死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

学園入学編

63‐不安

それからピアスを免罪符に僕はアーノルドに抵抗することを許されなくなった。解せぬ。

でも、耳を切られるのは嫌だし、ピアスを理由にラルクに何かされても困る。

と言うか仲良くしてください(絶望)


しばらく時間が経った後も度々アーノルドが訪れ、ラルクといがみ合い、こっそり隙をついて、時には王子という立場を利用して父上を使い僕を手篭めにして、ラルクに見つかり、僕が何とか止めて殺し合いにあと少しでなりそうなギリギリの雰囲気で帰る。
そして怒ったラルクにまた僕が手篭めにされる。

という地獄の手篭めルーティンを繰り返しなんやかんやで2年が過ぎてしまった。






高そうな金の装飾がされた封筒に入っている学園への案内が家に届く。


金持ち学校は封筒まで金か。悪趣味だな。
ラルクは僕よりも1つ年下なので、本当はもう1年待たねばならないが、僕の弟として父上が学園に特別許可をさせて僕と同学年に入学の契約をさせたらしい。


父上も心配症だな。いや、確かに貴方の勘は正しい。僕の…ルークの断罪の舞台になるのだから。


そしてもう1人特別入学の生徒がいるはずだ。


名前はアレン。平民出身だから名字はない。

何を隠そう、このアニメ世界の主人公。


僕が断罪されるきっかけとなる人物。


彼は僕とは真逆の数少ない光魔法の使い手。その事で平民だが魔法学園へ特別入学が許される。


だが、そこで嫉妬深いルークに目をつけられいじめられる。


僕にとっての1番の課題。

僕なんかがいじめなんてできるのか。
あの純粋無垢を体で表したようなキャラを、貶めることができるのだろうか。




そんな不安をもんもんと感じて考えていると、入学式の日はあっという間に来てしまった。