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Part2 Rasidensy Days of the Southern Hospital
Chapter_03.ナース東風平(こちんだ)、一騎討ち!(2)勉、整形外科医になる~顔合わせ
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At the Southern Hospital, Nakagusuku Village, Okinawa; July 1, 1999.
The narrator of this story is Tsutomu Uema.
そして、一九九九年がやってきた。
僕は、婦人科と麻酔科、救急診療の研修をこなしながら、どうにかUSMLE (アメリカ医師資格試験)の step two を取得した。TOEFLの五〇〇点は学生時代に一度だけクリアしていたので(まぐれだけど)、そのときのスコアをサザンに提出しておいた。これでサザン・ホスピタルからの奨学金は全額返済免除が確定したわけだ。やれやれ、一安心。あとはTOEFLで五五〇点以上と、CSA(臨床実技試験)を取れば、アメリカの医師免許が下りる。
「上間先生ならもう時間の問題でしょ」
みなさん、そうおっしゃるけど、CSAは一発勝負らしい。きっちり訓練積まなくっちゃ。
世紀末やらミレニアムやら恐怖の大王が七月にどうこうと世間が大騒ぎしはじめた頃、僕はとうとう新米の整形外科医として歩み始めた。
今回、僕には指導医が二人ついた。一人は伊東武弘先生。もう一人は有馬美樹先生だ。僕らは毎朝、サザン・ホスピタルの整形外科病棟へ回診に出向き、患者さんの病状をチェックした。
伊東武弘先生はサザン・ホスピタルの外科主任。もともと救急センター(ER)に在籍し、主に消化器系・循環器系の疾病に携わっていた。ER出身なので、ハブ咬症や海洋生物毒 (イモガイやクラゲなど)にも詳しい。整形外科は三年目、僕にとっては琉海大の先輩でもある。
エネルギッシュな兄貴分というのがぴったりな方で、よく飲みに連れて行ってもらった。彼の存在は、僕の医者人生に重大な影響を及ぼした。僕が後に琉海大の医局から出てもいいなと思ったのは、自分で人脈を作って可能性を広げていく生き方を実践していた伊東先生をずっと見てきたからだ。
有馬美樹先生は、有馬という同姓のドクターが内科にいるので名前の美樹先生で呼ばれていた。整形外科では珍しい女性ドクターだ。ちょうどドイツでのスポーツ外科研修から帰国されたところだった。
「切れ者」とはまさに彼女を形容する言葉だ。オペのメスさばきはほれぼれするくらい、良かった。スレンダーな体型に加え、歯に衣着せないハッキリした応対はむしろ患者さんやナースたちに好感を持って迎え入れられた。もっとも、サザン・ホスピタルのアメリカ的な雰囲気が彼女に合っていたともいえる。オフの美樹先生はこれまたカッコよかった……そう、美人というよりハンサムという言葉がぴったりな方ですね。あの方を彼女にするのは大変だと思います。「仕事が人生の伴侶」が口癖でしたし。
最初の飲み会でのお召し物は忘れられない。なんと、黒のぴっちりしたノースリーブのチャイナ風ブラウスに、これまた黒のスリット入りタイトミニスカート、そして、大柄の編みタイツに加えて真っ赤なハイヒールっすよ! しかも僕、隣に座っていました。ちょっとラッキー! ……あ、でも、彼女はヘビースモーカーなのだった。
年上でヘビースモーカーの女性といえば、僕はすぐにフィッシュを思い出してしまう。フィッシュが僕の前から姿を消して、もう五年になるのか。
僕はあれから誰とも付き合っていない。いや、付き合おうという気すら起こらなかった。十一も年上の女性と一旦付き合ってしまうと、どうも他の女性は幼く思えてしまう。サザン・ホスピタルにはナースがわんさといた。若くてかわいい方ばかりで、毎日眺めているだけでかなり幸せだったのだが、職場恋愛となると僕には別世界のように思えた。
そういえば、フィッシュがタロットカードを手に、こんなこと言ってたっけな。
「トミー、あんたは運がいい。これまではしんどい人生だったかもしんないけど、あんたが真面目に生きている限り、神様はあんたを見捨てたりはせえへん。五年くらいたったら、あんたに素敵な人が現れる。その人を捉えたら、絶対に離したらあかんで」
五年経つけどあんたほどの女はいないぜ、フィッシュ。たとえ、あんたがレズビアンだったとしてもだ。
俺はいい先輩や同僚に恵まれて、なんとか医者として生きているよ。
あんたは今、どこかで幸せなのかい?
いいよ、俺。まだドクターとしては新米だし、三十過ぎくらいまで女はいらない。三十超えて、財産もそれなりに築いて、医者として一人前になったら、ちょっと考えるかもしれないけど、今はまだいいや。
と、本気で考えていた。あの事件が起こるまでは。
七月一日。整形外科病棟ナースステーションに到着すると、そこには看護師長に配属されたマギーと数名の看護師、そして新人ナースの女の子が二人いた。
一人は、身長が165㎝くらいで、長い髪を後ろに一つ結びにしている。二重まぶたに、目鼻立ちがくっきりとして、口元がきりっと締まった美人だ。もう一人は、もうちょっと背が低く、やせっぽっちでおさげ頭、分厚い眼鏡をかけている。
“Good morning, Mrs. Smith.”
(おはよございます、スミス師長)
僕ら三名はマギーに挨拶をした。
“Today, I’d like to introduce to our new staff members. Please introduce yourself!”
(今日は新しいスタッフを紹介します。自己紹介して!)
二人の新人が弾かれたように前へ出た。
“How do you do. My name is Rika Aguni.”
(初めまして、粟国里香です)
“Nice to meet you. My name is Chiaki Tsuda.”
(お会いできて光栄です、津田千秋です)
「Nice to see you ! うわ、かわいいじゃん。僕は伊東武弘といいます」
「里香さん、千秋さん、私たちみんな日本人よ。有馬美樹といいます。よろしくね」
「上間勉です。新米ですが、どうぞよろしく」
型どおりの挨拶を交わすと、粟国さんが僕らの方を見てにっこりした。
「よかった。英語しか使えないと思って、すごく緊張してたんです」
「外国の患者さんとか、マギー師長とは英語になると思うけど、あとはゆっくり慣れていってください。できるだけ長く勤めてほしいので、がんばって」
美樹先生が受け答えしている中、マギーは一人、腕時計を睨んでいた。
僕はこの光景をはっきりと覚えている。二〇〇〇年になってから、院内感染防止のためスタッフ全員に腕時計の着用が禁止されたのだ。それから、聴診器を首にかけたままにするのもご法度になった。僕は一度、首にぶら下げたままソーキそばを食べて聴診器をラードまみれにしたことがあり、それ以来きっぱり辞めた。その後、ルールが施行された後も、首に掛けたままにしていて、注意を受ける同僚をちょくちょく見かけた。もちろん、アクセサリー類はその前から全面禁止だった。
“There is another new member, I haven’t seen her yet today.”
(もう一人いるけど、今日はまだ会ってないわ)
そうマギーがつぶやいたときだ。遠くから駆け寄ってくる人影があった。
“I’m so sorry I’m late!”
(すみません、遅れました!)
声を聞いて僕は驚いた。なんと、多恵子だ!
「お前、ここになったのか?」
僕が声を掛けると、多恵子が息を整えながら答えた。
「そう、今日からここなの。来週からと勘違いして、オペ室でスタンバイしてた」
「ばっかだなぁお前!」
僕は早速、マギーに向き直った。僕が説明しなくちゃと思いこんだのだ。
“Ah, let me explain this time. She’s not late but she was preparing for an operation. You know that she’s an operating-room nurse. She assumed that she would come here next week instead.”
(ええと、説明します。彼女は遅れたわけではなく手術室で準備をしていたんです。ご存知ですよね、彼女、オペ看なので。来週こちらへ来ると勘違いしていたようで)
しゃべった後で、いらぬおせっかいだったかもと反省した。第一、僕がかばう必要なんて全然ない。多恵子に英語しゃべらせれば良かった。
“That’s right. Mrs. Smith, I’m really sorry.”
(その通りです。スミス師長、本当にすみませんでした)
多恵子はひたすら謝っている。
“Don’t worry about it. Go ahead and introduce yourself.”
(この件はもういいわ。さあ、自己紹介して)
“My name is Taeko Kochinda. Please call me Taeko.”
(東風平多恵子です。多恵子と呼んでください)
ぴょこんと頭を下げる多恵子に、先生たちが話しかけた。
「伊東です。よろしく」
「私は有馬です。よろしく。で、上間先生とはお知り合い?」
「近所の同級生です。おっちょこちょいな奴ですが、よろしくお願いします」
僕の返事を聞いた伊東先生が苦笑いした。
「上間が挨拶してどうするんだよ」
そういえば、そうだ。こいつといると、どうも調子狂うなー。
「多恵子さん、遅刻は厳禁です。これからは気をつけて」
おおっと。やっぱり美樹先生は厳しい。
「済みませんでした。これから、よろしくお願いします」
多恵子が再び頭を下げた。
“Ladies, we’ll start our meeting soon.”
(皆さん、ミーティングを始めますよ)
マギーの呼び声に多恵子がすばやく答えた。
“Yes, I’ll be right.”
(はい、わかりました)
そしてこちらへ向き直った。
「では、失礼します」
ほかの看護師さんたちも「失礼します」と言って奥へ引っ込んだ。
「三人ともかわいいね。長く続けてほしいな」
伊東先生の言葉に美樹先生は顔をしかめた。
「伊東先生は甘いわ。これからビシビシ鍛えなくちゃ」
僕はとにかく多恵子のことだけが気がかりだった。多恵子が病棟勤務をするのは何年ぶりだろうか。たしかに家は近いけど。
あいつ、大丈夫かな。 ((3)へつづく)
The narrator of this story is Tsutomu Uema.
そして、一九九九年がやってきた。
僕は、婦人科と麻酔科、救急診療の研修をこなしながら、どうにかUSMLE (アメリカ医師資格試験)の step two を取得した。TOEFLの五〇〇点は学生時代に一度だけクリアしていたので(まぐれだけど)、そのときのスコアをサザンに提出しておいた。これでサザン・ホスピタルからの奨学金は全額返済免除が確定したわけだ。やれやれ、一安心。あとはTOEFLで五五〇点以上と、CSA(臨床実技試験)を取れば、アメリカの医師免許が下りる。
「上間先生ならもう時間の問題でしょ」
みなさん、そうおっしゃるけど、CSAは一発勝負らしい。きっちり訓練積まなくっちゃ。
世紀末やらミレニアムやら恐怖の大王が七月にどうこうと世間が大騒ぎしはじめた頃、僕はとうとう新米の整形外科医として歩み始めた。
今回、僕には指導医が二人ついた。一人は伊東武弘先生。もう一人は有馬美樹先生だ。僕らは毎朝、サザン・ホスピタルの整形外科病棟へ回診に出向き、患者さんの病状をチェックした。
伊東武弘先生はサザン・ホスピタルの外科主任。もともと救急センター(ER)に在籍し、主に消化器系・循環器系の疾病に携わっていた。ER出身なので、ハブ咬症や海洋生物毒 (イモガイやクラゲなど)にも詳しい。整形外科は三年目、僕にとっては琉海大の先輩でもある。
エネルギッシュな兄貴分というのがぴったりな方で、よく飲みに連れて行ってもらった。彼の存在は、僕の医者人生に重大な影響を及ぼした。僕が後に琉海大の医局から出てもいいなと思ったのは、自分で人脈を作って可能性を広げていく生き方を実践していた伊東先生をずっと見てきたからだ。
有馬美樹先生は、有馬という同姓のドクターが内科にいるので名前の美樹先生で呼ばれていた。整形外科では珍しい女性ドクターだ。ちょうどドイツでのスポーツ外科研修から帰国されたところだった。
「切れ者」とはまさに彼女を形容する言葉だ。オペのメスさばきはほれぼれするくらい、良かった。スレンダーな体型に加え、歯に衣着せないハッキリした応対はむしろ患者さんやナースたちに好感を持って迎え入れられた。もっとも、サザン・ホスピタルのアメリカ的な雰囲気が彼女に合っていたともいえる。オフの美樹先生はこれまたカッコよかった……そう、美人というよりハンサムという言葉がぴったりな方ですね。あの方を彼女にするのは大変だと思います。「仕事が人生の伴侶」が口癖でしたし。
最初の飲み会でのお召し物は忘れられない。なんと、黒のぴっちりしたノースリーブのチャイナ風ブラウスに、これまた黒のスリット入りタイトミニスカート、そして、大柄の編みタイツに加えて真っ赤なハイヒールっすよ! しかも僕、隣に座っていました。ちょっとラッキー! ……あ、でも、彼女はヘビースモーカーなのだった。
年上でヘビースモーカーの女性といえば、僕はすぐにフィッシュを思い出してしまう。フィッシュが僕の前から姿を消して、もう五年になるのか。
僕はあれから誰とも付き合っていない。いや、付き合おうという気すら起こらなかった。十一も年上の女性と一旦付き合ってしまうと、どうも他の女性は幼く思えてしまう。サザン・ホスピタルにはナースがわんさといた。若くてかわいい方ばかりで、毎日眺めているだけでかなり幸せだったのだが、職場恋愛となると僕には別世界のように思えた。
そういえば、フィッシュがタロットカードを手に、こんなこと言ってたっけな。
「トミー、あんたは運がいい。これまではしんどい人生だったかもしんないけど、あんたが真面目に生きている限り、神様はあんたを見捨てたりはせえへん。五年くらいたったら、あんたに素敵な人が現れる。その人を捉えたら、絶対に離したらあかんで」
五年経つけどあんたほどの女はいないぜ、フィッシュ。たとえ、あんたがレズビアンだったとしてもだ。
俺はいい先輩や同僚に恵まれて、なんとか医者として生きているよ。
あんたは今、どこかで幸せなのかい?
いいよ、俺。まだドクターとしては新米だし、三十過ぎくらいまで女はいらない。三十超えて、財産もそれなりに築いて、医者として一人前になったら、ちょっと考えるかもしれないけど、今はまだいいや。
と、本気で考えていた。あの事件が起こるまでは。
七月一日。整形外科病棟ナースステーションに到着すると、そこには看護師長に配属されたマギーと数名の看護師、そして新人ナースの女の子が二人いた。
一人は、身長が165㎝くらいで、長い髪を後ろに一つ結びにしている。二重まぶたに、目鼻立ちがくっきりとして、口元がきりっと締まった美人だ。もう一人は、もうちょっと背が低く、やせっぽっちでおさげ頭、分厚い眼鏡をかけている。
“Good morning, Mrs. Smith.”
(おはよございます、スミス師長)
僕ら三名はマギーに挨拶をした。
“Today, I’d like to introduce to our new staff members. Please introduce yourself!”
(今日は新しいスタッフを紹介します。自己紹介して!)
二人の新人が弾かれたように前へ出た。
“How do you do. My name is Rika Aguni.”
(初めまして、粟国里香です)
“Nice to meet you. My name is Chiaki Tsuda.”
(お会いできて光栄です、津田千秋です)
「Nice to see you ! うわ、かわいいじゃん。僕は伊東武弘といいます」
「里香さん、千秋さん、私たちみんな日本人よ。有馬美樹といいます。よろしくね」
「上間勉です。新米ですが、どうぞよろしく」
型どおりの挨拶を交わすと、粟国さんが僕らの方を見てにっこりした。
「よかった。英語しか使えないと思って、すごく緊張してたんです」
「外国の患者さんとか、マギー師長とは英語になると思うけど、あとはゆっくり慣れていってください。できるだけ長く勤めてほしいので、がんばって」
美樹先生が受け答えしている中、マギーは一人、腕時計を睨んでいた。
僕はこの光景をはっきりと覚えている。二〇〇〇年になってから、院内感染防止のためスタッフ全員に腕時計の着用が禁止されたのだ。それから、聴診器を首にかけたままにするのもご法度になった。僕は一度、首にぶら下げたままソーキそばを食べて聴診器をラードまみれにしたことがあり、それ以来きっぱり辞めた。その後、ルールが施行された後も、首に掛けたままにしていて、注意を受ける同僚をちょくちょく見かけた。もちろん、アクセサリー類はその前から全面禁止だった。
“There is another new member, I haven’t seen her yet today.”
(もう一人いるけど、今日はまだ会ってないわ)
そうマギーがつぶやいたときだ。遠くから駆け寄ってくる人影があった。
“I’m so sorry I’m late!”
(すみません、遅れました!)
声を聞いて僕は驚いた。なんと、多恵子だ!
「お前、ここになったのか?」
僕が声を掛けると、多恵子が息を整えながら答えた。
「そう、今日からここなの。来週からと勘違いして、オペ室でスタンバイしてた」
「ばっかだなぁお前!」
僕は早速、マギーに向き直った。僕が説明しなくちゃと思いこんだのだ。
“Ah, let me explain this time. She’s not late but she was preparing for an operation. You know that she’s an operating-room nurse. She assumed that she would come here next week instead.”
(ええと、説明します。彼女は遅れたわけではなく手術室で準備をしていたんです。ご存知ですよね、彼女、オペ看なので。来週こちらへ来ると勘違いしていたようで)
しゃべった後で、いらぬおせっかいだったかもと反省した。第一、僕がかばう必要なんて全然ない。多恵子に英語しゃべらせれば良かった。
“That’s right. Mrs. Smith, I’m really sorry.”
(その通りです。スミス師長、本当にすみませんでした)
多恵子はひたすら謝っている。
“Don’t worry about it. Go ahead and introduce yourself.”
(この件はもういいわ。さあ、自己紹介して)
“My name is Taeko Kochinda. Please call me Taeko.”
(東風平多恵子です。多恵子と呼んでください)
ぴょこんと頭を下げる多恵子に、先生たちが話しかけた。
「伊東です。よろしく」
「私は有馬です。よろしく。で、上間先生とはお知り合い?」
「近所の同級生です。おっちょこちょいな奴ですが、よろしくお願いします」
僕の返事を聞いた伊東先生が苦笑いした。
「上間が挨拶してどうするんだよ」
そういえば、そうだ。こいつといると、どうも調子狂うなー。
「多恵子さん、遅刻は厳禁です。これからは気をつけて」
おおっと。やっぱり美樹先生は厳しい。
「済みませんでした。これから、よろしくお願いします」
多恵子が再び頭を下げた。
“Ladies, we’ll start our meeting soon.”
(皆さん、ミーティングを始めますよ)
マギーの呼び声に多恵子がすばやく答えた。
“Yes, I’ll be right.”
(はい、わかりました)
そしてこちらへ向き直った。
「では、失礼します」
ほかの看護師さんたちも「失礼します」と言って奥へ引っ込んだ。
「三人ともかわいいね。長く続けてほしいな」
伊東先生の言葉に美樹先生は顔をしかめた。
「伊東先生は甘いわ。これからビシビシ鍛えなくちゃ」
僕はとにかく多恵子のことだけが気がかりだった。多恵子が病棟勤務をするのは何年ぶりだろうか。たしかに家は近いけど。
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