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2ヶ月後
2ヶ月後
「夜の病院って何か怖くないか?」
「そうか」
自動販売機で飲み物を買いに休憩スペースへと向かった彼とコオお兄ちゃん。
ナースステーションに明かりは灯っているが、しーんと静まり返って誰もいない。物音ひとつしない。まるで水のそこにいるようだ
水を浴びせられたような恐怖に襲われる二人。
「さっさと買って四季のところに戻ろう」
「そうしよう」
眠気覚ましに微糖の缶コーヒーを五本買っているとカツカツと靴音がどこからか聞こえてきた。
「そういえばおっさん幽霊の目撃情報があとをたたないらしい」
「この状況で怖いことを言うな」
「四季が心配だ」
「そうだな」
急いで病室に戻ろうとした二人の目の前を黒い影が横切った。衿元を冷たい手で撫でられるようにぞっとする二人。
「おぃ、何をしているんだ!」
薄暗い廊下の奥から聞こえてきたのは弓削さんの声だった。
「助かった……」
「良かった……」
ほっとため息をつく二人。でも、本当の恐怖はこれからだった。
「ギャァァーー!」
「でたぁーー!」
彼とコオお兄ちゃんの叫び声に驚いて起きようとしたら、
「弓削がいるから心配ない。まだ寝てろ」
ヤスお兄ちゃんに止められた。
「おっさん幽霊も大変だな。わざわざこっちまで来なくてはならないんだから」
「明日は我が身だ。身につまされる想いだ」
「俺らのオヤジはそんなことはしない。誰一人見捨てない。そもそも器が違う」
うんうんとヤスお兄ちゃんが大きく二回頷いた。
「あの~~ヤスお兄ちゃん、蜂谷さん、幽霊の正体が誰か分かったんですか?」
「いや、正確には分からない」
「でも一つだけ言えるのは、おっさん幽霊を騙った罰当たりな連中がいるということだ」
青空さんは微動だにせず険しい表情でドアの隙間から外の様子を伺っていた。
「人を驚かせて何が楽しんだか。俺には理解出来ない」
「はた迷惑な連中にはそのうち天罰が下りる」
蜂谷さんが青空さんの肩をぽんぽんと撫でた。
「そうか」
自動販売機で飲み物を買いに休憩スペースへと向かった彼とコオお兄ちゃん。
ナースステーションに明かりは灯っているが、しーんと静まり返って誰もいない。物音ひとつしない。まるで水のそこにいるようだ
水を浴びせられたような恐怖に襲われる二人。
「さっさと買って四季のところに戻ろう」
「そうしよう」
眠気覚ましに微糖の缶コーヒーを五本買っているとカツカツと靴音がどこからか聞こえてきた。
「そういえばおっさん幽霊の目撃情報があとをたたないらしい」
「この状況で怖いことを言うな」
「四季が心配だ」
「そうだな」
急いで病室に戻ろうとした二人の目の前を黒い影が横切った。衿元を冷たい手で撫でられるようにぞっとする二人。
「おぃ、何をしているんだ!」
薄暗い廊下の奥から聞こえてきたのは弓削さんの声だった。
「助かった……」
「良かった……」
ほっとため息をつく二人。でも、本当の恐怖はこれからだった。
「ギャァァーー!」
「でたぁーー!」
彼とコオお兄ちゃんの叫び声に驚いて起きようとしたら、
「弓削がいるから心配ない。まだ寝てろ」
ヤスお兄ちゃんに止められた。
「おっさん幽霊も大変だな。わざわざこっちまで来なくてはならないんだから」
「明日は我が身だ。身につまされる想いだ」
「俺らのオヤジはそんなことはしない。誰一人見捨てない。そもそも器が違う」
うんうんとヤスお兄ちゃんが大きく二回頷いた。
「あの~~ヤスお兄ちゃん、蜂谷さん、幽霊の正体が誰か分かったんですか?」
「いや、正確には分からない」
「でも一つだけ言えるのは、おっさん幽霊を騙った罰当たりな連中がいるということだ」
青空さんは微動だにせず険しい表情でドアの隙間から外の様子を伺っていた。
「人を驚かせて何が楽しんだか。俺には理解出来ない」
「はた迷惑な連中にはそのうち天罰が下りる」
蜂谷さんが青空さんの肩をぽんぽんと撫でた。
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