849 / 1,121
産みの苦しみ 4
しおりを挟む
「草紙にも思いっきり、付録の宣伝を刷り込んでやったし、アギーの社交界全体を巻き込んだ大きな仮装夜会、絶対に話題になってるわよ。
だから、後は思うことをそこで、盛り込むだけ」
今年最後の草紙には、この一年かけて綴られた物語、その裏話が社交界にて公開されると記された。
人の悪い笑みを浮かべるクララ。
クララ本人はまだ成人前の身で、社交界には庇護者同伴でなければ、参加が叶わない。
しかし、今回は特別出演と称して参加する。無論、作家枠である……。くそ、扮装回避しやがった。
「まぁとにかく。この麗しい主を直視できるように練習しておきなさいな。良かったじゃない、貴方一人が生贄じゃなくて」
「これはこれでだいぶんヤバイ気がしていますけどね……」
どこか絶望に近い表情になってしまっているオブシズ。
そりゃ、物語の扮装とは言え相手役が男じゃな……。絶望したくもなる。
そんなオブシズ本人はというと、それはそれは凛々しい偉丈夫にできあがっていた。
衣服の色合いは、深く落ち着いた緑と茶が基本。
ウエディングドレスなるものでも見たが、上着に襟が付くのがサヤの国の衣装には多いのだという。
不思議な瞳の色と相まって、本当に、物語の世界から抜け出してきたかのようだ。
「ブラウスやシャツにも襟はあるのですけれど、形が全く違うので首が出てしまいます。
なので、上着の前をきっちり締める形でスタンドカラー。そして軍服とくれば、この形かなと」
アイザックジャケットという名前なんです。と、サヤ。
立襟の着いた上着のような形だが、前見頃に釦が二列に並んでおり、きっちりと前を閉めて着る。そしてベルトを上着の上に巻くという、かなり変わった装いだ。
また、両肩には房飾りが付いており、右肩からは丸紐の飾りを垂らし胸飾に繋げてある。……この紐はなんのためにあるのだろう……。
まぁ、特徴的なのはその上着部分のみ。細袴等は見慣れた形状だし、そんなに奇抜であったりはしない。
「本当はベルトに剣帯を付けたり、マントを羽織ったりもするんですけど、室内ですし、当日は帯剣できませんから外しています。
あとは、胸元に勲章をいくつか飾りますし、上着にも刺繍がもう少し増えます」
途端にしゅんとなってしまったルーシー。
「刺繍、間に合わなくてすいません……」
「大丈夫ですよ。越冬はこれからなんですから。寧ろ、早く進んでるくらいですよ!」
サヤの言葉に、途端に元気を取り戻した。
そこにヨルグが付け足す。
「あぁ、そうそう。勲章の方だけど、こちらはもうすぐ完成するわ」
「早いですね、有難うございます!」
そんなサヤが纏う巫女の衣服は、そのアイザックジャケットなるものをもっと長くした感じだ。
腰にベルトは無く、二列の釦で留められた前布が、太腿辺りから見頃にくっついておらず前に垂れていて、その長い上着のような形状の下にもう一枚、袴を着用している。
色は基本的に白く、袴や飾りは冴えた赤色が使われている。
サヤ曰く「私の国で巫女と言えば、白と赤なんです」とのこと。
黒髪に白と赤。とても映える。本日も俺の女神は完璧だ。
そして俺が纏うのは、対照的に青が基本となる衣装だ。
立襟で、袖は無いものの、後はつま先まで全身を覆う形。ドレスというものらしい。ワンピースの更に長いやつだ。
真っ青なそのドレスの腰に、白い紗の腰帯を巻き、前側に長く垂らしているのだが、これにも後日刺繍が入るそうだ。
そしてその上から、白くて長い上着を纏っている。こちらには袖が付いていたが、随分と長く、変わった形の袖だ。
「振袖の雰囲気を取り入れたんです。
レイシール様は男性ですし、体型の誤魔化しも兼ねて」
上着は胸前に着いた飾りで留められている。どこかサヤの着た、水の乙女の衣装に近い、清楚な雰囲気だ。露出が少ないことだけは救いだな……。
「髪が長かったら完璧な姫だったのに……」
「かつらで誤魔化すんだから良いでしょ。だから物語の髪色を再現できるわよ」
「そっか! 完璧ですっ。最高っ。あぁ、夢みたいです!」
大変盛り上がっているルーシーには申し訳ないが、苛立ちしか感じない……。
「姫の装飾品。まだ殆どできていないの。ごめんなさい」
「衣装の雰囲気ができてからでないと、難しいっておっしゃってましたもんね。
でも、胸の上着飾りは完璧です。あの雰囲気に合わせていただければ」
「分かったわ」
そうして、概ね衣装は問題無しとなった。
今日の仕事はここまでにしよう……。もう心が折れそうだ……。
小部屋に戻り、仮縫いの状態だった衣装を慎重に脱いで、それはまた、ルーシーとギルに託された。
男用の礼装に戻り、あとはこの塗りたくられた顔面だけと、ごしごし手拭いで擦っていたら、そんな風にしても落ちないですよとサヤが来て。
「擦ったから赤くなってますよ……」
「だって落ちないんだよこれ……」
むくれている俺に、ちょっと待っててくださいね。と、そう言った。
サヤ本人も衣装を脱ぎ、本日は女性用の礼装を纏い直している。
午後から祝詞の祝いに参加するためだ。
長椅子に促され、座らされて、懐から取り出されたのは……ツバキ油?
「しっかりとした化粧は落ちにくいので、これを使いますね」
小瓶の油をまず数滴。自身の指に馴染ませながら、目を閉じてくださいと言われ、言われるがまままぶたを閉じた。
その閉ざされた瞳の上を、サヤの指がくるくる、円を描くように踊り、目元に油を塗り込んでいく。
次は、唇……そして頬や額。
ハインが湯を持ってきますねとサヤに告げて、皆が部屋を出ていく気配……。
「……油、いっぱい使いすぎじゃない?」
「今年は種が沢山取れましたから、使っても大丈夫ですよ。
それに擦って肌を傷付けてしまってますから……肌の保湿も兼ねて。
椿油は肌に馴染みやすい、優しい性質なので」
ハインが戻ってきて、小机に盥等を置いている、ことことという音。
「仕度が済みましたら、執務室にお越しください」
それだけ言い残して出て行き、部屋は静寂に包まれた。
「次は、手拭いで拭き取りますね」
淡々としたサヤの言葉。
「うん……」
居た堪れないとは、このことだ。
よりにもよって、恋人の前で女装……。最低だ。自分が提案してしまったことだけに、逃げるに逃げられず……。
サヤは俺の姿を見て何も言わなかった……。きっと呆れたのだろうし、俺のこと、格好悪いと思ったろう……。
ただでさえ普段から不甲斐ないのに、これ以上評価を下げてどうする俺……。
そんな風に考え、気分が塞ぐばかりだ。
鬱々としていたら、顔に湯で濡らされた手拭いが当てられた。
そっと顔に押し当てるようにして、油を拭き取り……。
「あんな、こんな風に言ったら、レイは嫌かもしれへんけど……。
凄く、綺麗で、似合うてたで? 本当……お姫様みたいやった」
「………………」
うん。喜べませんね……。
無言の俺に、サヤはまた黙ってから。
「……怒ってる?」
今回の衣装、考えたのはサヤで、俺が女装は嫌だと言っていたにも関わらず、用意されたのは女性用だった。
サヤは当然、俺が女装しなければならないのを分かっていたのだ。
恐る恐るそう問われて、怒ってはいないよと、渋々告げる。
俺が気にしてるのは、サヤが俺をどう思うかだけ。
「格好いい思うたで?」
……は?
「凄う、似合うてたって、言うたやろ?」
…………え、ちょっと待って。
「……女装だよ?」
「女装やけど……コスプレは難しいんやで? 特に、男の人が女の人をするのんは……。
せやし、レイが凄う綺麗で、格好いいって思うた。あっちで見た、どんなレイヤーさんより綺麗やった」
「……レイヤーさん……」
「コスプレを凄いする人達のこと。女装コスしてる人いっぱいいてるけど、レイが一番似合うてたと思う。
写真を撮る一瞬やのうて、ちゃんと全部、お姫様みたいやったし」
似合う似合うと力説され、恐る恐るサヤの顔を見た。
今までサヤの反応が怖くて顔を見れなかったのだけど、サヤは……言葉通り、頬を染めて興奮していた……。
え、なんでそんな顔になる?
「……気持ち悪くない?」
「悪くなかった。似合うてたもん」
「……あれ? なんか齟齬がないかなこれ……」
「?」
「女装だよ?」
「うん。でもコスって、性別とか超越するし」
………………。
うん、考えないことにしよう。
とりあえずサヤは俺に幻滅してないようなので、それで良いことにした。
だから、後は思うことをそこで、盛り込むだけ」
今年最後の草紙には、この一年かけて綴られた物語、その裏話が社交界にて公開されると記された。
人の悪い笑みを浮かべるクララ。
クララ本人はまだ成人前の身で、社交界には庇護者同伴でなければ、参加が叶わない。
しかし、今回は特別出演と称して参加する。無論、作家枠である……。くそ、扮装回避しやがった。
「まぁとにかく。この麗しい主を直視できるように練習しておきなさいな。良かったじゃない、貴方一人が生贄じゃなくて」
「これはこれでだいぶんヤバイ気がしていますけどね……」
どこか絶望に近い表情になってしまっているオブシズ。
そりゃ、物語の扮装とは言え相手役が男じゃな……。絶望したくもなる。
そんなオブシズ本人はというと、それはそれは凛々しい偉丈夫にできあがっていた。
衣服の色合いは、深く落ち着いた緑と茶が基本。
ウエディングドレスなるものでも見たが、上着に襟が付くのがサヤの国の衣装には多いのだという。
不思議な瞳の色と相まって、本当に、物語の世界から抜け出してきたかのようだ。
「ブラウスやシャツにも襟はあるのですけれど、形が全く違うので首が出てしまいます。
なので、上着の前をきっちり締める形でスタンドカラー。そして軍服とくれば、この形かなと」
アイザックジャケットという名前なんです。と、サヤ。
立襟の着いた上着のような形だが、前見頃に釦が二列に並んでおり、きっちりと前を閉めて着る。そしてベルトを上着の上に巻くという、かなり変わった装いだ。
また、両肩には房飾りが付いており、右肩からは丸紐の飾りを垂らし胸飾に繋げてある。……この紐はなんのためにあるのだろう……。
まぁ、特徴的なのはその上着部分のみ。細袴等は見慣れた形状だし、そんなに奇抜であったりはしない。
「本当はベルトに剣帯を付けたり、マントを羽織ったりもするんですけど、室内ですし、当日は帯剣できませんから外しています。
あとは、胸元に勲章をいくつか飾りますし、上着にも刺繍がもう少し増えます」
途端にしゅんとなってしまったルーシー。
「刺繍、間に合わなくてすいません……」
「大丈夫ですよ。越冬はこれからなんですから。寧ろ、早く進んでるくらいですよ!」
サヤの言葉に、途端に元気を取り戻した。
そこにヨルグが付け足す。
「あぁ、そうそう。勲章の方だけど、こちらはもうすぐ完成するわ」
「早いですね、有難うございます!」
そんなサヤが纏う巫女の衣服は、そのアイザックジャケットなるものをもっと長くした感じだ。
腰にベルトは無く、二列の釦で留められた前布が、太腿辺りから見頃にくっついておらず前に垂れていて、その長い上着のような形状の下にもう一枚、袴を着用している。
色は基本的に白く、袴や飾りは冴えた赤色が使われている。
サヤ曰く「私の国で巫女と言えば、白と赤なんです」とのこと。
黒髪に白と赤。とても映える。本日も俺の女神は完璧だ。
そして俺が纏うのは、対照的に青が基本となる衣装だ。
立襟で、袖は無いものの、後はつま先まで全身を覆う形。ドレスというものらしい。ワンピースの更に長いやつだ。
真っ青なそのドレスの腰に、白い紗の腰帯を巻き、前側に長く垂らしているのだが、これにも後日刺繍が入るそうだ。
そしてその上から、白くて長い上着を纏っている。こちらには袖が付いていたが、随分と長く、変わった形の袖だ。
「振袖の雰囲気を取り入れたんです。
レイシール様は男性ですし、体型の誤魔化しも兼ねて」
上着は胸前に着いた飾りで留められている。どこかサヤの着た、水の乙女の衣装に近い、清楚な雰囲気だ。露出が少ないことだけは救いだな……。
「髪が長かったら完璧な姫だったのに……」
「かつらで誤魔化すんだから良いでしょ。だから物語の髪色を再現できるわよ」
「そっか! 完璧ですっ。最高っ。あぁ、夢みたいです!」
大変盛り上がっているルーシーには申し訳ないが、苛立ちしか感じない……。
「姫の装飾品。まだ殆どできていないの。ごめんなさい」
「衣装の雰囲気ができてからでないと、難しいっておっしゃってましたもんね。
でも、胸の上着飾りは完璧です。あの雰囲気に合わせていただければ」
「分かったわ」
そうして、概ね衣装は問題無しとなった。
今日の仕事はここまでにしよう……。もう心が折れそうだ……。
小部屋に戻り、仮縫いの状態だった衣装を慎重に脱いで、それはまた、ルーシーとギルに託された。
男用の礼装に戻り、あとはこの塗りたくられた顔面だけと、ごしごし手拭いで擦っていたら、そんな風にしても落ちないですよとサヤが来て。
「擦ったから赤くなってますよ……」
「だって落ちないんだよこれ……」
むくれている俺に、ちょっと待っててくださいね。と、そう言った。
サヤ本人も衣装を脱ぎ、本日は女性用の礼装を纏い直している。
午後から祝詞の祝いに参加するためだ。
長椅子に促され、座らされて、懐から取り出されたのは……ツバキ油?
「しっかりとした化粧は落ちにくいので、これを使いますね」
小瓶の油をまず数滴。自身の指に馴染ませながら、目を閉じてくださいと言われ、言われるがまままぶたを閉じた。
その閉ざされた瞳の上を、サヤの指がくるくる、円を描くように踊り、目元に油を塗り込んでいく。
次は、唇……そして頬や額。
ハインが湯を持ってきますねとサヤに告げて、皆が部屋を出ていく気配……。
「……油、いっぱい使いすぎじゃない?」
「今年は種が沢山取れましたから、使っても大丈夫ですよ。
それに擦って肌を傷付けてしまってますから……肌の保湿も兼ねて。
椿油は肌に馴染みやすい、優しい性質なので」
ハインが戻ってきて、小机に盥等を置いている、ことことという音。
「仕度が済みましたら、執務室にお越しください」
それだけ言い残して出て行き、部屋は静寂に包まれた。
「次は、手拭いで拭き取りますね」
淡々としたサヤの言葉。
「うん……」
居た堪れないとは、このことだ。
よりにもよって、恋人の前で女装……。最低だ。自分が提案してしまったことだけに、逃げるに逃げられず……。
サヤは俺の姿を見て何も言わなかった……。きっと呆れたのだろうし、俺のこと、格好悪いと思ったろう……。
ただでさえ普段から不甲斐ないのに、これ以上評価を下げてどうする俺……。
そんな風に考え、気分が塞ぐばかりだ。
鬱々としていたら、顔に湯で濡らされた手拭いが当てられた。
そっと顔に押し当てるようにして、油を拭き取り……。
「あんな、こんな風に言ったら、レイは嫌かもしれへんけど……。
凄く、綺麗で、似合うてたで? 本当……お姫様みたいやった」
「………………」
うん。喜べませんね……。
無言の俺に、サヤはまた黙ってから。
「……怒ってる?」
今回の衣装、考えたのはサヤで、俺が女装は嫌だと言っていたにも関わらず、用意されたのは女性用だった。
サヤは当然、俺が女装しなければならないのを分かっていたのだ。
恐る恐るそう問われて、怒ってはいないよと、渋々告げる。
俺が気にしてるのは、サヤが俺をどう思うかだけ。
「格好いい思うたで?」
……は?
「凄う、似合うてたって、言うたやろ?」
…………え、ちょっと待って。
「……女装だよ?」
「女装やけど……コスプレは難しいんやで? 特に、男の人が女の人をするのんは……。
せやし、レイが凄う綺麗で、格好いいって思うた。あっちで見た、どんなレイヤーさんより綺麗やった」
「……レイヤーさん……」
「コスプレを凄いする人達のこと。女装コスしてる人いっぱいいてるけど、レイが一番似合うてたと思う。
写真を撮る一瞬やのうて、ちゃんと全部、お姫様みたいやったし」
似合う似合うと力説され、恐る恐るサヤの顔を見た。
今までサヤの反応が怖くて顔を見れなかったのだけど、サヤは……言葉通り、頬を染めて興奮していた……。
え、なんでそんな顔になる?
「……気持ち悪くない?」
「悪くなかった。似合うてたもん」
「……あれ? なんか齟齬がないかなこれ……」
「?」
「女装だよ?」
「うん。でもコスって、性別とか超越するし」
………………。
うん、考えないことにしよう。
とりあえずサヤは俺に幻滅してないようなので、それで良いことにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる