人生未定

享禄【キョウロ】

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椎凪涼花と名前

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あぁ、人間には色々な感情がある。

喜ぶ、怒る、哀しむ、楽しむ

それを、喜怒哀楽という。

でも、俺は…よく分からない。

ずっと心だけが水の中にいるみたいな…

離れているような…気がする。

多分感情はあるのだろう。

だが、自分が理解できない。

それでも、気になる人はいる。

椎凪涼花《しいなぎ  すずか》の事だ。


椎凪さんは、あまり喋らない人でずっと窓の外を見ながら何かを考えている。

俺は、椎凪さんが何を考えているのかを知りたくて知りたくて仕方がない。

今日も彼女は、窓の外をじっと見ながら何かを考えている。

ギシ…

俺が動いた瞬間音がなってしまった。

椎凪さんは、それに気づきこちらを見ながら
手招きをした。

俺は少しずつ近づき、椎凪さんの前の席に座った。

2人しかいない、古い図書室の中俺の心臓だけが
ドキドキしていた。

『ねぇ、あの花を見て。』

図書室は1階で、すぐ横に園芸部が手入れをしている花壇がある。

「白色の花…?」

『えぇ…。これは、貴方の感情?』

椎凪さんは、首を傾げてそう言った。

「分からない。でも、なんでそう思ったの…?」

『雰囲気かしら…』

雰囲気…か…。

「俺に、何も無い感じがしたから?」

『いいえ、何かに染まりそうな気がしてね。』

染まる。
そうだ、今染まりかけている。色々な色に。

俺の静かな色が、ゆっくりと変わる…

『それと、貴方の名前が雪って名前だから。』

「え?なんで知ってるの…?」

椎凪さんは、ゆっくりと席を立って

俺の顔を真剣に見た。

椎凪さんの目から涙がポタポタと流れている。

「え、どうしたの…!?椎凪さん…?」

焦っていると、椎凪さんは僕の腕を掴み…

『…っ…。』

「……」

キスをした…。

ー次に続くー



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