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「え……で、でも」

バイトの前に少しだけ……とはいえ、そんなに時間はない。

けれど、成瀬の意思は固く……

「大丈夫、ほんの5分ぐらいでもいいんだ。陽斗君と一度、ゆっくり話してみたくてさ」

「5分……なら、いいけど、結局ゆっくり話せないんじゃね?」

「まぁ、そうかもね」

俺のツッコミに、成瀬は苦笑する。

そやなこんなで、駅に着くと、俺は成瀬と一緒にコンビニの近くの公園へ移動した。

・・・

「はい、これでいい?」

「あ、うん。ありがと」

公園の自販機で、成瀬がペットボトルのジュースを2本買ってベンチに戻ってきた。

お互い一口飲み、一息つく。

それから、成瀬がポツリと話し始めた。

「……陽斗君、聞いてもいい?」

「うん、なに?」

聞き返すと、成瀬はもう一度ペットボトルに口をつけてから、チラリと視線をよこした。

「もし嫌だったらごめん、なんだけど……陽斗君て、よく女顔とか、可愛いって言われない?」

「うっ……」

いきなり図星をつかれ、俺は顔をひきつらせた。

そういう言葉は、幼い頃から言われる事が多い。

しかし、恋愛に発展したのは優真が初めてだ。

それにしても、成瀬はなぜそんな事を聞くのだろうか。

疑問に思っていると、ふいに、顔を覗き込まれてドキリとする。

「陽斗君……」

「なっ、なに?」

成瀬の目が、唇が、やけに艶っぽく見えて、俺は思わず目をそらす。

と、気配が近付き、耳元に熱い息がかかった。

「可愛い……俺、好きになっちやったみたい」

「……っ!」

これは……紛れもない、告白……?

緊張で息を詰まらせ、俯いていると、そっと手を取られた。

そして、成瀬は改めて言う。

「俺、陽斗君の事が好きなんだ」

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