死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

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23-悪役名誉挽回

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あれから夕食を終え、ラルクに地獄の寝室に連行され、甲斐甲斐しく寝る前の世話を受けていた。


ドレッサーの前に座らされ、花の良い香りがするオイルを髪に付けられ、櫛で髪を梳かされる。


「ルーク様、良い香りですね」


「…お前がオイルを付けてるからだろ」


怖い怖い怖い怖い…。

ドレッサーの鏡越しによくラルクと目が合う。

アーノルドと会ってからラルクは1ミリも目が笑っていない。
いや、僕といて楽しそうでいられても困るけど。断罪して欲しいから。

ふいにラルクが目を細め、懐かしむような目をする。


「…おれがまだ小さい頃、母上にもよくこうして髪を梳かしてました。小さいおれにはこれしか出来なかったから」


「………」


母上か。ラルクには自分を愛してくれる母親がいたんだ。

…羨ましいな。




「ルーク様は似ているんです。顔は似ていないけど、纏う雰囲気が……おれは母に何も出来なかった。だから、ルーク様には……」


そうラルクに言われた瞬間、僕は咄嗟に感じた。

あ、これは駄目だ。軌道修正しないと。


僕は今、断罪ルートから外れている。




僕は立ち上がりラルクの手首を掴み、ベッドに投げ捨てる。


「っ…ルークさま!何を…!」


ベッドに沈んだラルクの身体の上に跨る。


「ラルク…お前調子に乗るなよ。俺はお前の母親じゃないんだよ。お前と俺は家族でもなければ、兄弟でもない…」


ラルクのシャツのボタンを外していく。


「奴隷と主人、だろ?」

ちゅっ…


昼間アーノルドにやられたのを真似てラルクの胸元に口付け、舐める。


断罪のため、断罪のため、断罪のため、
これは断罪のため…

僕はされて嫌だった。可愛い女の子なら嬉しいかもしれないけど。アーノルドに舐められ、噛まれ…ラルクにもさっきやられたし、これは仕返しで嫌がらせだ。

噛まれたのクソ痛かったんだからな…今も皮膚が引きつって痛いし。絶対許さない。

ラルクの顔を見遣る。

顔真っ赤にして、すっごい間抜けズラ…。結構これはこれで楽しいかもしれない。

僕は今の気分のまま笑う。



「それともお前はさぁ…


自分の母親ともこういうことをするの?」



ラルクの瞳に力が宿り、僕を睨みつける。

やった…!絶対に怒った。
これでラルクとの関係も挽回できる…!
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