がいい。
頭を上下に動かすたびに、ちょうどケンの下が裏筋をずりずりと刺激して気持ちがいい。サイベリアンは先端が出入りするケンの口を見つめながら、激しく腰を突き上げそうになるのを必死で堪える。
これは期待して待っていたと受け取っていいに違いない。
メイドたちが静かに部屋から出ていくのを横目で確かめて、「待たせた。さあ、プレイを始めようか」と口にした。
ちょっと前のめり過ぎたかとも思ったが、ケンもサイベリアンを待ちわびた表情で見つめている。セーフワードを確認すると、ケンも「はい」と頷いた。
腰に手を回してケンをベッドまで連れて行き、前に立たせるようにして自分はベッドに腰掛ける。
「『跪いて』」
早速命令をすれば、ケンは従順にその場で膝立ちになり次の命令を待っているのかサイベリアンを期待の眼差しで見つめていた。
限界だ、どうにかなりそうだ。
風呂場では我慢していたが、すでに股間は臨戦態勢を取り始めている。
「『舐めて』」
熱が集中するそこに気を取られて、思わず欲望に忠実な命令をする。気づいた時にはもう口から出たあとだった。いまさら、下した命令を覆すのも、自分の欲望に目を背けるのも意味がない。
サイベリアンは自分のバスローブのあわせを開いて、困惑するケンにわかりやすいように見せつける。
ケンは一瞬戸惑った表情を見せた後に視線をうろつかせてから、恐る恐る手を伸ばす。じっとそこを凝視すると、薄い唇の間からちろりと赤い舌が覗かせた。
舌を伸ばしてゆっくりと顔を股間に近づける。もう少しで先端に触れるというところで、ぎゅっと目をつぶった。ちょんっと舌先がペニスの先に触れて、サイベリアンは身体を反応させたが、それ以上に身体をびくりと震わせたケンに驚いた。
(大丈夫……、だろうか?)
若干不安になり始めるが、腹につきそうなほどにそそり立ったそれは、口に含まれるのを今か今かとその瞬間を待ちわびていた。
だが、ケンは口に含むことはなく、舌でちろちろと先端を舐める。その後もぺろぺろぺろぺろと感触を確かめるように舌だけで、執拗にサイベリアンの亀頭部分を弄ぶ。
(これは……焦らされて)
いるわけではなさそうだ。
こちらを伺い見てくるケンの表情は真剣そのもので、サイベリアンを焦らしてどうにかしようなどという意図はこれっぽっちも感じられない。
よくよく考えてみればケンは無垢だ。これまでのプレイからもわかるように性的な知識が非常に乏しい。もしかしたら、いままでこのような行為をしたことがなく、どうしていいのかわからないのかもしれないと思いいたる。
そうなのだとしたら、大変喜ばしい。誰の手ほどきも受けていない、まっさらなキャンバスに自分の好みを彩っていけるということだ。なるほど躾がいがある。
思わず笑みがこぼれた。
そんなサイベリアンにケンは頬を膨らませた。
どうやら、サイベリアンに笑われたことが不服なようだ。その表情も可愛らしい。
「ごめん、ごめん」と謝りながら、慰めるように頭を撫でる。
ケンを見つめて、サイベリアンはその白いキャンバスを自分好みにするための最初の筆を引く。
「さっきみたいに舌を出して、そのまま口を大きく開けて先端を含んで」
ケンは舌を出したまま、素直に口を開けて勢いよくサイベリアンの先端を口に含んだ。
ちょっとだけ歯が当たって、サイベリアンはひゅっと小さく息をのむ。
噛まないとは思うものの、ちょっとだけ心配になって、「歯を立てないようにそのまま口をすぼめて」と細かく指示を出す。
「あ、あー、……ん、ぁ」
ケンの口から謎の音が漏れているが、本人はそれに気づいていない。口をいっぱいに広げても入れるのが精一杯というサイズのサイベリアンの剛直を咥えて、どうにか口をすぼめようと努力している。
あまりのかわいらしさに笑いがこぼれそうになるのをぐっと嚙み殺す。
ここでくすくすと笑った日にはケンが臍を曲げかねない。
ケンは口をすぼめるのは無理だとあきらめたのか、大きく口を開けたまま、舌先をサイベリアンの先端にぴたりとあてて、頭を上下に動かし始める。
これは……。悪くない。
ケンは勘がいい。
頭を上下に動かすたびに、ちょうどケンの下が裏筋をずりずりと刺激して気持ちがいい。サイベリアンは先端が出入りするケンの口を見つめながら、激しく腰を突き上げそうになるのを必死で堪える。
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