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月の皇子徒桜とならん
父帝との穏やかなる刻
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父帝の元には12時半に来るように言われていたので、魔術科学(魔術を科学技術に応用する新しい学問)の講義は予定より少し短く切り上げて小聿は身支度を整えた。
母親の湘子譲りの漆黒の絹髪を綺麗に丫角に結い、父帝からの贈り物である紫水晶の髪飾りを両方に着ける。
「大変お似合いでございますよ。皇子さまの瞳と同じ色の宝石ですね」
乳母の澪が、にっこり笑って褒めてくれた。
それになんとも複雑な表情で頷き、小聿は立ち上がる。
側仕えの蕗隼が渡してきた、扇子と小さな巾着を袂にしまう。
父帝に会うために、用意された衣装は秋らしい金茶色の着物であった。彼は着物を鮮やかに捌き、踵を返すと居室を後にする。
東宮・東の院の車寄せに、馬車が停まっている。それに彼が側近二人と共に乗り込むとゆっくりと馬車は帝がいる本宮へと動き始めた。
小聿はいつも肌身離さず持っている星森の申し子の聖印を小さな手で弄んでいた。
それは、聖国の国教である星森の教えを学び始めた小聿に父帝が贈ってくれた品だった。
『これはね、水晶をあしらった星森の聖印なのだよ。初代皇帝・舜堯と建国の剣・彩恩は、水晶でできた聖印をいつも身につけていたそうだ。それに倣って、お前に水晶をあしらった聖印を贈るよ』
初代皇帝・舜堯と建国の剣・彩恩は、星森の巫女とその夫の元に同日に生を受けた血のつながりのない兄弟だったという。
舜堯は星森の申し子が戦乱の世を治める魂の持ち主として星森の巫女の元に授けた赤子であった。そして、同日に星森の巫女はその身に宿した新たな命を世に送り出したという。それが、舜堯を支え続けた彩恩なのだそうだ。彼らは、星森の巫女に大切に育てられ、やがて森深くにある星森の宮を出て、戦乱の世を治め、聖国を建てた。
そのような建国の偉人たちに縁のある品は自分には過ぎたる物だと思うけれども。
それでも、父の期待に自分が考える形で応えられたらと思う。
ーーーーそれは、この国の主の席につくという形ではない。私はあくまでも、お支えする立場でありたい。
そこまで考えたところで、声がかかった。
「なにを考えておいでです?」
ぼんやり窓の外を眺めながら黙考している皇子に、蕗隼が問いかける。
彼が信仰している星森教の聖印に意味もなく触れる時は、考え事をしている時であることをこの側近たちは知っている。
小聿はどう答えるべきかしばし考え、やがて口を開く。
「どうすれば東の院に居座れるか…と」
小聿は秋の色濃い景色を愛でつつ力無く言う。
「そんなにお嫌ならば、素直に嫌だと仰せになれば良いのでは?」
汝秀に言われ、小聿は力無く笑う。
「それであっさり諦めてくだされば良いが」
蕗隼と汝秀は小聿の言葉に顔を見合わせる。
確かに彼の言うとおり、いやだで帝がひくとは思えない。
小聿は優秀であると同時に、現在、聖国の政において絶大な発言権を持つ左相と血のつながりがない皇子だ。彼が後継となることは、今の左相派一辺倒の聖国の政の勢力図に均衡を取り戻す可能性を秘めている。貴族の利権を何よりも重んじる左相派に一石投じたい今上帝としては、簡単に諦めるわけにはいかないだろう。
しばらく揺られると、やがて三人を乗せた馬車は本宮の車寄せに到着する。
彼らが降りると、迎えの侍従たちが揃って揖礼をして見せる。
侍従たちの案内に従って、三人は帝の待つ聖亮殿にたどり着いた。
ここからは、小聿一人で行かねばならない。
案内をしてくれた侍従たちに礼を言い二人の側近に頷いて見せると、小聿は扉の前まで来て長揖をし、中にいる人に声をかける。
「父上。小聿、参りました」
「お入りなさい」
「はい」
中から聞こえた言葉に応じて、小聿が顔をあげると扉の前に控えていた侍従がその戸を開けた。
ふぅ、と短く息を吐くと、小聿は優雅な足取りで室内に入る。
中に入ると、彼は再び最上の礼をする。
「本日は、お誘いをいただき大変嬉しゅうございます、父上」
「うん。よく来たね。堅い挨拶はやめよう。席につきなさい」
「はい」
父帝の言葉に返事をし、小聿は帝の隣に用意されていた席に着く。
彼が席につくと、帝は優しく微笑んだ。
「ああ、贈った髪飾りをつけてくれたのだね。お前やお前の母の瞳と同じ色の石でできているのだ。よく似合っている」
その言葉に、小聿は過分なるお心遣い痛み入ります、大切に致します、と答える。
「風邪はすっかり良くなったようでよかった。しばらく熱が続いていると太医令から聞いていたから、心配していたんだ」
「ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。おかげさまで、もうすっかり良くなりました」
小聿の言葉に、帝は頷く。
「お前は、兄弟の中で最も体が弱いから心配だよ。それなのに、勉学にも鍛錬にも手を抜かないから……熱心なのはいいが、ほどほどにね」
父の言葉に、小聿は困ったような顔をする。
帝の言う通り、小聿は虚弱体質だ。すぐに熱を出して寝込んでしまう。この秋口も、10日ほど熱が上がったり下がったりで周りにずいぶん心配をかけた。
「気をつけます」
食事が運ばれてくる。
今日の食事は、点心だった。給仕が蒸篭を開けると、ほわりと湯気がたちのぼり美しい点心が並ぶ。
二人は、たわいのない話をしながら点心を食べる。
「そういえば、夏頃からずいぶん熱心に魔術も学んでいるのだとか。剣や弓だけでは飽き足りぬか」
父の言葉に、小聿はああと声をあげる。
舜堯帝と源彩恩がこの聖国を建国したのち、とある事情で魔術は衰退してしまった。そのため、聖国では誰でも魔術を扱えるわけではない。学ぶ術は非常に限られている。現在、この国で魔術を学ぶとしたら、魔術学院に行くか聖国の最高学府である秀英院大学の魔術学部に行くか、実際に魔術を扱える者から直接教わるしかない。小聿は、東宮に魔術省の官僚に講師としてきてもらい、魔術の鍛錬をしている。
「魔術は、天地万物の創造主である申し子さまや精霊さまのお力をお借りする術。申し子さまや精霊さまを信ずる者としてそのお力を感じられる魔術は魅力的ですから」
理由は他にもあるのだが、父が不安を覚えることのない答えのみを彼は口にする。
帝はなおも続ける。
「聞いたぞ。現代魔術だけでなく、古代魔術にも手を出しているそうではないか。魔術省の者が、もう手に負えないと嘆いていたぞ」
「いにしえの魔術は、奥が深くて面白いのですよ。現代魔術の基礎であり、それを学ぶことで扱える術の幅も広がりますゆえ」
にっこり笑って彼はいう。
古代魔術とは創造主である星森の申し子の力を借りる魔術で、時間や空間に一時的に干渉する。
「お前のその知識欲には脱帽するよ」
ふふふ、と小聿は笑う。
ーーーーまさか、自分の身を守るために、あまり扱える人間がいない古代魔術にまで手を出している、とはいえまい。
小聿が古代魔術を学び始めたのは、相手に手の内が読まれにくい手札を一枚でも多く持ちたいがためだ。
「扱えるようになったものの中に、反重力の魔法陣を展開するものがあるのです。父上が誂《あつら》えてくださった書庫の上の方の本を取るのに大変重宝しております」
「これまた、独特な使い方を……。さような目的のために学んでいるとは、星森の申し子さまも驚いておいでだろう」
小聿は小首を傾げた。
「怒られてしまうでしょうか?」
彼の言葉に父は笑った。
「まぁ、力を悪用しなければ多少私欲のために使ってもお許しくださるだろうよ」
父の言葉に、小聿はよかったと心底ホッとしたような顔をする。
「父上は、魔術にはご興味はないのですか」
蒸し餃子を小さな口で少しずつ食べながら、小聿は父に問う。
父はそうだなぁと言ってパクリと一口で焼売を食べ、飲み込んで再び口を開いた。
「現代魔術の基礎は知識としても学んでいるし、多少は扱える。お前も知っての通り、聖国皇家の始祖・舜堯は星森の申し子の末裔だと言われている。我らは申し子さまの血もこの身に宿しているのだ」
父の言葉に小聿は頷き、胸に下げた聖印をそっと撫でた。それは、星森の申し子と五大精霊を人々が側に感じるために身につける物だ。小聿はその聖印を父から贈られ、以来、肌身離さず持っている。
「聖国では魔術が衰退してきているとはいえ、申し子さまの血を受け継ぐ我らが魔術を扱えなくなるわけにはいかないからね……。だから、朕《わたし》も精霊たちの力は少しだけども扱える」
彼はそう言って、小声で精霊への呼びかけの詞《ことば》を唱え両手で印を結ぶ。
「水呼び」
最後にピッと右手の人差し指を空のグラスに差し向けると、グラスに水が注がれた。
「けれど、本当に基礎の基礎であるし、複雑なものは扱えない。お前のように申し子さまのお力を借りる古代魔術までは……。それに、魔術を使うと精神力が削られて疲れてしまうからね。そう多用するものでもない」
その言葉にそうですねと小聿は頷く。
現代魔術にしても、古代魔術にしても、力を借りる対象が星の創造主たる星森の申し子か申し子に仕えた五大精霊であるかの違いだけで、魔術の根本はその術者の精神力だ。魔術を使えばその分、精神力は削られ、下手をすれば生命維持さえ危うくなる。小聿とてむやみやたらに魔術を使おうとは思わない。そこまで考えて、誰にでもなく言い訳を心の中で呟く。
ーーーー上の方の本を取るのは、私にとってはとても大事なことだから。
父は箸をのばし、自分の皿の上に置かれたレンゲに小籠包を乗せる。そして、息子のレンゲにも同じものを乗せた。ありがとうございます、と小聿が言うと父は優しく微笑んだ。
「いにしえの人々は程度の差はあれ魔術のために精神力を自在に扱えたそうだ。けれど、それから千三百と幾年。人は不要な力や能力は自然と使わなくなり、やがてその使い方を忘れてしまう」
残念な話ではあるけどね……と舜棐は言ってレンゲにそっと小籠包を乗せる。
「聖国の者の多くは魔術のために精神力を割く感覚を失ってしまったからね。現代に生きる我らが、魔術を使うとなると精神力を削りすぎてその命さえ危うくなってしまう」
小籠包を一口でパクリと食べ、父は息子の紫の瞳をじっと見つめた。
「だから、くれぐれも多用したり、高度な魔術を使ってはいけないよ。ただでさえ、お前は体が弱いのだから」
その言葉に小聿は頷く。
彼は、器用にレンゲの上の小籠包に穴を開け中から出てきたスープをこくりと飲む。
それから、しょうがやネギを上に乗せ、小さな口で少しずつ食べていく。
そんな息子の様子を、舜棐は目を細めて眺める。
「お前は、本当に何をさせても所作が上品だね」
そう言ってくすくす笑う。
その言葉に、小聿は少し照れくさそうに頬を染めた。
ややあって、彼は兼ねてからの疑問を口にする。
「先ほど父上は、かつて人は魔術のために精神力を自在に扱えた、と仰せでしたが……」
「うん?」
「かつてそうであったなら、鍛錬次第では、自在に魔術を扱うための精神力を宿すことは可能なのでしょうか」
小聿の問いに、帝は目を瞬かせた。
「ふむ……舜堯や彩恩のように鍛錬次第でなれるのかと言うことか……」
その言葉に、小聿は苦笑いをする。
流石に、建国の祖や建国の剣のようになどと大それたことは思いませんが……と小さく呟くと、ふふふと舜棐は小さく笑った。
「無論、訓練次第ではある程度は可能だろう。現に、今お前に魔術を教えてくれいる者はそもそもの才があるだけでなく、若い頃から相当な鍛錬を積んできたそうだ」
小聿の脳裏に、優しい魔術の師の顔が浮かんでは消えた。あの穏やかな師が積んできた鍛錬とはどのようなものなのだろうか。
ーーーー鍛錬でどうにかなるなら、魔術のためにもより精神力をつけたいのだけれども。
父の言う通り、彼は体が弱い。だからこそ、魔術を使うことで生命を脅かす可能性が大いにあるのだ。
ーーーーこれについては、今日の講義の時にでも尋ねてみよう。
小聿は他にも兼ねてから抱いていた疑問を父に尋ねてみることにした。
「そうすると、他の大陸の人々は普段から魔術のための精神の扱い方を訓練しているということでしょうか。聞くに、とある大陸では今でも人々が自在に魔術を扱うというではありませんか」
「なるほど。鏡合わせの大陸の者たちか」
父帝の言葉に小聿は頷く。
鏡合わせの大陸とは、今彼らがいる星森の大陸とちょうど鏡合わせのように星森の申し子が創造した大陸である。しかし、そこにある大小様々な国の中には断絶状態の国もありその実態は掴みきれていない。そのため、彼らがどのように魔術を行使しているのかは現状わかっていない。ただ、向こうの大陸はこちらの大陸とは違い何らかの理由で人々は魔術を行使し続けてきた。だからこそ、聖国のように魔術が衰退していないのだという。
ーーーー彼方の大陸の人々は、どのように魔術を使っているのだろう。彼らが脈々と魔術を行使し続けてきた理由は何なのだろうか。
知らぬことに思いを馳せるのは楽しい。
小聿は生まれてこの方、聖都はおろか、皇宮から一歩も外に出たことがない。だから、外の世界のことを人から聞き、書物を読んでは想像するしかない。真実はどうであれ、こうかもしれない、ああかもしれないとまだ見ぬ世界を、知らぬ世界を想像するだけで心が躍る。
「確かにお前の言うとおり、向こうの大陸の者は我らとは違い人々が自在に魔術を扱うという。我が国とは間違いなく魔術の扱われ方が違うのだ……。聖国の多くの人々にとって、精霊のお力とは特殊な機構を通して限定的に使うものだ。例えばーーーー」
そこまで言って、帝は控えていた侍従に部屋の明かりを消しなさいと命ずる。侍従がその命に従い、部屋の奥にある機構に触れるとふと部屋の明かりが消えて、部屋が薄暗くなる。その後、帝が戻すように言ったので、侍従が再び機構に触れると部屋が明るくなった。
「風の精霊の力を灯に変える機構は、それにしか使えない。機構に触れることで、この周りにある風の精霊の力を使い明かりにするのだが……もはや、人々はこの明かりが精霊のお力を借りたものだということも意識せぬ。だがーーーー」
帝は小さく息を吐き、小さく何かを呟きながら虚空を両の手で切るをように、印を組む。
「風呼び」
ふわり、と優しい風が小聿の顔に当たった。彼の絹のような漆黒の髪がサラサラと揺れる。心地よい風に、小聿はその紫色の瞳を細めた。
「このように、精霊に力を借り受けるための呼びかけの言葉を唱え、それを示す印を組むことで直接精霊たちの力を自在に具現化する術もある。その際は、術者自身の気が必要となるわけだね。向こうの大陸の人々がどのような鍛錬をどの程度しているかはわからぬが、どうやら、特殊な魔具を使って精霊らの力を具現化するそうな」
「特殊な魔具?」
小聿の紫色の瞳をキラキラさせた。
「父上は、その魔具をご覧になったことはあるのですか」
わずかに身を乗り出して尋ねてくる息子を見て、舜棐は喉を鳴らした。
「無論、あるよ。研究のために、魔術省にいくつか保管されているからね。宝石からできていて……たしか、『たりすまん』という名だったかな。ただ、その扱い方までは知らぬ。これはお前の魔術の師の方が詳しかろうよ」
そうですか、と小聿は少し残念な思いでつぶやいた。
ーーーー向こうの大陸の魔具や魔術の使い方を尋ねたら、教えてくれるだろうか。私が魔術を多用することで倒れるのではと魔術省の彼も心配なようだから……。
そんなことを思いながら、彼は茶器に手を伸ばし、ゆっくりとお茶を飲む。
父帝は春巻きを自分の皿に乗せ、同じように息子の皿にも乗せようとする。それを、小聿はもうお腹いっぱいですと言ってやんわりと断った。
「ほとんど食べていないではないか」
父の言葉に、小聿は首を傾げる。
「そうでもありません。父上とわたくしでは体の大きさがずいぶん違います。当然食べる量も違います」
「もちろん、それはわかっているが。それでも、兄や弟妹よりずいぶん食べていない。他の皆はもう少し食べるぞ」
その指摘に小聿は困ったような顔をする。これでも彼にしては十分食べた方なのだ。
「そんなに食べずにいるから、体も弱いままなのだ。しっかり食べて、しっかり眠る、大事なことだ」
「そう言われましても…」
本当にお腹がいっぱいなのです、というと帝はため息をついた。
「では、せめて水菓子でも食べなさい。甘いものならもう少し食べられるだろう?」
幾分強めに言われて、小聿は頷く。
それを側で控えていた給仕が聞き、水菓子を盛った皿を捧げ持ってきた。
「ちゃんと寝てもいるのだろうね?」
父帝の痛い指摘に、小聿はぎくりと肩を震わせる。
それを見逃す父ではない。
「また、お前は本に夢中になって遅くまで起きているのだな?」
「そんな、ことは……」
と答えるも、紫の瞳は泳いでいる。
「ほどほどにしなさいとあれほど言っているのに。そんなに夜更かしをするのならば、作ってあげた書庫は移築してしまうよ?」
「それは困りますっ!」
必死な顔で言う息子を見て、帝は声を立てて笑う。
せっかく作ってもらった幸せな空間が消えてしまうなんて耐えられない!と小聿は思った。
「本当に、お前というやつは…。母の湘子も相当な本好きではあるが、お前の方がそれを遥かに上回るな。読書が楽しいのは大変結構だが、眠りを削るのは良くない。体も強くならないし、大きくなれないよ?」
「…はい。気をつけます……」
小さくなって答える息子を見て、帝はさらに笑いを深めたのだった。
先ほどまでの憂鬱な気分はどこへやら。月の皇子は父帝との穏やかな時を心から楽しんだ。こうした時がこの先も続きますようにと心ひそかに願いながらーーーーいろどりの追憶・第一巻・七十頁
母親の湘子譲りの漆黒の絹髪を綺麗に丫角に結い、父帝からの贈り物である紫水晶の髪飾りを両方に着ける。
「大変お似合いでございますよ。皇子さまの瞳と同じ色の宝石ですね」
乳母の澪が、にっこり笑って褒めてくれた。
それになんとも複雑な表情で頷き、小聿は立ち上がる。
側仕えの蕗隼が渡してきた、扇子と小さな巾着を袂にしまう。
父帝に会うために、用意された衣装は秋らしい金茶色の着物であった。彼は着物を鮮やかに捌き、踵を返すと居室を後にする。
東宮・東の院の車寄せに、馬車が停まっている。それに彼が側近二人と共に乗り込むとゆっくりと馬車は帝がいる本宮へと動き始めた。
小聿はいつも肌身離さず持っている星森の申し子の聖印を小さな手で弄んでいた。
それは、聖国の国教である星森の教えを学び始めた小聿に父帝が贈ってくれた品だった。
『これはね、水晶をあしらった星森の聖印なのだよ。初代皇帝・舜堯と建国の剣・彩恩は、水晶でできた聖印をいつも身につけていたそうだ。それに倣って、お前に水晶をあしらった聖印を贈るよ』
初代皇帝・舜堯と建国の剣・彩恩は、星森の巫女とその夫の元に同日に生を受けた血のつながりのない兄弟だったという。
舜堯は星森の申し子が戦乱の世を治める魂の持ち主として星森の巫女の元に授けた赤子であった。そして、同日に星森の巫女はその身に宿した新たな命を世に送り出したという。それが、舜堯を支え続けた彩恩なのだそうだ。彼らは、星森の巫女に大切に育てられ、やがて森深くにある星森の宮を出て、戦乱の世を治め、聖国を建てた。
そのような建国の偉人たちに縁のある品は自分には過ぎたる物だと思うけれども。
それでも、父の期待に自分が考える形で応えられたらと思う。
ーーーーそれは、この国の主の席につくという形ではない。私はあくまでも、お支えする立場でありたい。
そこまで考えたところで、声がかかった。
「なにを考えておいでです?」
ぼんやり窓の外を眺めながら黙考している皇子に、蕗隼が問いかける。
彼が信仰している星森教の聖印に意味もなく触れる時は、考え事をしている時であることをこの側近たちは知っている。
小聿はどう答えるべきかしばし考え、やがて口を開く。
「どうすれば東の院に居座れるか…と」
小聿は秋の色濃い景色を愛でつつ力無く言う。
「そんなにお嫌ならば、素直に嫌だと仰せになれば良いのでは?」
汝秀に言われ、小聿は力無く笑う。
「それであっさり諦めてくだされば良いが」
蕗隼と汝秀は小聿の言葉に顔を見合わせる。
確かに彼の言うとおり、いやだで帝がひくとは思えない。
小聿は優秀であると同時に、現在、聖国の政において絶大な発言権を持つ左相と血のつながりがない皇子だ。彼が後継となることは、今の左相派一辺倒の聖国の政の勢力図に均衡を取り戻す可能性を秘めている。貴族の利権を何よりも重んじる左相派に一石投じたい今上帝としては、簡単に諦めるわけにはいかないだろう。
しばらく揺られると、やがて三人を乗せた馬車は本宮の車寄せに到着する。
彼らが降りると、迎えの侍従たちが揃って揖礼をして見せる。
侍従たちの案内に従って、三人は帝の待つ聖亮殿にたどり着いた。
ここからは、小聿一人で行かねばならない。
案内をしてくれた侍従たちに礼を言い二人の側近に頷いて見せると、小聿は扉の前まで来て長揖をし、中にいる人に声をかける。
「父上。小聿、参りました」
「お入りなさい」
「はい」
中から聞こえた言葉に応じて、小聿が顔をあげると扉の前に控えていた侍従がその戸を開けた。
ふぅ、と短く息を吐くと、小聿は優雅な足取りで室内に入る。
中に入ると、彼は再び最上の礼をする。
「本日は、お誘いをいただき大変嬉しゅうございます、父上」
「うん。よく来たね。堅い挨拶はやめよう。席につきなさい」
「はい」
父帝の言葉に返事をし、小聿は帝の隣に用意されていた席に着く。
彼が席につくと、帝は優しく微笑んだ。
「ああ、贈った髪飾りをつけてくれたのだね。お前やお前の母の瞳と同じ色の石でできているのだ。よく似合っている」
その言葉に、小聿は過分なるお心遣い痛み入ります、大切に致します、と答える。
「風邪はすっかり良くなったようでよかった。しばらく熱が続いていると太医令から聞いていたから、心配していたんだ」
「ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。おかげさまで、もうすっかり良くなりました」
小聿の言葉に、帝は頷く。
「お前は、兄弟の中で最も体が弱いから心配だよ。それなのに、勉学にも鍛錬にも手を抜かないから……熱心なのはいいが、ほどほどにね」
父の言葉に、小聿は困ったような顔をする。
帝の言う通り、小聿は虚弱体質だ。すぐに熱を出して寝込んでしまう。この秋口も、10日ほど熱が上がったり下がったりで周りにずいぶん心配をかけた。
「気をつけます」
食事が運ばれてくる。
今日の食事は、点心だった。給仕が蒸篭を開けると、ほわりと湯気がたちのぼり美しい点心が並ぶ。
二人は、たわいのない話をしながら点心を食べる。
「そういえば、夏頃からずいぶん熱心に魔術も学んでいるのだとか。剣や弓だけでは飽き足りぬか」
父の言葉に、小聿はああと声をあげる。
舜堯帝と源彩恩がこの聖国を建国したのち、とある事情で魔術は衰退してしまった。そのため、聖国では誰でも魔術を扱えるわけではない。学ぶ術は非常に限られている。現在、この国で魔術を学ぶとしたら、魔術学院に行くか聖国の最高学府である秀英院大学の魔術学部に行くか、実際に魔術を扱える者から直接教わるしかない。小聿は、東宮に魔術省の官僚に講師としてきてもらい、魔術の鍛錬をしている。
「魔術は、天地万物の創造主である申し子さまや精霊さまのお力をお借りする術。申し子さまや精霊さまを信ずる者としてそのお力を感じられる魔術は魅力的ですから」
理由は他にもあるのだが、父が不安を覚えることのない答えのみを彼は口にする。
帝はなおも続ける。
「聞いたぞ。現代魔術だけでなく、古代魔術にも手を出しているそうではないか。魔術省の者が、もう手に負えないと嘆いていたぞ」
「いにしえの魔術は、奥が深くて面白いのですよ。現代魔術の基礎であり、それを学ぶことで扱える術の幅も広がりますゆえ」
にっこり笑って彼はいう。
古代魔術とは創造主である星森の申し子の力を借りる魔術で、時間や空間に一時的に干渉する。
「お前のその知識欲には脱帽するよ」
ふふふ、と小聿は笑う。
ーーーーまさか、自分の身を守るために、あまり扱える人間がいない古代魔術にまで手を出している、とはいえまい。
小聿が古代魔術を学び始めたのは、相手に手の内が読まれにくい手札を一枚でも多く持ちたいがためだ。
「扱えるようになったものの中に、反重力の魔法陣を展開するものがあるのです。父上が誂《あつら》えてくださった書庫の上の方の本を取るのに大変重宝しております」
「これまた、独特な使い方を……。さような目的のために学んでいるとは、星森の申し子さまも驚いておいでだろう」
小聿は小首を傾げた。
「怒られてしまうでしょうか?」
彼の言葉に父は笑った。
「まぁ、力を悪用しなければ多少私欲のために使ってもお許しくださるだろうよ」
父の言葉に、小聿はよかったと心底ホッとしたような顔をする。
「父上は、魔術にはご興味はないのですか」
蒸し餃子を小さな口で少しずつ食べながら、小聿は父に問う。
父はそうだなぁと言ってパクリと一口で焼売を食べ、飲み込んで再び口を開いた。
「現代魔術の基礎は知識としても学んでいるし、多少は扱える。お前も知っての通り、聖国皇家の始祖・舜堯は星森の申し子の末裔だと言われている。我らは申し子さまの血もこの身に宿しているのだ」
父の言葉に小聿は頷き、胸に下げた聖印をそっと撫でた。それは、星森の申し子と五大精霊を人々が側に感じるために身につける物だ。小聿はその聖印を父から贈られ、以来、肌身離さず持っている。
「聖国では魔術が衰退してきているとはいえ、申し子さまの血を受け継ぐ我らが魔術を扱えなくなるわけにはいかないからね……。だから、朕《わたし》も精霊たちの力は少しだけども扱える」
彼はそう言って、小声で精霊への呼びかけの詞《ことば》を唱え両手で印を結ぶ。
「水呼び」
最後にピッと右手の人差し指を空のグラスに差し向けると、グラスに水が注がれた。
「けれど、本当に基礎の基礎であるし、複雑なものは扱えない。お前のように申し子さまのお力を借りる古代魔術までは……。それに、魔術を使うと精神力が削られて疲れてしまうからね。そう多用するものでもない」
その言葉にそうですねと小聿は頷く。
現代魔術にしても、古代魔術にしても、力を借りる対象が星の創造主たる星森の申し子か申し子に仕えた五大精霊であるかの違いだけで、魔術の根本はその術者の精神力だ。魔術を使えばその分、精神力は削られ、下手をすれば生命維持さえ危うくなる。小聿とてむやみやたらに魔術を使おうとは思わない。そこまで考えて、誰にでもなく言い訳を心の中で呟く。
ーーーー上の方の本を取るのは、私にとってはとても大事なことだから。
父は箸をのばし、自分の皿の上に置かれたレンゲに小籠包を乗せる。そして、息子のレンゲにも同じものを乗せた。ありがとうございます、と小聿が言うと父は優しく微笑んだ。
「いにしえの人々は程度の差はあれ魔術のために精神力を自在に扱えたそうだ。けれど、それから千三百と幾年。人は不要な力や能力は自然と使わなくなり、やがてその使い方を忘れてしまう」
残念な話ではあるけどね……と舜棐は言ってレンゲにそっと小籠包を乗せる。
「聖国の者の多くは魔術のために精神力を割く感覚を失ってしまったからね。現代に生きる我らが、魔術を使うとなると精神力を削りすぎてその命さえ危うくなってしまう」
小籠包を一口でパクリと食べ、父は息子の紫の瞳をじっと見つめた。
「だから、くれぐれも多用したり、高度な魔術を使ってはいけないよ。ただでさえ、お前は体が弱いのだから」
その言葉に小聿は頷く。
彼は、器用にレンゲの上の小籠包に穴を開け中から出てきたスープをこくりと飲む。
それから、しょうがやネギを上に乗せ、小さな口で少しずつ食べていく。
そんな息子の様子を、舜棐は目を細めて眺める。
「お前は、本当に何をさせても所作が上品だね」
そう言ってくすくす笑う。
その言葉に、小聿は少し照れくさそうに頬を染めた。
ややあって、彼は兼ねてからの疑問を口にする。
「先ほど父上は、かつて人は魔術のために精神力を自在に扱えた、と仰せでしたが……」
「うん?」
「かつてそうであったなら、鍛錬次第では、自在に魔術を扱うための精神力を宿すことは可能なのでしょうか」
小聿の問いに、帝は目を瞬かせた。
「ふむ……舜堯や彩恩のように鍛錬次第でなれるのかと言うことか……」
その言葉に、小聿は苦笑いをする。
流石に、建国の祖や建国の剣のようになどと大それたことは思いませんが……と小さく呟くと、ふふふと舜棐は小さく笑った。
「無論、訓練次第ではある程度は可能だろう。現に、今お前に魔術を教えてくれいる者はそもそもの才があるだけでなく、若い頃から相当な鍛錬を積んできたそうだ」
小聿の脳裏に、優しい魔術の師の顔が浮かんでは消えた。あの穏やかな師が積んできた鍛錬とはどのようなものなのだろうか。
ーーーー鍛錬でどうにかなるなら、魔術のためにもより精神力をつけたいのだけれども。
父の言う通り、彼は体が弱い。だからこそ、魔術を使うことで生命を脅かす可能性が大いにあるのだ。
ーーーーこれについては、今日の講義の時にでも尋ねてみよう。
小聿は他にも兼ねてから抱いていた疑問を父に尋ねてみることにした。
「そうすると、他の大陸の人々は普段から魔術のための精神の扱い方を訓練しているということでしょうか。聞くに、とある大陸では今でも人々が自在に魔術を扱うというではありませんか」
「なるほど。鏡合わせの大陸の者たちか」
父帝の言葉に小聿は頷く。
鏡合わせの大陸とは、今彼らがいる星森の大陸とちょうど鏡合わせのように星森の申し子が創造した大陸である。しかし、そこにある大小様々な国の中には断絶状態の国もありその実態は掴みきれていない。そのため、彼らがどのように魔術を行使しているのかは現状わかっていない。ただ、向こうの大陸はこちらの大陸とは違い何らかの理由で人々は魔術を行使し続けてきた。だからこそ、聖国のように魔術が衰退していないのだという。
ーーーー彼方の大陸の人々は、どのように魔術を使っているのだろう。彼らが脈々と魔術を行使し続けてきた理由は何なのだろうか。
知らぬことに思いを馳せるのは楽しい。
小聿は生まれてこの方、聖都はおろか、皇宮から一歩も外に出たことがない。だから、外の世界のことを人から聞き、書物を読んでは想像するしかない。真実はどうであれ、こうかもしれない、ああかもしれないとまだ見ぬ世界を、知らぬ世界を想像するだけで心が躍る。
「確かにお前の言うとおり、向こうの大陸の者は我らとは違い人々が自在に魔術を扱うという。我が国とは間違いなく魔術の扱われ方が違うのだ……。聖国の多くの人々にとって、精霊のお力とは特殊な機構を通して限定的に使うものだ。例えばーーーー」
そこまで言って、帝は控えていた侍従に部屋の明かりを消しなさいと命ずる。侍従がその命に従い、部屋の奥にある機構に触れるとふと部屋の明かりが消えて、部屋が薄暗くなる。その後、帝が戻すように言ったので、侍従が再び機構に触れると部屋が明るくなった。
「風の精霊の力を灯に変える機構は、それにしか使えない。機構に触れることで、この周りにある風の精霊の力を使い明かりにするのだが……もはや、人々はこの明かりが精霊のお力を借りたものだということも意識せぬ。だがーーーー」
帝は小さく息を吐き、小さく何かを呟きながら虚空を両の手で切るをように、印を組む。
「風呼び」
ふわり、と優しい風が小聿の顔に当たった。彼の絹のような漆黒の髪がサラサラと揺れる。心地よい風に、小聿はその紫色の瞳を細めた。
「このように、精霊に力を借り受けるための呼びかけの言葉を唱え、それを示す印を組むことで直接精霊たちの力を自在に具現化する術もある。その際は、術者自身の気が必要となるわけだね。向こうの大陸の人々がどのような鍛錬をどの程度しているかはわからぬが、どうやら、特殊な魔具を使って精霊らの力を具現化するそうな」
「特殊な魔具?」
小聿の紫色の瞳をキラキラさせた。
「父上は、その魔具をご覧になったことはあるのですか」
わずかに身を乗り出して尋ねてくる息子を見て、舜棐は喉を鳴らした。
「無論、あるよ。研究のために、魔術省にいくつか保管されているからね。宝石からできていて……たしか、『たりすまん』という名だったかな。ただ、その扱い方までは知らぬ。これはお前の魔術の師の方が詳しかろうよ」
そうですか、と小聿は少し残念な思いでつぶやいた。
ーーーー向こうの大陸の魔具や魔術の使い方を尋ねたら、教えてくれるだろうか。私が魔術を多用することで倒れるのではと魔術省の彼も心配なようだから……。
そんなことを思いながら、彼は茶器に手を伸ばし、ゆっくりとお茶を飲む。
父帝は春巻きを自分の皿に乗せ、同じように息子の皿にも乗せようとする。それを、小聿はもうお腹いっぱいですと言ってやんわりと断った。
「ほとんど食べていないではないか」
父の言葉に、小聿は首を傾げる。
「そうでもありません。父上とわたくしでは体の大きさがずいぶん違います。当然食べる量も違います」
「もちろん、それはわかっているが。それでも、兄や弟妹よりずいぶん食べていない。他の皆はもう少し食べるぞ」
その指摘に小聿は困ったような顔をする。これでも彼にしては十分食べた方なのだ。
「そんなに食べずにいるから、体も弱いままなのだ。しっかり食べて、しっかり眠る、大事なことだ」
「そう言われましても…」
本当にお腹がいっぱいなのです、というと帝はため息をついた。
「では、せめて水菓子でも食べなさい。甘いものならもう少し食べられるだろう?」
幾分強めに言われて、小聿は頷く。
それを側で控えていた給仕が聞き、水菓子を盛った皿を捧げ持ってきた。
「ちゃんと寝てもいるのだろうね?」
父帝の痛い指摘に、小聿はぎくりと肩を震わせる。
それを見逃す父ではない。
「また、お前は本に夢中になって遅くまで起きているのだな?」
「そんな、ことは……」
と答えるも、紫の瞳は泳いでいる。
「ほどほどにしなさいとあれほど言っているのに。そんなに夜更かしをするのならば、作ってあげた書庫は移築してしまうよ?」
「それは困りますっ!」
必死な顔で言う息子を見て、帝は声を立てて笑う。
せっかく作ってもらった幸せな空間が消えてしまうなんて耐えられない!と小聿は思った。
「本当に、お前というやつは…。母の湘子も相当な本好きではあるが、お前の方がそれを遥かに上回るな。読書が楽しいのは大変結構だが、眠りを削るのは良くない。体も強くならないし、大きくなれないよ?」
「…はい。気をつけます……」
小さくなって答える息子を見て、帝はさらに笑いを深めたのだった。
先ほどまでの憂鬱な気分はどこへやら。月の皇子は父帝との穏やかな時を心から楽しんだ。こうした時がこの先も続きますようにと心ひそかに願いながらーーーーいろどりの追憶・第一巻・七十頁
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