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18-悪役復活
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「婚約を無かったことに…?」
この王子は急に何を言い出すのだろう。
「そ、それはどう言う…」
「婚約を無かったことにして欲しいんだ。2度も言わせるなよ、ルーク」
先程まで何を考えているか分からなかった瞳は偽るのを辞めたのか、冷たい瞳で僕を見ている。
あぁ、そうだ。これだ。僕はずっとこの目に見られてきた。この目に慣れて生きてきた。ラルクがおかしいのだ、アーノルドが普通だ。
「…ふっ…ふふ」
思わず笑いが漏れる。
そう…これだ!僕が求めていたもの…
断罪、救いへの道標…僕がルークである意味だ!!
自分で死ねなくなった今、アーノルドのこの瞳が僕を殺す。アーノルドが僕をこの瞳で射抜く限り、僕は断罪ルートを走っていられる。
「何がおかしいんだい?ルーク。…それに君は覚えていないかもしれないが、僕たちは1度きりしか会ったことがない。
君と親しくなった覚えもない。この婚約は父上たちが勝手に決め…」
「何を仰っているのです?アーノルド王子」
僕はアーノルド王子を真っ直ぐ見る。
「婚約をなかったことになど出来ませんよ王子。確かに私たちの婚約を決めたのは父上たち。
だからと言って王子は自分のお父上が決めたことに逆らうと言うのですか。
この先国王となるお方に、逆らう自由がお在りになると?」
今ここで婚約を解消されれば、ルークが断罪されなくなる。アーノルドにとって婚約者でもない奴を断罪する意味などない、ましてや公開処刑でギロチンなんて尚更だ。今ここでの破棄など絶対にあってはならない。
僕は向かいに座るアーノルド王子の元に向かう。
そのまま目を見開いている王子をソファの背もたれに手を付き王子の耳元に顔を近づける。
「貴方がそんな頭がお花畑で能天気だとは思いませんでしたよ。アーノルド王子」
「…っなに…!?」
にやりと悪役さながらの笑顔で王子に続ける。
「所詮俺らは父上たちの都合のいい玩具。
俺は貴方の子どもを産むだけの雌。貴方はシュバルツ家の子どもを作るだけの雄。
俺たちに選択出来る権利などない。
生まれた時から分かっていたことでしょ?俺たち貴族はそういう運命ではありませんか」
「ッ…僕はそんなの望んでいない!そんな運命など認めない…!」
可哀想に。嫌だよね。親に縛られる人生なんて。
でも安心して、僕と婚約さえしていればアーノルドは救われる。主人公と素敵な恋をして幸せになれる。
だから僕が断罪されるまでは我慢してもらわないと。
「王子が認めなくたって関係ないのですよ。だって貴方自身に価値なんてないんだもの」
僕は顔を青くして固まっているアーノルドの頬に手を添える。
「可哀想なアーノルド」
大丈夫だよ。僕が君を幸せにしてあげる。
だからどうか今は…
「どうせ自由などないなら、今だけでもこの馬鹿みたいな婚約を楽しみましょう?ね、アーノルド様」
この王子は急に何を言い出すのだろう。
「そ、それはどう言う…」
「婚約を無かったことにして欲しいんだ。2度も言わせるなよ、ルーク」
先程まで何を考えているか分からなかった瞳は偽るのを辞めたのか、冷たい瞳で僕を見ている。
あぁ、そうだ。これだ。僕はずっとこの目に見られてきた。この目に慣れて生きてきた。ラルクがおかしいのだ、アーノルドが普通だ。
「…ふっ…ふふ」
思わず笑いが漏れる。
そう…これだ!僕が求めていたもの…
断罪、救いへの道標…僕がルークである意味だ!!
自分で死ねなくなった今、アーノルドのこの瞳が僕を殺す。アーノルドが僕をこの瞳で射抜く限り、僕は断罪ルートを走っていられる。
「何がおかしいんだい?ルーク。…それに君は覚えていないかもしれないが、僕たちは1度きりしか会ったことがない。
君と親しくなった覚えもない。この婚約は父上たちが勝手に決め…」
「何を仰っているのです?アーノルド王子」
僕はアーノルド王子を真っ直ぐ見る。
「婚約をなかったことになど出来ませんよ王子。確かに私たちの婚約を決めたのは父上たち。
だからと言って王子は自分のお父上が決めたことに逆らうと言うのですか。
この先国王となるお方に、逆らう自由がお在りになると?」
今ここで婚約を解消されれば、ルークが断罪されなくなる。アーノルドにとって婚約者でもない奴を断罪する意味などない、ましてや公開処刑でギロチンなんて尚更だ。今ここでの破棄など絶対にあってはならない。
僕は向かいに座るアーノルド王子の元に向かう。
そのまま目を見開いている王子をソファの背もたれに手を付き王子の耳元に顔を近づける。
「貴方がそんな頭がお花畑で能天気だとは思いませんでしたよ。アーノルド王子」
「…っなに…!?」
にやりと悪役さながらの笑顔で王子に続ける。
「所詮俺らは父上たちの都合のいい玩具。
俺は貴方の子どもを産むだけの雌。貴方はシュバルツ家の子どもを作るだけの雄。
俺たちに選択出来る権利などない。
生まれた時から分かっていたことでしょ?俺たち貴族はそういう運命ではありませんか」
「ッ…僕はそんなの望んでいない!そんな運命など認めない…!」
可哀想に。嫌だよね。親に縛られる人生なんて。
でも安心して、僕と婚約さえしていればアーノルドは救われる。主人公と素敵な恋をして幸せになれる。
だから僕が断罪されるまでは我慢してもらわないと。
「王子が認めなくたって関係ないのですよ。だって貴方自身に価値なんてないんだもの」
僕は顔を青くして固まっているアーノルドの頬に手を添える。
「可哀想なアーノルド」
大丈夫だよ。僕が君を幸せにしてあげる。
だからどうか今は…
「どうせ自由などないなら、今だけでもこの馬鹿みたいな婚約を楽しみましょう?ね、アーノルド様」
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