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誕生の祝い 2
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急な呼びかけであったのに、皆がサヤのための贈り物を用意してくれていた。
サヤが泣き止み、俺の腕を離れたため、ここからは贈り物を渡す時間だ。
結局贈り物一号もルーシーに奪い取られた。
「一番、ルーシーいきます!
サヤさんに着てほしくてこっそり作っていた装い一式! 私の趣味全開です!」
大きな布鞄から引っ張り出されたのはサヤが慄く煌びやかな婦人物の礼服。
短衣は白。サヤの意匠をもとにしてある様子で、襟があるのに背中が大きく開いている。
襟には濃い桃色で縁取りがされ、よく見れば白と薄桃色で刺繍がされていた。
袴の色もごく薄い桃色で、全体に施された刺繍が、時間と費用をつぎ込んでいると言っている……。
こちらの刺繍は部分的に少しだけ濃い色糸が使われており、同じ薄桃色の重なりなのに奥行きを感じさせ、下に行くほど色が濃くなる。そして可愛らしい白と薄桃色の衣装に合わせた腰帯は、ほぼ灰色に近い桃色だった。
「サヤさんは絶対に、可愛いのが似合うんです。でも、ご本人は何故か認めてくれないんです……可愛いのは似合わないっておっしゃるんです!
確かに、大人っぽいサヤさんは、妖艶で麗しくて押し倒してしまいたくなるくらい綺麗だと思うんですけど……だけど可愛いサヤさんも愛でたいのが、男心ではないでしょうか⁉︎」
何故か男心を語る……。
そしてルーシーの力説にうんうんと頷くギル……。可愛いサヤも愛でたいには賛成なんだな。
「こっそり大金つぎ込んでやがったのは後で説教しておくが、サヤは意匠案を格安で売り叩くからな。
これは追加報酬ってことで処理させてもらう。正直、まだこちらの利益率考えたらおかしなくらいなんだが……」
相当儲かっているらしい。
「サヤさんの好みも少しだけ取り入れて、腰帯は渋めの色にしました。薄桃色が際立ってより引き締まる良い感じに仕上がりました!
これが完成した時で良かったです。最後ちょっと急がせましたけど、サヤさんのお祝いに相応しいと思って。
あ、背中を出すのは恥ずかしいっておっしゃると思って、上着も用意しましたから安心してくださいね?」
背中を見せてしまう衣装を着せられ、気絶した前科があるサヤだからな。
次はギル。
懐から取り出したのは、お前も幾らかけたんだと突っ込みたくなるような装飾品。見事な真珠の首飾りと腕輪だった。
「サヤは装飾品を持ってないにもほどがある。
だから俺からはこれだ。こういうのはな、数必要なんだよ。んで、ある程度使ったら崩して、別の意匠に作り直す。
一生を男の格好で過ごすんじゃないんだから、良いなと思うものがあれば買え! もしくは俺やレイに言え! 分かったな。
……真珠はお前によく似合うと思う。黒髪に映えるから」
中心にはかなりの大粒。そして、だんだんと小粒になっていく首飾りは、五連も連なっている。腕輪は逆に、大粒のみの一連だ。
これだけでひと財産じゃないのか……と、考えたら、ギルの意図することが分かってしまった。財産として渡してるのだ……。最低限の金額しか受け取らないサヤの、将来に備えて。贈り物であれば、受け取るしかないだろうからと。
こういうところが…………男前すぎる……。
「私は装飾品など分かりませんから、サヤに必要だと思うものにしました」
そう言ってハインが差し出したのは、あろうことか刃物だった。
「木の握りが好きだとおっしゃってましたので、サヤ用の包丁です」
黒い鞘に収まった、握りも黒い包丁だ。多分黒檀だろう。
「サヤらしいと思ったのですが」
これといった特徴のない、とても簡素な意匠であったけれど、確かにサヤらしいと思う。細めの、六角に掘られた握りは、サヤの手によく馴染んだ。
「俺らはこういうの縁がねぇンだから、期待すンなよ」
ジェイドも用意しているとは思わなかったが、彼は花束を準備していた。
白い拳ほどある大きな蕾がいくつも集められ、束になっている。
「芍薬?……九月ですよね? 今……」
「種類とか知らねぇし……咲いてたから……ン」
つっけんどんに突き出すけれど、たくさん集められた蕾は、ふっくらと膨らんでとても愛らしい。切り揃えられた茎は飾り紐で纏められていて、ジェイドがちゃんとサヤのために用意したのだと分かる。適当に取ってきた風に言ってるけど……彼もきっと悩んで、これに決めたのだと思う。
「あたしらは今日の料理。
他の三人も賄い作りと一緒に頑張ったから、あとで一言言ってやって」
エレノラがそう言ってにっこりと笑う。ガウリィは始終むっつり押し黙っているが、居心地悪く思っていても参加しているのが、彼の誠意なのだと思う。
そして、これだけの品数を揃えた辺りが、彼らがサヤを大切にしてくれている証だ。
「俺からはこれをやろう。ヴァイデンフェラーの者は身の守りとして必ず持つ。災いを一度肩代わりしてくれると言われている」
ディート殿が首元から引っ張り出したのは、風変わりなものだった。
「黒水晶の剣だ。ああ、俺は迷信を信じないのだがな、母が押し付けてきたので身に付けていただけだ。
なに、帰郷の度に押し付けられるから結構ある。これは形が気に入っていたのだが、少々線が細い。サヤの方が似合うだろう」
剣の形に加工された水晶は、柄や握りも見事に再現されており、柄頭には細い鎖が通されていた。
で。
間に合わないだろうと思っていた俺の贈り物。
無理をさせてはいけないからと、あえて日付も伝えていなかったのに……ロビンは二日間徹夜で制作してくれたらしい。
ギルが届けてくれたそれを、木箱ごとサヤに渡した。今度は箱が贈り物だとは思われなかった様子。サヤと一緒にワクワク覗き込んでいたルーシーは、中にあったそれに、こてんと首を傾げた。
「……透かし彫りの筒……」
「なんだこれ……いや、透かし彫りは見事だけどな」
同じく覗き込んだギルにも分からなかったらしい。
ロビンの作ってくれたそれは、羊歯の葉を何枚も互い違いに重ねたような意匠だった。細かく丁寧な仕事だ。鈍い銀色で、高さは二十糎ほど。筒状になっているが、一部は開いている。薄い金属で、手に取ってみるも、本来の籠手に比べると、かなり軽い。
「腕の細かい数字を聞かれたんだが……じゃあ腕につけるんだよな、これ……」
「まあ、付けてみろ。そうすれば分かる」
ニヤニヤと笑うディート殿。注文した時にいたから分かっているものな。
袖をまくったサヤが手を通すと、手首の少し上から、肘の手前までを覆う。ちょうど止まる場所で、自然と固定される様子だ。
「…………籠手?」
「あぁ、成る程」
サヤの呟きに、ハインの納得の声。
「ディート殿がね、やっぱり、剣を受けられる手段は講じるべきだと言うから……。
こういう形状なら、装飾品だと誤魔化せそうかなって。薄いし、袖を直せば目立たないだろ?」
「そういうことか!
あー、確かにな。腕で受けられたら、多少は身の守りになるか。避けるだけよりは断然良いと思うぞ!」
「また新しい装飾品かと思いました。サヤさんの腕に羽根が巻いてあるみたい。とても良くお似合いです!」
「あとは使用してみれば分かろう。鍛錬が楽しみだな」
ディート殿がそんなことを言うから慌てた。
「いや! 急に使用はちょっと……先に、剣で切れたり、割れたりしないか確認してから……」
「馬鹿を言うな。なんのための籠手だ。そもそも俺はこれが割れたとて腕を切り落とすようなヘマはせんぞ⁉︎」
「……籠手あっても関係ねぇンじゃねぇか?」
冷静なジェイドの指摘に、ハインは冷ややかな視線で俺を見て、大きく溜息を吐く。
そんな俺たちのやりとりに、数々の贈り物を両手に抱えて、サヤは困ったような、恥ずかしいような……だけどとても嬉しそうに笑ったのだ。
サヤが泣き止み、俺の腕を離れたため、ここからは贈り物を渡す時間だ。
結局贈り物一号もルーシーに奪い取られた。
「一番、ルーシーいきます!
サヤさんに着てほしくてこっそり作っていた装い一式! 私の趣味全開です!」
大きな布鞄から引っ張り出されたのはサヤが慄く煌びやかな婦人物の礼服。
短衣は白。サヤの意匠をもとにしてある様子で、襟があるのに背中が大きく開いている。
襟には濃い桃色で縁取りがされ、よく見れば白と薄桃色で刺繍がされていた。
袴の色もごく薄い桃色で、全体に施された刺繍が、時間と費用をつぎ込んでいると言っている……。
こちらの刺繍は部分的に少しだけ濃い色糸が使われており、同じ薄桃色の重なりなのに奥行きを感じさせ、下に行くほど色が濃くなる。そして可愛らしい白と薄桃色の衣装に合わせた腰帯は、ほぼ灰色に近い桃色だった。
「サヤさんは絶対に、可愛いのが似合うんです。でも、ご本人は何故か認めてくれないんです……可愛いのは似合わないっておっしゃるんです!
確かに、大人っぽいサヤさんは、妖艶で麗しくて押し倒してしまいたくなるくらい綺麗だと思うんですけど……だけど可愛いサヤさんも愛でたいのが、男心ではないでしょうか⁉︎」
何故か男心を語る……。
そしてルーシーの力説にうんうんと頷くギル……。可愛いサヤも愛でたいには賛成なんだな。
「こっそり大金つぎ込んでやがったのは後で説教しておくが、サヤは意匠案を格安で売り叩くからな。
これは追加報酬ってことで処理させてもらう。正直、まだこちらの利益率考えたらおかしなくらいなんだが……」
相当儲かっているらしい。
「サヤさんの好みも少しだけ取り入れて、腰帯は渋めの色にしました。薄桃色が際立ってより引き締まる良い感じに仕上がりました!
これが完成した時で良かったです。最後ちょっと急がせましたけど、サヤさんのお祝いに相応しいと思って。
あ、背中を出すのは恥ずかしいっておっしゃると思って、上着も用意しましたから安心してくださいね?」
背中を見せてしまう衣装を着せられ、気絶した前科があるサヤだからな。
次はギル。
懐から取り出したのは、お前も幾らかけたんだと突っ込みたくなるような装飾品。見事な真珠の首飾りと腕輪だった。
「サヤは装飾品を持ってないにもほどがある。
だから俺からはこれだ。こういうのはな、数必要なんだよ。んで、ある程度使ったら崩して、別の意匠に作り直す。
一生を男の格好で過ごすんじゃないんだから、良いなと思うものがあれば買え! もしくは俺やレイに言え! 分かったな。
……真珠はお前によく似合うと思う。黒髪に映えるから」
中心にはかなりの大粒。そして、だんだんと小粒になっていく首飾りは、五連も連なっている。腕輪は逆に、大粒のみの一連だ。
これだけでひと財産じゃないのか……と、考えたら、ギルの意図することが分かってしまった。財産として渡してるのだ……。最低限の金額しか受け取らないサヤの、将来に備えて。贈り物であれば、受け取るしかないだろうからと。
こういうところが…………男前すぎる……。
「私は装飾品など分かりませんから、サヤに必要だと思うものにしました」
そう言ってハインが差し出したのは、あろうことか刃物だった。
「木の握りが好きだとおっしゃってましたので、サヤ用の包丁です」
黒い鞘に収まった、握りも黒い包丁だ。多分黒檀だろう。
「サヤらしいと思ったのですが」
これといった特徴のない、とても簡素な意匠であったけれど、確かにサヤらしいと思う。細めの、六角に掘られた握りは、サヤの手によく馴染んだ。
「俺らはこういうの縁がねぇンだから、期待すンなよ」
ジェイドも用意しているとは思わなかったが、彼は花束を準備していた。
白い拳ほどある大きな蕾がいくつも集められ、束になっている。
「芍薬?……九月ですよね? 今……」
「種類とか知らねぇし……咲いてたから……ン」
つっけんどんに突き出すけれど、たくさん集められた蕾は、ふっくらと膨らんでとても愛らしい。切り揃えられた茎は飾り紐で纏められていて、ジェイドがちゃんとサヤのために用意したのだと分かる。適当に取ってきた風に言ってるけど……彼もきっと悩んで、これに決めたのだと思う。
「あたしらは今日の料理。
他の三人も賄い作りと一緒に頑張ったから、あとで一言言ってやって」
エレノラがそう言ってにっこりと笑う。ガウリィは始終むっつり押し黙っているが、居心地悪く思っていても参加しているのが、彼の誠意なのだと思う。
そして、これだけの品数を揃えた辺りが、彼らがサヤを大切にしてくれている証だ。
「俺からはこれをやろう。ヴァイデンフェラーの者は身の守りとして必ず持つ。災いを一度肩代わりしてくれると言われている」
ディート殿が首元から引っ張り出したのは、風変わりなものだった。
「黒水晶の剣だ。ああ、俺は迷信を信じないのだがな、母が押し付けてきたので身に付けていただけだ。
なに、帰郷の度に押し付けられるから結構ある。これは形が気に入っていたのだが、少々線が細い。サヤの方が似合うだろう」
剣の形に加工された水晶は、柄や握りも見事に再現されており、柄頭には細い鎖が通されていた。
で。
間に合わないだろうと思っていた俺の贈り物。
無理をさせてはいけないからと、あえて日付も伝えていなかったのに……ロビンは二日間徹夜で制作してくれたらしい。
ギルが届けてくれたそれを、木箱ごとサヤに渡した。今度は箱が贈り物だとは思われなかった様子。サヤと一緒にワクワク覗き込んでいたルーシーは、中にあったそれに、こてんと首を傾げた。
「……透かし彫りの筒……」
「なんだこれ……いや、透かし彫りは見事だけどな」
同じく覗き込んだギルにも分からなかったらしい。
ロビンの作ってくれたそれは、羊歯の葉を何枚も互い違いに重ねたような意匠だった。細かく丁寧な仕事だ。鈍い銀色で、高さは二十糎ほど。筒状になっているが、一部は開いている。薄い金属で、手に取ってみるも、本来の籠手に比べると、かなり軽い。
「腕の細かい数字を聞かれたんだが……じゃあ腕につけるんだよな、これ……」
「まあ、付けてみろ。そうすれば分かる」
ニヤニヤと笑うディート殿。注文した時にいたから分かっているものな。
袖をまくったサヤが手を通すと、手首の少し上から、肘の手前までを覆う。ちょうど止まる場所で、自然と固定される様子だ。
「…………籠手?」
「あぁ、成る程」
サヤの呟きに、ハインの納得の声。
「ディート殿がね、やっぱり、剣を受けられる手段は講じるべきだと言うから……。
こういう形状なら、装飾品だと誤魔化せそうかなって。薄いし、袖を直せば目立たないだろ?」
「そういうことか!
あー、確かにな。腕で受けられたら、多少は身の守りになるか。避けるだけよりは断然良いと思うぞ!」
「また新しい装飾品かと思いました。サヤさんの腕に羽根が巻いてあるみたい。とても良くお似合いです!」
「あとは使用してみれば分かろう。鍛錬が楽しみだな」
ディート殿がそんなことを言うから慌てた。
「いや! 急に使用はちょっと……先に、剣で切れたり、割れたりしないか確認してから……」
「馬鹿を言うな。なんのための籠手だ。そもそも俺はこれが割れたとて腕を切り落とすようなヘマはせんぞ⁉︎」
「……籠手あっても関係ねぇンじゃねぇか?」
冷静なジェイドの指摘に、ハインは冷ややかな視線で俺を見て、大きく溜息を吐く。
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