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 そうしてふと、そうか、と思う。
 協会から送り込まれてきたのだから、俺の相手ができると判断されてのことだろう。
 体が小さかろうが、しっかりと調教され拡張されているのかもしれない。
 そうクライブは1人納得し、女の顔に唇を寄せた。



 ◇◇◇◇◇◇



 クライヴは派遣されてきた女とはキスをしない主義だった。だから、何も猿轡のせいだけではなく口元や耳元、首筋などに次々と唇をよせる。女の肌は陶器のような質感をしていて、少しひんやりと弾力に富む。
 唇を寄せると女はぎゅっと目を瞑り微動だにしなかったが、たまに、ふ、と鼻から抜ける息が甘い色を帯びているのに満足した。
 耳朶をゆっくりと食み、首筋を舐めあげる。
 ただそれだけで、身内に停滞していた魔力が動き出すのがわかった。
 それに。

 甘い。

 女は、ひどく甘かった。
 女がというよりも、女の浄化力が、なのだろうか。
 それは淡白で名を馳せているクライヴの理性を吹き飛ばすほどで、首筋にきつく吸い付いたときには下半身に熱い猛りを感じるほどだった。

 これでは盛りの若者みたいではないか。

 興奮を押さえきれずに反応する体に、どこか冷静にそう考える。首筋に丹念にキスを落とし、時折堪えきれないように噛みつく。
 んふぅ、と漏れる女の声に、目尻にもキスを落としその瞳を覗き込んだ。
 綺麗な目だった。
 深く深く覗き込めば、その中に本当に星まで瞬いているのではないかとさえ思うほどの。
 まるで、引きずりこもうとでもするようなその瞳に、外してしまおうかと猿轡をチラリと見やって逡巡した。
 ……いや、このままで。
 覆い被さっていた体を起こし上からじっくりとその肢体を眺めれば、猿轡自体も必要だと感じた。

 自分にも、こんな支配欲みたいなものがあったとは。

 苦笑しながら突き出された胸を服の上からそっと包み込む。
 柔らかく揉みしだきながら、この服は一体どうやって外せばよいのか、としばらく悩んだ。
 ピンクの柔らかい生地のドレスはあまり触ったこともないような質感だった。ひどく軽く感じる肌触りで手のひらをサラリと滑って落ちてゆく。
 クライヴの知るドレスの大半は背中のくるみボタンできっちり止められているものだが、このドレスはそこまできつく締められている感じもしない。
 試しに抱え込むようにして彼女の背中へと手を回す。
 背中心を、つぅ、となぞればボタンではないが何か凸凹とした感触がした。一番上まで手をのばすと、何やらつまみみたいなものが手に触れる。
 女を少し横向けて背中を覗き込めば、交差した腕のその先、服の一番上につまみのようなものがあり、その下へとギザギザとしたものが続いている。
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